ガーディアン・ガーデン(株式会社リクルートホールディングス運営/東京・銀座)では、5月14日(火)から6月22日(土)まで「The Second Stage at GG」シリーズの50回目として、横田大輔展 「Room. Pt. 1」を開催します。本シリーズは、ガーディアン・ガーデンで開催する公募展の入選者たちの、その後の活躍を紹介する展覧会です。
横田大輔は、記憶と現在、イメージと現実の関係性をテーマとする作品で、第2回写真「1_WALL」グランプリを受賞しました。その後、数多くの写真集の発行や、アムステルダムのFoam写真美術館での2度の個展、「あいちトリエンナーレ2016」への参加など、活躍の場を広げてきました。
本展は、作家自身の手により印刷され、構成され、綴じられた“写真集”と、マルチ・チャンネルの映像によって構成されます。藁半紙に印刷され、一冊あたり約400もの写真が収録されている写真集は、すべて内容が異なり、作家が長年にわたって定点観測のように撮影してきた、いくつかのホテルの内観や、旅をした土地の風景が登場します。また映像は、写真集で提示される作品群を揺さぶりながらも、補完し合う関係を結びます。
それらイメージの集積は、脳によって整理され、辻褄の合う一つの経験として統合されることを避け、記憶の断片として無防備に提示されているように見えます。
都市・東京のただ中に出現するこの「部屋」を訪れる鑑賞者は、洞穴のようでいて広大なマインド・スケープに分け入っていくことになるでしょう。
日本では3年ぶりとなる完全新作の個展を、ぜひご覧ください。
作家挨拶
新しいものを作りたい、新しいものを作らなければならない。
そんな事をここ数年考えながら、いつもと変わらない制作をだらだらと自堕落な生活とともに続けていました。けれど結局新しさなどそう簡単に転がっているわけもなく、かといって最先端のテクノロジーを使えるような知能も技術も繋がりもない私は、その強迫観念と化した新しさを切り捨てる覚悟が必要なのだと思い込ませつつまたいつもと変わらない制作を地続きに繰り返して行くしかないのです。
時間てなんなんだ?
そのような疑問を漠然と抱いたのは小学何年かの時で、この先死ぬのになんで今こうやって色々考えてしかも覚えていられるんだ? と一向に答えには至らない事への恐怖心を感じてから、常に考えているわけではないけれど多分他の事より少しは多くの割合を以って考えてきたのではないかと思います。
気がつけば35年と短くはない歳月が経ちやっとわかった事はと言えば、私は時間について興味があるという事ぐらいで、その疑問の核心については未だに不明も不明なのですが、数年ほど前に友人と夜中にくだらない話をしていた最中ふとその疑問に対する一つの私なりの理解への予感が湧いて出てきました。
全てに融合する、と。
そんなこんなで疑問に対する進展はあったので、ブランニューではないけれど、私の中ではセカンドステージと呼べる内容となる(事を願う)展示です。
横田大輔
横田大輔
1983年埼玉県生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。2010年、第2回写真「1_WALL」グランプリ受賞。Unseen Photo Fair にてOUTSET|UNSEEN Exhibition Fund を受賞(2013)。Photo LondonにてJohn Kobal Residency Awardを受賞(2015)、Foam Paul Huf Awardを受賞(2016)。
これまでに『MATTER/BURN OUT』『VERTIGO』『垂乳根』などを始めとする数多くの写真集を発行。主な個展に、Foam写真美術館での「Site/Cloud」(2014)および「Matter」(2017)、グループ展に「コラムプロジェクト トランスディメンション—イメージの未来系」(あいちトリエンナーレ2016)、「SHAPE OF LIGHT」(テート・モダン、2018)、「Painting the Night」(ポンピドゥ・センター・メス、2018-2019)など。
2016 年、写真家の北川浩司、宇田川直寛とともに「Spew」を結成し、ZINE の制作や音楽パフォーマンスなど幅広い活動を行う。
■展示概要
会期:2019年5月14日(火)~ 6月22日(土)11:00-19:00 日曜休館 入場無料
主催:ガーディアン・ガーデン
詳細はウェブサイトよりご確認ください。
http://rcc.recruit.co.jp/gg/?p=34969