~移動に不安のある方が迷わずに安心して移動できる持続可能なバリアフリーモデルの構築を目指す~

大型施設を背景に、屋内ナビゲーションサービス「IndoorFlow」のアプリイメージを表示している
Honda発のスタートアップとして視覚障害者向け歩行支援デバイス『あしらせ』を展開する株式会社Ashirase(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:千野 歩、以下「Ashirase」)は、東京都が実施するスタートアップ実証実験促進事業「King Salmon Project(キングサーモンプロジェクト)」に採択されました。これに伴い、東京都庁(第一本庁舎・第二本庁舎)において、新サービスとなる「屋内ナビゲーションアプリ IndoorFlow」の導入実証を行うことをお知らせいたします。
本実証では、GPSの届かない屋内空間においても、従来必要とされてきたビーコン等の機器設置を行うことなく、スマートフォンのみで現在地を把握し、ナビゲーションを提供できる点が特長です。
VPS(Visual Positioning System)技術を活用することで、正確な位置推定を可能にし、大規模な工事を伴わずに屋内ナビゲーションの導入を実現します。
本ソリューションを通じて、ハードウェアへの依存を抑えた持続可能な屋内移動支援の仕組みを構築し、誰もが迷わず移動できるバリアフリーな環境づくりを目指します。
■ 導入の背景:広大な庁舎における移動の難しさ
東京都庁のような大規模公共施設では、初めて訪れる方や視覚障害のある方にとって、フロア構成や動線が分かりにくく、目的地にたどり着くこと自体が大きな負担となる場合があります。
特に、トイレや窓口、出口といった日常的に利用頻度の高い場所であっても、位置関係を把握しづらく、施設を十分に活用できないという課題がありました。
従来の屋内ナビゲーションは、ビーコンなどの専用設備の設置や工事が必要となるケースが多く、コストや運用面で導入のハードルが高い点が課題とされてきました。
Ashiraseが提供する新サービスは、これらの課題を下記の方法で解決します。
■ Ashiraseの「屋内ナビゲーションIndoorFlow」の特徴
1. ビーコン・工事不要。スマホだけで導入可能
本システムは、スマートフォンで周囲の空間を認識し位置を特定するVPS(Visual Positioning System)技術を採用しています。従来必須とされていた天井や壁へのビーコン設置工事が一切不要となるため、施設側の導入コストを大幅に削減し、既存の環境のまま最短期間での導入が可能です。
2. 視覚障害者の課題からスタートした「迷わせない」誘導
視覚障害者向け歩行支援デバイス『あしらせ』の開発で培った知見を活かし、高精度な位置推定を実現しました 。単なる地図表示ではなく、利用者特性に合わせたルート案内を行い、複雑な屋内でもトイレ等の入口までスムーズに誘導します。
3. 誰でも使えるインクルーシブな設計
本システムは視覚障害者をはじめとした、車椅子利用者やベビーカー利用者、訪日外国人など、複雑な屋内移動に不安を感じる全ての方の利便性向上に寄与します。案内業務の効率化にもつながり、施設側の人手不足課題にも貢献します。
■ 今後の展開

サービス利用のイメージ。視覚障害者がスマホをかざし、屋内へと向かおうとしている。
本プロジェクトでは、東京都庁舎内において実際に視覚障害者をはじめとした移動に不安のある来庁者にサービスをご利用いただき、その有用性を検証します。
この実証で得られた成果をもとに、公共施設、駅、空港、商業施設、病院など、多くの方が訪れる施設への展開を目指します。屋内ナビゲーションサービス「IndoorFlow」にご関心がある自治体様、事業者様は下記サービスぺージからお問い合わせください。
【IndoorFlowに関する詳細・お問い合わせ】
http://indoor-flow.ashirase.com/
■ 「King Salmon Project(キングサーモンプロジェクト)」について
東京都が抱える社会課題の解決と、スタートアップの成長支援を目的とした実証実験促進事業です。東京都がフィールドを提供し、スタートアップの革新的なサービスの普及拡大を支援するものです。
東京都公式ホームページの掲載内容:https://kingsalmon.metro.tokyo.lg.jp/company06/ashirase.html
■ 株式会社Ashiraseについて
「人の豊かさを“歩く”で創る」をミッションに掲げるHonda発のスタートアップです 。視覚障害者の歩行支援デバイス「あしらせ」の開発を起点に、屋内外の移動を支えるナビゲーション技術を開発・提供しています。