"うつ未満"は、早期離職や1on1の形骸化といった職場の課題とも地続きです。アクティブリスニング(積極的傾聴)を軸に「聴く」の可能性を掘り下げた本イベントは、参加者満足度100%を記録しました。
株式会社Lively(本社:神奈川県藤沢市、代表取締役:岡えり)は、2026年6月10日、渋谷区本町コミュニティセンター(東京都渋谷区)にて、対談イベントシリーズ「Active Listening Talks(ALT)」第5回を開催しました。ゲストにはSNS総フォロワー50万人超の精神科医Tomy氏を迎え、「『大丈夫』と言えない日の、心の処方箋──『うつ未満』のあなたへ」をテーマに、約2時間半のセッションを実施。会場は満席となり、終了後のアンケートでは回答者の満足度100%(全員が「満足」以上)を記録しました。
「うつ未満」とは、うつ病と診断されるほどではないものの、心から元気とも言えない状態が続く"病気の一歩手前"の時間を指します。 診断はつかず、薬も出ない。けれど確かにしんどい──そんな人が、いま静かに増えています。
本イベントの核にあったのは、医療の側に立つ精神科医Tomy氏と、その一歩手前で「聴く」に取り組んできた株式会社Lively・岡えりが、同じ景色を別々の場所から見つめ直したことでした。対談の中心にあったのは、アクティブリスニング。アクティブリスニング(積極的傾聴)とは、相手の言葉だけでなく、その背景にある思いや感情まで受け止める聴き方を指します。 株式会社Livelyは、この「聴く」を社会に広げる活動を続けています。

このプレスリリースのポイント
- 「うつ未満」とは、うつ病ではないが元気とも言えない"病気の一歩手前"の時間。 診断も薬もつかないこの領域とどう向き合うのかが語られました。
- 精神科医Tomy氏「弱音を吐くことは、悪いことではない」。 弱音を吐くことを甘えではなく、心の健康を保つ行動として捉え直す視点が示されました。
- 株式会社Lively 岡えりは、病気になる前の"グレーゾーン"で気持ちを切り替えられる場所の必要性を提起。 作業療法士として発症前の現場を見てきた経験に根ざした問題提起です。
- 職場の"うつ未満"は、早期離職や1on1の形骸化とも地続き。 「聴く」を軸にした組織づくりの実践的な示唆が共有されました。
Active Listening Talks(ALT)とは
「Active Listening Talks(ALT)」は、株式会社Livelyが主催する対談イベントシリーズです。「聴く」という行為を深掘りし、聴くという営みがいま社会でどのように実践・活用されうるかを、各分野の第一線で活躍する方々を迎えて探求しています。
開催概要
[表: https://prtimes.jp/data/corp/80408/table/18_1_e897c859326d01a819aa60a546deee8a.jpg?v=202607311345 ]
イベント内容サマリー
「うつ未満」とは何か──病気の"一歩手前"にある時間
Tomy氏の講演は、Tomy氏の著書タイトルでもある「うつ未満」の説明から始まりました。うつ病と診断されるほどではない。日常生活に支障が出るわけでもない。けれど、楽しくない状態がずっと続く──Tomy氏は、そうした人たちを「診断や薬にはならなくても、何らかの形で拾いたい」という思いから、著書のタイトルに据えたといいます。情報過多の時代、人は他人と比較し、余計なことを考えて自分を追い込みやすくなっている、とも指摘しました。
この"手前"の景色を、岡えりは医療職の立場から見つめてきました。作業療法士として精神科病棟でカルテを読むうち、「病気になる"前"に、どこかで踏みとどまれなかったのか」と感じるケースが多くあったといいます。
「心の状態は、一気にドカンと悪くなるわけではなく、グラデーションのように徐々に悪くなっていく。それなら、その手前のグレーゾーンで気持ちを切り替えられる場所があればいい、とずっと思っていました」(岡えり)
医療の側から「うつ未満」を語るTomy氏と、その一歩手前で「切り替えられる場所」をつくってきた岡えり。立場は違えど、同じ人を見てきた二人の視点が重なりました。

Tomy氏の視点──「弱音を吐く」のは、甘えではなく技術
Tomy氏が繰り返し強調したのは、「弱音を吐く技術」という捉え方です。頑張り屋の人に「頑張らなくていい」と言っても、具体的にどうすればいいのかが分からなければ実践できない──だから技術として語る、と氏は言います。
「弱音を吐くことは、悪いことではないんですね。平気なふりをすると、そこの問題は何も解決されなくなってしまう」(Tomy氏)
真面目な人ほど「休むこと」を悪いと思い込んでしまうことがあるが、「回復するための"仕事"だと思ったほうがやりやすい」と、責任感の強い人に寄り添う言い換えを提示しました。しんどさを抱える人への声かけについても、「うつの人に『頑張れ』はダメ」という通説に一石を投じます。
「一番おすすめなのは、『頑張ってるよね』という言葉です。『頑張れ』ではなく、『いつも頑張ってるよね』『よく頑張ってきたよね』と言うほうがいい」(Tomy氏)

「共感」と「同調」は、まったく違う──Livelyが伝える聴き方
岡えりが会場に伝えたのが、「共感」と「同調」の違いです。良かれと思って相手の弱音に「励ます」「アドバイスする」と、かえって相手の心のシャッターは閉じてしまう。では、どう聴けばいいのか。
「『分かる、あの人ムカつくよね、辞めちゃえば?』と同調されると、その場は気持ちよくても、後からまたモヤモヤが戻ってきてしまう。同調ではなく、ありのままをジャッジせずに受け止める共感が大事なんです」(岡えり)
だからこそ相談する相手を選ぶことも大切だと岡えりは言います。「ジャッジしない人」「同調しない人」に、場所とタイミングを選んで話す。さらに、聴いてほしいときは前もって「アドバイスはいらない、ただ聴いてほしい」と伝える。こうした具体的な工夫が、"聴いてもらう"体験の質を左右すると語りました。

人が弱音を吐けない「4つの理由」──Livelyが聴く現場から
なぜ、人は弱音を吐けないのか。岡えりは、Livelyの聴く現場で見てきた理由を4つに整理して共有しました。1.完璧主義・責任感、2.他人に迷惑をかけたくないという思い込み、3.評価が下がることへの恐怖、4.プライドや防衛本能。
岡えり自身も、3人の子育てのなかで「毎日頑張らなきゃ」と走り続け、辛いと感じる瞬間すら自覚できなくなっていた時期があったといいます。
「ある時、全身に蕁麻疹が出て、病院で『ストレスかな』と言われました。自分では『ストレスなんてない』と思っているくらい、自覚できなくなっていたんです」(岡えり)
私たちは他人の弱音は受け止められても、自分自身にはなかなかできない。だからこそ、まずは「辛いんだね」と自分の声を自分で聴くことから始めてほしい、と会場に呼びかけました。
「聴くとは、『あなたは生きていていいんだよ』と伝えることだと思っています」(岡えり)
職場の"うつ未満"に、企業は何ができるか
第3部の対談では、参加者からの質問を起点に、職場における「聴く」の実践も語られました。しんどさを抱える相手への関わり方として、Tomy氏は「本人に判断を仰がないこと」を挙げます。「あれこれ聞くと、そこで判断が入る。『もうやっておいたよ、大丈夫だよ』という状態をつくるのが一番助かる」。
岡えりは、経営者や管理職の立場の方から「休職した社員との関わり方について」相談を受ける機会が多いと述べ、こうした知見を組織の現場に届けたいと語りました。職場のメンタルヘルス、健康経営、管理職のラインケア、1on1の質は、いずれも「調子が悪いと安心して話せる空気が、職場にあるか」に行き着きます。

参加者の声
イベント終了後のアンケートでは、回答者の満足度は100%(回答者20名全員が「満足」以上)。うち14名(約7割)が最高評価の「大変満足」を選びました。また、回答者の過半数が「職場での人間関係やマネジメントに活かしたい」と答えています。
印象に残った学びとして多く挙がったのは、「自分の納得感を基準に選ぶ(自分軸)」「頭をお暇にしない」「自分がご機嫌になるものを持っておく」といった、日々の実践に落とし込める視点でした。ある参加者は「『頑張れ』ではなく『頑張ってるよね』という声かけは、自分がいつも心がけていたことだと安心できた」と振り返り、別の参加者は「調子が悪いときに『大丈夫』ではなく『悪い』と言えるようにしたい」と、今日からの行動を書き記しました。
会場では、岡えりが「自分の弱音を吐くのが苦手な方は?」と問いかけると、ほぼ全員が手を挙げる場面も。一方で「人の弱音を聴くのは得意」という人は多く、"優しい人ほど自分を後回しにしてしまう"という現代的な課題が浮かび上がりました。
今後の展開
アクティブリスニング講座(個人向け)
株式会社Livelyが中心となって設立を進めてきた一般社団法人アクティブリスニング協会は、2026年7月7日に設立しました。協会は、アクティブリスニングを再現性のある技術として体系化・普及し、認定講座を通じて学んだ人の力を社会的に証明できる仕組みづくりを進めています。アソシエイト/スペシャリスト/プロフェッショナル/インストラクターの段階的な資格制度により、「聴く」を学び、生活と仕事に活かす人を育てています。
アクティブリスニング研修(法人向け)
営業力向上(傾聴営業)、心理的安全性の醸成、チームビルディング、DEI推進、リーダー育成など、組織課題に応じたプログラムを設計しています。一律のメニューではなく、貴社の現状をお聴きしたうえで、最適なプログラムをご提案します。
採用・定着・エンゲージメント向上の伴走支援
研修だけでは届かない、対話の文化を組織に根づかせる継続的なプロセスをご一緒します。アクティブリスニングを起点に、貴社の固有の状況に合わせた取り組みを、伴走者としてサポートします。
まずは貴社のお話をお聴かせください。個別のご状況に合わせて、最適な進め方をご提案いたします。
▶ 法人向けお問い合わせ:https://about.lively-talk.com/contact/
登壇者プロフィール
精神科医Tomy(せいしんかいとみー)
精神科医/作家。1978年生まれ。名古屋大学医学部卒。日本精神神経学会認定専門医、精神保健指定医。クリニックでの臨床のかたわら、X(旧Twitter)を中心に「ラクに生きるためのヒント」を発信し、SNS総フォロワーは50万人超。著書は30作品を超え、「1秒シリーズ」は累計36万部超のベストセラー。最新刊は『うつ未満。「大丈夫」と言えない日の相談室』(秀和システム新社)。
岡 えり(おか えり)
株式会社Lively 代表取締役。神奈川県立保健福祉大学卒業後、作業療法士として精神科や訪問リハビリの現場に従事。結婚・出産を経て3人の子育てと仕事の両立が困難となり、専業主婦に。社会から断絶された生活のなかで「人は話を聴いてもらうだけで元気になる」というコミュニケーションの価値を再認識し、「聴く」という新しい働き方の選択肢をつくるため、2020年に株式会社Livelyを創業。オンライン傾聴サービス「LivelyTalk」の運営、企業向けアクティブリスニング研修、採用・定着・エンゲージメント向上の伴走支援などを展開している。
株式会社Lively/LivelyTalk について
株式会社Livelyは、「聴くコミュニケーションにチャンスをつくり、孤独を減らす」をパーパスに、メンタルウェルビーイング領域でサービスを展開している企業です。
- オンラインアクティブリスニングサービス「LivelyTalk」:話したい人と聴き手をつなぐプラットフォーム。創業3年で全国に約1万人近くの聴き手が集まり、2026年にはサービスへのレビューが累計1,000件を超えました。
- 法人向けアクティブリスニング研修:営業力向上、心理的安全性の醸成、チームビルディング、DEI推進、リーダー育成など、組織課題に応じた研修プログラムを提供。
- 採用・定着・エンゲージメント向上の伴走支援:アクティブリスニングを起点に、企業ごとの状況に合わせて組織の対話環境づくりを伴走する法人向けサービス。
- アクティブリスニング協会 認定講座:個人がアクティブリスニングを体系的に学び、生活と仕事に活かしていくための6時間の認定プログラム。アソシエイト/スペシャリスト/プロフェッショナル/インストラクターの段階的な資格制度。
- 聴く仕事ラボ:アクティブリスニングを仕事にしたい個人を支援するコミュニティ/プログラム。
関連リンク
- 株式会社Lively 公式サイト:https://about.lively-talk.com/
- LivelyTalk:https://www.lively-talk.com
- アクティブリスニング協会 認定講座:https://about.lively-talk.com/service/academy
- 聴く仕事ラボ(LINE登録):https://rp49ervz.autosns.app/line
- 法人向けお問い合わせ:https://about.lively-talk.com/contact/
本件に関するお問い合わせ先
株式会社Lively 広報担当
お問い合わせフォーム:https://about.lively-talk.com/contact/