~患者の“主観的治療効果実感”を重視した新たな評価視点の可能性~
医療法人社団活寿会 ひざ関節症クリニック(以下、当院)は、2026年開催の「第146回中部日本整形外科災害外科学会」において、変形性膝関節症に対するバイオセラピー(ASC/PFC-FD(TM))後の治療効果評価に関する研究成果を発表いたしました。発表は、当院の医師・花井洋人が行いました。本研究では、従来広く用いられている「どれだけ改善したか」という変化量中心の評価に加え、「現在どの程度痛みを意識せず生活できているか」に着目し、患者さん自身の主観的な治療効果実感との関連を解析しました。


ひざ関節症クリニック医師 花井洋人
■研究背景
変形性膝関節症の治療効果評価には「OMERACT-OARSI」などの国際的な評価基準が広く用いられているものの、これが患者さん自身の「治療効果の実感」を正確に反映しているとは限らないという課題がありました。
そこで、前回の研究(第25回日本再生医療学会総会「オルソバイオロジクスを用いた変形性膝関節症におけるMCID、SCB、PASSの確立」)を踏まえ、
患者さんがどのような状態や変化をもって「治療効果を実感しているのか」に着目しました。
本研究では、国内7施設においてバイオセラピーを受けた変形性膝関節症患者1,080名を対象に、治療前後の臨床経過を最長6ヶ月間追跡。各種評価指標と患者さんの主観的「治療効果の実感」との関連を解析しました。
■研究結果
分析の結果、治療による改善幅(どれだけ良くなったか)よりも、「最終的にどの程度の状態にあるか」が、患者さんの治療満足度と強く関連していることが明らかになりました。
特に、以下の項目が患者さんの高い治療実感と結びついていました。
痛みが少ない状態であること(KOOS-Pain指標)
膝の悩みをほとんど意識しない状態であること(KOOS-QOL指標)
■考察
バイオセラピーは短期間で劇的な変化をもたらす治療ではなく、時間をかけて症状の改善を目指す治療です。そのため患者さんは、治療前のつらさを徐々に意識しなくなる一方で、「どれだけ改善したか」という変化自体は実感しにくい場合があります。
今回の結果から、診療現場においては数値的な変化だけを追うのではなく、
「治療前にどのような症状で困っていたか」
「現在どのように日常生活を過ごせているか」
を医療者と患者さんで具体的に振り返り、過去と現在を結びつけて共有することが、患者さん自身の治療実感を適切に把握し、治療満足度を高めるうえで重要であると考えられます。
当院では、単に数値上の改善のみを追うのではなく、患者さんが日常生活の中で「痛みを意識せず過ごせるか」「やりたいことを続けられるか」といった
“生活の質(QOL)”を重視した診療・研究に今後も取り組んでまいります。

ひざ関節症クリニック 花井洋人
■今後の展望
本研究は、再生医療・バイオセラピー領域におけるアウトカム(治療成果)評価のあり方や、患者中心の治療評価の重要性を再考するうえで、重要な示唆を与えるものです。 活寿会では今後も、患者さんの実感や生活の質(QOL)を適切に評価できる指標の検討を進め、より実態に即した治療評価と医療提供を通じて、膝の痛みに悩む方々のQOL向上に貢献してまいります。
<ひざ関節症クリニックについて>
ひざ関節症クリニックは、変形性膝関節症をはじめとする膝の痛みに対し、再生医療の治療を提供する専門のクリニックです。 「患者さんの人生を医療で塗りつぶさない」という考えのもと、単に痛みの改善を目指すだけではなく、患者さんが自分らしい生活や大切な時間を取り戻せる医療を目指し、診療・研究に取り組んでいます。
【企業情報】
会社名:医療法人社団 活寿会 ひざ関節症クリニック
会社所在地:〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-4-11 宝ビル9F
理事長:尾辻 正樹
電話番号(代表): 03-6705-8994
サイトURL: https://www.knee-joint.net/
事業内容: ひざ痛専門の再生医療クリニック(自由診療)
設立:2015年3月