~投資家が投資判断にこどもへの影響を評価し、企業によるこどものための行動を促進~
一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(所在地:東京都渋谷区、代表理事:今田克司、以下SIMI)は、ケイスリー株式会社(所在地:沖縄県中頭郡読谷村、代表取締役社長:幸地正樹、以下ケイスリー)と連携し、国連児童基金(所在地:NEW YORK, NY, USA、Executive Director:Catherine Russell、以下UNICEF)が提唱するChild-Lens Investing(以下、チャイルドレンズ投資)の日本における導入促進に向けた戦略策定プロジェクトを開始します。
■チャイルドレンズ投資とは
チャイルドレンズ投資とは、投資家が意図的にこどもへの影響を考慮することで、こどもへの悪影響を最小限に抑えつつ、こどもにとって有益な結果をもたらすことを目指す投資アプローチです。企業にとっては、こどもの権利を守り、さらに促進する動きを促すことで、潜在的な人権リスクの低減、未来を見据えた市場機会の創出、事業の持続可能性を高める仕組みです。世界的に普及が進むESG投資やインパクト投資の新たなテーマとして注目されており、具体的には、以下の3つの柱があります。
● 戦略
- 定義:投資判断においてこどもに関連する要素を意図的に考慮することでこどもへの悪影響を最小限におさえつつ、こどもにとって有益な結果をもたらすことを目指す。
● プロセス
- 定義:投資前の調査から事後管理まで、全ての工程でこどもへのリスク・機会を評価すること。
- 具体例:保護者でもある従業員の子育て支援、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の確保、サプライチェーンにおける児童労働の排除、こどもに対する倫理的なマーケティングなどの直接こどもに影響がある投資から、水と衛生、保健、テクノロジーなどによるこどもへの間接的な影響まで広く評価する。
● 貢献
- 定義:投資家の立場や影響力を使って、企業や社会にこどもへのポジティブな変化を促すこと。
※UNICEFが提唱するチャイルドレンズ投資のフレームワークは、世界的に評価されており、TIME誌 Best Invention of 2024 の一つとして選出されています。
■なぜ今チャイルドレンズ投資なのか
世界的にESG投資やインパクト投資が拡大する中、投資判断において定着しつつあるジェンダー(Gender-Lens)や環境(Climate-Lens)の視点に加え、こどもへの影響を考慮する重要性も高まっています。たとえば、少子化やこどもの貧困が深刻化する日本においても、こどもの権利を守り、ウェルビーイングを向上させるためには、公的資金や寄付などに加え、民間資金による新たな資金循環を生み出すことが急務となっています。
■プロジェクトの概要
本プロジェクトは、UNICEFが提唱するチャイルドレンズ投資の枠組みを日本市場に適した形で導入・普及させるための基盤構築を行うものです。SIMIとケイスリーが共同で、以下の取り組みを推進します。
- 日本市場における導入戦略の策定:国内の金融機関、投資家、企業へのヒアリングや協議を通じ、日本の文脈に即したチャイルドレンズ投資の導入戦略を策定します。
- パイロット・プログラムの実施:国内の投資家および地域ファンド(沖縄)と連携し、実際にチャイルドレンズ投資の視点を投資プロセスに組み込むパイロット事業を実施・支援します。
- エコシステムの構築と普及啓発:金融業界およびインパクト投資コミュニティにおいて、こどもの権利を考慮した投資機会を特定し、認知拡大を図ります。
■代表者コメント
一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI) 代表理事 今田 克司
SIMIは、2024年5月の Social Impact Day において、チャイルドレンズ投資に注目し、当時のUNICEFのディレクターにそのねらいやフレームを紹介してもらいました。インパクト投資が注目されるなか、分野を限った投資戦略づくりやその実施に寄与するフレームは投資家の大きな助けになると感じたからです。また、チャイルドレンズ投資はこどもを中心におく考えに立脚して作られており、こどもの権利を守る理念と金融という手段をしっかり重ね合わそうとしている点で、大変有意義な取り組みだと感じました。このたび、そのフォローとして日本における導入戦略に着手することは、とても意義深いことだと感じています。
ケイスリー株式会社 代表取締役社長 幸地 正樹
ケイスリーはこれまで、全国の企業や投資家に対し社会的インパクト・マネジメントやインパクト投資の戦略策定・実行支援を行ってまいりました。その一方で、拠点である沖縄においては「沖縄みらい地図アクション」を通して、こどもの諸課題の課題構造を可視化し、沖縄全体が一体となった課題解決の取り組みを推進しています。これらを通じて痛感するのは、課題の根本解決には、企業の行動変容に向けたインセンティブと持続的な資金循環の仕組みが不可欠だということです。UNICEFの推奨するチャイルドレンズ投資は、まさにその資金循環を生み出すための重要な柱となります。沖縄での実践知見を活かし、こどもの権利とウェルビーイングを中心とした新たな投資エコシステムを日本に構築できるよう、全力を尽くします。
■団体概要

一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI)一般財団法人 社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI)は、2016年に設立され、2020年に法人化された社会的インパクトマネジメントの推進プラットフォームです。非営利団体や企業、資金提供者と資金仲介者、政府機関、仲介支援組織やシンクタンク、評価者および研究者などで構成される日本における多様なステークホルダーの協力による取り組みであり、2025年7月時点で、約140の団体と個人がメンバーとなっています。
https://simi.or.jp/

ケイスリー株式会社行政、企業、NPO及び金融機関などあらゆる団体が社会課題解決を目的とした意思決定するための支援を行う。主に社会的インパクト・マネジメントやインパクト投資、成果連動型民間委託(PFS)などの手法を中心とした「社会価値共創部」と、沖縄の社会課題解決を目的とした地域特化の「沖縄かふう共創部」がある。
https://www.k-three.org/
【本件に関するお問い合わせ先】
一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ事務局(担当:川合)
メールアドレス:info@simi.or.jp