2040年度250兆円の国内投資目標を背景に、プロジェクト分析から企業の「価値変換能力」を体系化
株式会社CONEE(本社:東京都中央区)は、R&D、新規事業、DXなど、成果を直接測りにくい企業内プロジェクトを対象に、投資を実際の成果へ変える条件を体系化した全33ページの公開研究レポート「生産性向上の科学的設計」を無料公開しました。
本レポートは、複数期間・複数テーマにわたる工数、人員、資源投入、評価・レビュー履歴、成果進行、最終状態を時間軸上で統合したプロジェクト分析を実証的な起点としています。
本レポートでは、企業の生産性をめぐる次の3つの問題提起を整理しました。
1.AI導入率や工数削減率は、企業成果そのものではない
2.探索型と検証・実装型では、成果に効く資源が異なる
3.人・責任・知識は安定させ、工数・投資強度は機動的に変える

図1 本レポートの3つの問題提起
全33ページの公開研究レポートを無料で読む[https://www.conee.co.jp/repoto/productivity]
成長投資が拡大する今、企業には「投資後の設計」が必要
2026年7月21日に閣議決定された「日本成長戦略」と「骨太方針2026」では、危機管理投資・成長投資を通じた国内投資の拡大が重要政策として位置付けられ、国内民間設備投資額について「2040年度250兆円」が新たな官民目標として掲げられました。
政策が「どこへ投資するか」を示す一方、企業には、AI、設備、人材、研究開発への投資を、品質、顧客価値、事業化、収益へどのように変えるかという「投資後の設計」が必要です。
企業内部で、次の問いに答えられなければ、投資は活動量の増加にとどまります。
- 投資によって、何を成果として実現するのか
- 投資効果を、いつ、どの指標で評価するのか
- 結果を、追加投資、再設計、縮小・撤退へどう反映するのか
政策が「どこへ投資するか」を示す一方、企業には、投資をどのように成果へ変えるかという内部設計が必要です。

図2 成長投資と価値変換能力
生産性を「コスト削減」から「価値変換能力」へ
企業では、生産性向上が、人員削減、工数削減率、AI・システム導入率、設備投資額などで管理されることがあります。
しかし、これらの多くは投入または活動の指標であり、成果そのものではありません。
本レポートでは、生産性を次のように定義しています。
生産性とは、人、資本、情報、技術、時間を、価値ある成果へ変換する組織能力である。
匿名化分析から得られた3つの発見
本レポートは、企業の開発組織を対象に行った匿名化分析を実証的な起点としています。
工数、人員、資源投入、評価、成果進行を時間軸上で統合し、成果構造、時間差、運営状態の変動を分析しました。
CONEEは、既存データの分析から始めるのではなく、まず「何を成果と呼ぶか」を設計します。
本分析では、高度なモデルを選ぶ前に、何を成果と呼ぶかを設計する必要があります。本分析では、投入、活動、中間成果、経営成果を区別し、工数、人員、資源投入、評価・レビュー履歴、成果進行を時間軸上で統合しました。
発見1|探索型と検証・実装型では、生産性の高め方と「勝ち方」が異なる
探索型フェーズでは、問題と解決策がまだ確定していません。
仮説を形成し、小さな実験を繰り返しながら、不確実性を減らすことが目的です。
検証・実装型フェーズでは、解決策の品質、再現性、標準化、運用定着、展開性を高めることが目的になります。

図3 探索型と検証・実装型の比較図
探索型フェーズでは学習密度を高め、検証・実装型フェーズでは再現性を高める。
両者へ同じKPI、同じ予算ルール、同じ評価周期を適用すると、探索型では挑戦が失われ、検証・実装型では品質や成果責任が曖昧になる可能性があります。
発見2|月次の状態確認と、複数月の成果評価を分ける必要がある
R&D、新規事業、DX、組織改革では、投入した資源の効果が同じ月に現れるとは限りません。
分析では、探索型フェーズにおいて、投入効果が月次ではなく、数か月から半年程度の複数月帯で成果へ現れる傾向が確認されました。
月次は状態確認、複数月は成果評価。
短期報告だけで中長期成果を判断すると、成果発現前の案件を過小評価する可能性があります。一方、長期評価だけでは、活動停止や課題放置を見逃します。時間軸ごとに、異なる判断目的を持たせることが重要です。

図4 短期・中期・長期の評価設計図
発見3|安定させるべきものと、変動させるべきものは異なる
未達・中止側では、人数の大幅な増減やメンバーの出入りが目立つ傾向がありました。
一方、成功案件では、コアメンバーを維持しながら、実験、設計、評価前後に工数や費用を集中させる「メリハリある変動」が確認されました。
人、責任、知識、判断基盤は安定させ、工数、投資、活動強度は必要な局面に応じて機動的に変える必要があります。
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価値変換能力を構成する6つの要素
CONEEは、企業が投資を成果へ変える能力を、次の6要素で整理しています。

図5 価値変換能力を構成する6要素
企業の生産性差は、単純な投資額の差だけでは説明できません。
何を成果と定義し、いつ評価し、フェーズごとにどう管理し、学習結果を次の資源配分へ戻すかという構造の差が、投資成果を左右します。
データは「人を裁く装置」ではなく、対話を始める入口
本分析では、人員変動、活動強度、レビュー間隔などを用いた運営状態診断も検討しました。
一方、要支援・未達事例が限定されていたため、モデルの識別性能は、自動判定や自動アラートに利用できる水準には達しませんでした。
そのため、本レポートでは、次の利用を想定していません。
- スコアだけで成功・失敗を判定する
- 自動的にゲート通過を決定する
- スコアに応じて予算を自動削減する
- 個人評価へ転用する
データの役割は、失敗を機械的に決めることではありません。
人が確認すべき場所を、データによって絞り込むことです。
CONEEが提供する「価値変換設計」
一般的なデータ分析では、既に存在する売上、工数、不良率などを目的変数として分析を始めます。
しかし、成果を直接測りにくいR&D、新規事業、DXでは、分析以前に「何を成果と呼ぶか」を設計する必要があります。
CONEEは、次の3段階を一貫して支援します。
1.成果設計
売上や件数だけでは測れない成果を、成熟度、品質、顧客検証、知識、標準化、将来価値などから構造化します。
2.実証分析
工数、人員、資源、レビュー、成果を時間軸上で統合し、フェーズ差、投入効果、時間差、運営変動を分析します。
3.経営実装
分析結果を、KPI、レビュー、PMO、ゲート、ポートフォリオ、資源配分、知識共有へ接続します。
CONEEに依頼する理由は、分析ができるからだけではありません。まだ測り方すら定まっていない技術活動を、経営が判断し、現場が改善できる構造へ変えるためです。
個別相談について
CONEEでは、次の課題を持つ企業・組織からの相談を受け付けています。
- R&D・新規事業の成果指標設計
- AI・DX投資と企業成果の検証
- 探索型と検証・実装型のKPI設計
- PMO、レビュー、資源配分の再設計
相談窓口
[https://www.conee.co.jp/contact]
株式会社CONEEについて
CONEEは、売上や件数だけでは測れない成果の設計、工数・人員・資源・レビュー情報の実証分析、KPI・PMO・資源配分への経営実装までを一貫して支援します。分析自体を目的とするのではなく、まだ測り方すら定まっていない技術活動を、経営が判断し、現場が改善できる構造へ変えることを目的としています。
公式サイト
[https://www.conee.co.jp/]
*参考資料
1.内閣官房「日本成長戦略」(2026年7月21日閣議決定)
2.内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2026」(2026年7月21日閣議決定)
※本レポートは、政府方針を評価、支持または批判することを目的とするものではありません。政府が掲げる成長投資・生産性向上という政策課題を背景に、企業内部で投資を成果へ変えるための設計を考察したものです。