― 全国障害年金パートナーズ、無料相談9,926件の回答を分析 ―
うつ病・精神疾患による障害年金申請を専門に支援し、これまでに3,000件超の受給代行支援実績を持つ社会保険労務士法人 全国障害年金パートナーズ(東京都千代田区、代表:宮里竹識)は、自社に寄せられた無料相談9,926件の回答内容を分析し、うつ病発症後にフルタイムでの就労を続けることの難しさと、続けられている場合でも生活面の困難が生じやすい実態を明らかにしました。

■ 調査の背景
当法人には、「うつ病の発症当初はフルタイムで働けていたが、症状と向き合う中で、その後の働き方が変わった」という声が多く寄せられてきました。うつ病の症状は、気力や集中力の低下、対人関係の困難などを伴う場合があり、就労の継続に影響することが少なくないと考えられます。
また、障害年金の審査においては、就労の有無だけでなく、日常生活上の困難や仕事における配慮の実態などが総合的に確認されるとされています。一方で、「働けているのだから対象外ではないか」といった誤解から、申請を諦めてしまう方が少なくないと相談の中で感じてきました。
そこで今回、自社の無料相談に寄せられた回答をもとに、初診時の就労状況と当法人への無料相談の回答時点の就労状況の変化、およびフルタイムで働いている方の日常生活上の困難について集計し、傾向を可視化しました。
■ 分析で明らかになった2つのポイント
当法人の無料相談では、以下2つの時点の就労状況をたずねています。
- うつ病で初めて医療機関を受診した時点(以下「医療機関の初診時」)の就労状況
- その後に当法人の無料相談に回答した時点(以下「無料相談の回答時」)の就労状況
今回は上記における就労状況の変化を調査しました。その結果、医療機関の初診時に「正社員・フルタイムで働いていた」と回答した4,452件のうち、無料相談の回答時も「正社員・フルタイム」を継続していたのは1,100件、24.7%にとどまりました。
さらに、無料相談の回答時点で「正社員・フルタイム」と回答した1,499件について「日常生活7項目」を確認したところ、700件の46.7%が、少なくとも1項目で生活面の困難を回答していました。フルタイムでの就労を続けられている場合でも、生活の一部に困難を抱えているケースが一定数存在することがうかがえます。
■ 回答の4割超が「無職」に、休職・パートへの移行も
医療機関の初診時に「正社員・フルタイムで働いていた」と回答した4,452件について、無料相談の回答時点の就労状況を集計したところ、以下の結果となりました。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/167940/table/30_1_575050a0a82e9c74b2e9f08e6e7ffc05.jpg?v=202609082345 ]
上記のうち、無職・休職・パート/短時間勤務を合わせた「フルタイム以外」は3,352件、75.3%となりました。
内訳をみると、「無職」が43.2%と最も多く、次いで「休職」17.5%、「パート・短時間勤務」14.6%となっています。休職にとどまらず、無職に至っている回答が4割超を占めていることから、フルタイムでの就労を続けることが難しくなった結果、離職や退職という選択に至っているケースが少なくないことがうかがえます。また、パート・短時間勤務への切り替えも一定数見られ、症状と折り合いをつけながら働き方を調整している方がいることも読み取れます。
一方で、無料相談の回答時点でも「正社員・フルタイム」を継続していると回答した方は1,100件の24.7%にとどまりました。今回の結果からは、うつ病の発症後、フルタイムでの就労を維持し続けることは、必ずしも容易ではない状況がうかがえます。
※本調査は、同一対象者を一定期間追跡したものではありません。回答者が医療機関の初診時の状況を振り返って回答した自己申告データであり、就労状況の変化の原因やうつ病との因果関係を示すものではない点にご留意ください。初診から回答までの期間も回答者ごとに異なります。
■ フルタイムで勤務しているものの「清潔保持」「金銭管理」の面で困難を抱えているケースが目立つ
無料相談の回答時点で「正社員・フルタイム」と回答した1,499件について、「食事、清潔保持、金銭管理・買い物、通院・服薬、意思伝達・対人関係、安全保持・危機対応、社会性」の日常生活7項目(※1)ごとに、日常生活能力の回答を確認しました。
その結果、700件の46.7%が、少なくとも1項目で「自発的かつ適正に行うことはできないが、助言や指導があればできる」相当以上(※2)を選択していました。
※1:日常生活7項目とは、障害年金の申請で医師が作成する診断書(精神の障害用)の「日常生活能力の判定」欄で用いられる7つの項目を指します。
※2:「できる」「自発的にできるが、時には助言や指導が必要」「自発的かつ適正に行うことはできないが、助言や指導があればできる」「助言や指導をしてもできない、若しくは行わない」の4段階の選択肢の中で、「自発的かつ適正に行うことはできないが、助言や指導があればできる」および「助言や指導をしてもできない、若しくは行わない」に相当する回答を指します。
項目別で見ると、以下の項目で「助言や指導があればできる」相当以上の回答割合が高くなっています。
- 清潔保持:443件(29.6%)
- 金銭管理・買い物:392件(26.2%)
- 意思伝達・対人関係:350件(23.3%)

該当項目数別では、2項目以上に該当する回答が519件(34.6%)、3項目以上が396件(26.4%)でした。
■ 就労しているかどうかだけでは、生活上の困難を捉えきれない可能性がある
日本年金機構が公表する「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」では、就労状況の確認にあたり、仕事の種類や内容、職場で受けている援助・配慮、意思疎通の状況、日常生活上の具体的な困難なども含めて確認する考え方が示されています。
今回の集計からも、「フルタイムで働いている」と回答しているものの、「日常生活の一部について助言・指導を要する」旨の回答が併存しているケースが一定数確認されました。就労しているという事実だけで、日常生活能力や障害年金の受給可否を判断することは難しいと考えられます。
■ 社会保険労務士法人 全国障害年金パートナーズ代表 宮里竹識コメント

フルタイムで働いているという事実は、生活上の困難がないということと同じではありません。仕事を続けている一方で、清潔保持や金銭管理など、日常生活の一部について「助言や指導があればできる」と回答された方もいらっしゃいました。
今回の集計は障害年金の受給可否そのものを示すものではありませんが、就労状況という一つの側面だけで判断せず、本人の生活全体を丁寧に確認する必要性を示す一つの材料になればと考えています。
私たちは今後も、個人を特定できない集計値の範囲で、無料相談の回答から見える就労状況と日常生活上の困難について継続的に分析・発信してまいります。就労の有無だけで本人の状態を判断せず、必要な方が生活全体の状況を整理したうえで、適切な制度や専門家に早く相談できるよう、情報提供に引き続き取り組んでまいります。
■ 調査概要
- 調査主体: 社会保険労務士法人 全国障害年金パートナーズ
- 回答受付期間: 2025年8月1日~2026年7月31日
- 調査対象: 当法人Webサイトの障害年金無料相談への回答
- 期間内の全回答数: 21,134件
- 重複候補整理後の回答数: 16,534件(メールアドレスと生年月日の組み合わせごとに、登録日時が最新の回答1件を採用)
- 有効分析件数: 最新回答で「うつ病」を選択した9,926件
- 集計方法: 就労状況および日常生活7項目について単純集計・クロス集計を実施
- 公表単位: 個人を識別できない集計値のみ
本調査の留意事項
- 本調査は、当法人の無料相談を利用された方による自己申告データに基づくものであり、全国のうつ病当事者、就労者、障害年金申請者全体を代表するものではありません。
- 医療機関の初診時と無料相談の回答時点の比較は回顧的な自己申告に基づくものであり、統一された期間の追跡調査ではありません。
- 医療記録・年金記録・診断書・実際の支給決定結果は確認しておりません。
- 無料相談は、日本年金機構による支給決定や受給可否を確定するものではありません。
【法人概要】
- 社名: 社会保険労務士法人 全国障害年金パートナーズ
- 所在地: 東京都千代田区神田佐久間町1-8-4 アルテール秋葉原708
- 代表者: 宮里竹識|特定社会保険労務士、障害年金コンサルタント
- 事業内容: うつ病による障害年金申請専門サポート、障害年金相談業務、関連情報発信
「うつ病による障害年金専門」社会保険労務士事務所として、2014年の事業開始以来、累計3,000件超の受給代行支援実績を持つ。直近1年間では491名を支援し486名の受給が決定、獲得年金総額は62億円超。(いずれも当法人調べであり、過去の実績が将来の受給を保証するものではありません)
- 公式サイト: https://spartners.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
社会保険労務士法人 全国障害年金パートナーズ 広報担当 宛
TEL:0120-792-738
Email:miyazato@spartners.jp