
2026年2月10日 ポートビラ(バヌアツ共和国)発
バヌアツ政府は本日、遠隔地に暮らす3万人以上が、災害等の緊急時においてもより強固で安全な地域の保健ケアサービスを受けられるようにするため、新たな事業を開始しました。
日本政府による10億9,500万円の資金協力のもと、国連児童基金(UNICEF)の支援によって実施される「離島における保健医療施設の災害に対する強靱性強化計画」は、災害等の緊急時においても、子どもたちとその家族が不可欠な保健ケアを受け続けられるように支援します。
バヌアツは世界で最も災害が起きやすい国の一つとして知られています。近年では頻発する強力なサイクロンにより、住宅や学校、保健ケア施設に甚大な被害が生じています。2024年にはマグニチュード7.4の地震により8万人以上が影響を受け、既にぜい弱な社会サービスにさらなる混乱が生じました。多くのコミュニティ、特に離島では、こうした災害により基本的な保健ケアや、清潔な水と衛生設備へのアクセスがさらに困難になりました。
同国では、多くの地域の保健ケア施設が長年の課題に直面しています。約4分の1の施設では安定した電力供給が確保できず、ワクチンの冷蔵保管や、医療機器の稼働、夜間診療の提供が困難になっています。保健施設の15パーセント以上で水を利用できず、11パーセントにはトイレがなく、基本的な衛生設備を備えている施設はわずか27パーセントにとどまっています。そのため、患者と医療従事者が感染症のリスクにさらされています。
さらに、89パーセントの施設では、母親と新生児、幼い子どもたちに必要不可欠な医療機器が不足しています。また、多くの建物は低地に位置しているため、暴風雨やサイクロンによる浸水や損傷を受けやすい状況です。保健ケア提供者も、緊急事態への備えや対応に関する研修を十分に受けていない場合が多くあります。
「特に遠隔地や災害の多い地域におけるプライマリ・ヘルスケアの強化により、私たちは国民を守り、最も必要とされる時に不可欠な保健サービスを継続できるようになります。」と、バヌアツのジョン・スティル・タリ・ケトゥ保健大臣は述べました。「また、UNICEFの技術的専門性も高く評価しています。本事業は、保健分野や気候変動に対する国家的な取り組みを直接的に支援するものです。」
今回の新たな支援事業では、20カ所のプライマリ・ヘルスケア施設を強化します。それらの施設は、サイクロンなどの災害に耐えられるよう改修されます。また、安全な給水システム、改良されたトイレと手洗い場、および太陽光発電などの信頼性の高い電力供給システムが導入されることに加え、保健員はそれらの使用と維持に関する基礎的な研修を受けます。
「本支援により、バヌアツの子どもたちと家族のための保健ケアサービスを強化し、災害時においても施設の運営を継続できるよう支援します。研修を受けた職員、安全な水、信頼できる電力と設備により、平時と緊急時の両方において子どもたちを守ることができます。」と、UNICEF太平洋地域事務所代表代理のロシュニ・バスは述べました。
本事業ではまた、対象の施設に母子保健に必要な医療機器を整備します。これにより、州および施設の保健チームが緊急事態に対する計画、備え、対応を改善できるようになります。より良い情報伝達や早期警報、村の保健員の関わりを通じて、コミュニティの防災体制も強化されます。
ジョン・スティル・タリ・ケトゥ保健大臣は、本パートナーシップは国家の優先課題にとって重要であることを強調しました。
奥田直久 駐バヌアツ共和国日本国特命全権大使は、「日本は、気候変動と自然災害がもたらす深刻な課題への取り組みにおいて、バヌアツの人々に寄り添い、確固たる決意で共に取り組んでいきます。UNICEFおよびバヌアツ政府とのパートナーシップを通じて、私たちはレジリエンス(回復力)のある、人を中心に据えた保健システムを支援することで、命を守り、ぜい弱性を軽減し、より安全で持続可能な未来に貢献していきます。」と語りました。
本事業は、バヌアツ政府、日本政府、およびUNICEFの緊密な連携を示すものであり、国家戦略や「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」といった地域的な取り組みにも沿うものです。緊急事態が発生する前に保健システムのレジリエンス(回復力)を強化することで、継続したケアの確保、コミュニティの信頼の回復、そしてバヌアツの人々の健康と尊厳の保護に寄与します。
■ UNICEFについて
国連児童基金(UNICEF)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190以上の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。
※UNICEF国内委員会が活動する32の国と地域を含みます
※UNICEFの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ UNICEF東京事務所
UNICEF東京事務所は、ニューヨーク本部直轄の国連機関事務所として、日本政府からの政府開発援助(ODA)による資金協力や、国会議員、国際協力機構(JICA)、非政府組織(NGO)等との連携を促進しています。
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