~デジタルインフラと地域リサイクルインフラで、バイオ炭J-クレジット創出を加速~

エコウル株式会社×株式会社本村興産 農業分野のJ-クレジット創出 共同プロジェクト(宮崎県都城市)
「イノベーションにより、エコで潤う社会を実現する」をゴールに掲げるサステナビリティAIスタートアップ、エコウル株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:江森 靖紘、以下「エコウル」)は、農林水産省が公募する令和8年度「みどりの食料システム戦略推進総合対策のうち 農業分野のJ-クレジット創出推進支援事業(プロジェクト登録・クレジット認証支援型)」に採択され、2026年6月付で交付決定を受けました。
本事業においてエコウルは、宮崎県都城市で食品リサイクルを手がける株式会社本村興産(以下「本村興産」)と共同実施体制を構築します。食品製造工程で発生する有機性汚泥を環境配慮型のプロセスでバイオ炭化し、地域の農地へ施用することで炭素を土壌に貯留し、J-クレジット(国が認証する温室効果ガスの削減・吸収量)創出に向けた実証を行います。
カーボンクレジットの創出・流通を専門とするエコウルは、独自開発のデジタルMRVプラットフォームで原料調達から農地施用までの全工程を一元管理し、MRV(測定・報告・検証)業務をデジタル化・効率化。最先端のデジタルテクノロジーと地方のリアルなリサイクルインフラを繋ぎ、地方発の脱炭素・資源循環パッケージの確立を目指します。
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■採択の背景:農業の脱炭素を阻む「コストと手続きの壁」
農業分野のJ-クレジットは、生産現場へ外部資金を呼び込み経営改善につながる手法として期待され、なかでもバイオ炭の農地施用は、炭素を土壌へ長期間貯留できる確実性の高い手法として注目されています。
しかし普及は遅れており、農林水産省によれば農業分野のプロジェクト登録は45件(令和8年3月時点)、活用できる方法論も7つにとどまります。背景にあるのは、施用実績の証明やデータ管理、煩雑な認証手続き(MRV)に伴う多大なコストと手間という構造的な障壁です。
一方で需要は急拡大しています。日本版排出量取引制度「GX-ETS」が2026年4月に本格稼働し、2027年3月期からの大企業のGHG(温室効果ガス)排出量開示義務化や改訂SBTiの認証開始も相まって、信頼性の高いカーボンクレジットへの需要は今後さらに高まる見込みです。
エコウルは独自のデジタルMRVで全工程をデジタル一元管理し、手続きを自動化・効率化することで、この需要に応える供給側の基盤を整えます。
※参考:農林水産省 令和8年度 農業分野のJ-クレジット創出推進支援事業の公募について
https://www.maff.go.jp/j/supply/hozyo/kanbo/260209_303_1.html
■本事業の概要と両社の役割分担
本事業では両社の強みを融合し、都城市周辺の協力農地でバイオ炭の施用と実証を行います。地域で発生する食品汚泥を地域の農地へ循環させる「地産地消型資源循環モデル」の確立を目指します。
▼株式会社本村興産(地域リサイクルインフラの提供):
食品製造事業者等から発生する有機性汚泥の調達ルートを保有。炭化工程で生じる熱を使った予備乾燥などの環境配慮型プロセスを検証し、日本バイオ炭普及会(JBA)の品質証明取得を予定する高品質なバイオ炭を製造、地元農家への輸送・散布も担います。同社は都城市で産業廃棄物の収集・処分から有機性堆肥の製造・販売まで一貫して手がけており、本事業ではこの確立済みのインフラを活用します。
▼エコウル株式会社(デジタルMRVプラットフォームの開発・提供、カーボンクレジット創出・販売)
原料調達・製造・輸送・施用の各工程をデジタルで記録し、トレーサビリティ(追跡可能性)を担保。J-クレジット制度へのプロジェクト登録・認証申請と、創出クレジットの販路開拓を担います。販路面では、GX-ETS対象企業を含む大口需要家との接点を有し、創出前段階からの需要マッチングを強みとします。
なお、炭化装置メーカーと施用効果を分析する研究機関は、複数候補と協議のうえ現在選定中です。
■バイオ炭による炭素貯留の仕組み
従来、食品由来の有機性汚泥は焼却処理や埋立処分が行われ、その過程で温室効果ガスを排出していました。本事業ではこの汚泥を高度な熱分解でバイオ炭へ転換します。水分の多い汚泥は、機械的脱水と、炭化工程の熱を活用した予備乾燥によって炭化に適した状態まで乾燥させ、「炭化熱の再利用」でエネルギー効率と品質を両立します。
生成したバイオ炭は炭素が難分解性の形態で固定されるため、農地施用により炭素を土壌へ長期間貯留できます。土壌改良による作物生育への寄与も期待され、「廃棄物の適正処理」と「炭素の貯留」を同時に実現する点が本モデルの核心です。
■エコウルのカーボンクレジット領域における専門性
エコウルは創業以来、カーボンクレジットの創出・流通を事業として行ってきました。
代表の江森は、炭素会計SaaSやカーボンクレジット取引プラットフォームの立ち上げを推進し、GXリーグ適格カーボンクレジットWGでのGX-ETS第一フェーズ向けルール策定、Green×DigitalコンソーシアムでのCFP(カーボンフットプリント)算定ルール策定に委員として関与してきました。
森林・農業・再生可能エネルギー由来など複数分野・地域でのクレジット創出に加え、2025年には農林水産省「みどり脱炭素海外展開コンソーシアム」に参画し、COP30共同声明にMRV高度化を担う企業として名を連ねています。
本事業では、こうした制度設計の知見と現場の創出実績を、農業分野のバイオ炭クレジットに集約します。
■想定する創出規模と今後のスケジュール
本事業期間(令和8年度事業:2027年3月末まで)を通じて、本事業の経済性の検証完了を目標とします。認証取得後には年間約500t程度のクレジット認証・発行を想定ており、順次拡大していく計画です。
GX-ETS対象企業などの大口需要家(エネルギー企業、物流企業等)への提供を協議し、都市部企業の資金を地域の農業・酪農現場へ還流させるモデルを構築。将来的にはこの地域インフラの資源循環・脱炭素モデルをパッケージ化し、全国へ横展開していく計画です。
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■代表コメント
エコウル株式会社 代表取締役社長 江森 靖紘

エコウル株式会社 代表取締役社長 江森 靖紘
「農業分野の脱炭素は、『手続き負担とデータの壁』が普及の足かせになってきました。実際、登録プロジェクトはまだ全国で45件にとどまっています。私自身、GXリーグ等でクレジットの制度設計に携わってきましたが、制度を現場で回すには創出コストを抜本的に下げる仕組みが不可欠です。今回の採択を機に、本村興産様の地域インフラと、私たちのテクノロジー・専門性を掛け合わせ、高品質なバイオ炭クレジットを低コストで生み出す仕組みを実証します。都市部企業の資金を地域の農業現場へ還流させ、脱炭素と地域の資源循環を同時に実現する。この「都城モデル(地産地消型資源循環モデル)」を、全国へ広げる第一歩にしたいと考えています。」
本村興産株式会社 代表取締役 本村 幸也氏
「私たち、株式会社本村興産は、宮崎県都城市の緑豊かな山あいで、食品リサイクル事業を営んでいます。廃棄食品や動植物性残さ、汚泥、畜糞などの産業廃棄物を自社の回収体制で受け入れ、独自の発酵ノウハウを活かして安全でクリーンな有機性堆肥を製造・販売してまいりました。約1ヶ月の発酵と3ヶ月の熟成という丁寧な工程を経て、土壌改良効果の高い高品質な堆肥をお届けしています。そんな私たちが今、新たに挑むのがバイオ炭のプロジェクトです。これまで培ってきた廃棄物処理と発酵技術のノウハウを土台に、廃棄物由来の資源を炭化し、土壌改良と炭素貯留を両立させる新しい価値を生み出したいと考えています。環境と共に進化するという私たちの理念を体現する取り組みとして、地域の資源循環と脱炭素社会の実現に貢献できるよう、全力で取り組んでまいります。」
【エコウル株式会社について】
エコウル株式会社は、「イノベーションにより、エコで潤う社会を実現する」をゴールに掲げるサステナビリティAIスタートアップです。
【会社概要】
会社名:エコウル株式会社(Ecoulu, Inc.)
設立 :2024年12月9日
代表者:代表取締役社長 江森 靖紘
所在地:東京都目黒区目黒2丁目11-3 印刷工場1階
URL:https://www.ecoulu.com/
事業内容:サステナビリティ×AIサービス
参画団体:GXフューチャーコンソーシアム、みどり脱炭素海外展開コンソーシアム(農林水産省)、Green Value Chain(環境省)、日本バイオ炭協会、他
【株式会社本村興産について】
会社名:株式会社本村興産
所在地:〒889-4601 宮崎県都城市山田町山田7312番地3
事業内容:有機性産業廃棄物の収集・処分、特殊肥料(有機性堆肥)の生産・販売。自社回収体制と独自の発酵ノウハウにより、低価格・高品質な有機性堆肥を製造・販売。
【本件に関するお問い合わせ】
エコウル株式会社
広報担当
Email: info@ecoulu.com
URL: https://www.ecoulu.com/ja#contact
※本村興産へのお問い合わせも上記にて一括して受け付けております。
※本プレスリリースに記載の数値は見込み・予定であり、確定値ではありません。