環境省と国土交通省が連携して取り組む「エコレールラインプロジェクト事業」の補助金を活用
阪急電鉄では、環境省と国土交通省の連携事業である「エコレールラインプロジェクト事業」の補助を受けて、2016年3月に阪急電鉄西院変電所(京都市右京区西院)に「駅舎補助電源装置」を導入します。
電車がブレーキをかけた時に作りだされる回生電力は、電車から架線を通して、他の電車の動力として使用していますが、この「駅舎補助電源装置」を導入することにより、回生電力のうち余剰となる分(余剰回生電力)を交流に変換し、西院駅、大宮駅、烏丸駅、河原町駅の京都線4駅の照明や空調、エレベーター、エスカレーターなどに活用することで、より一層の省エネルギー化を推進します。
阪急電鉄西院変電所への「駅舎補助電源装置」の導入による省エネルギー効果は、年間約158,000kwhを見込んでおり、一般家庭が1年間で使用する電力量の約30軒分に相当します。
今後、当社の他の変電所への装置導入の検討を進めていくほか、公共交通機関として省エネルギー化の推進にさらに取り組んでまいります。
「駅舎補助電源装置」の詳細
1.「駅舎補助電源装置」について
電車がブレーキをかけた時に作り出される回生電力を、駅の照明や空調、エスカレーターなどに活用できるよう、直流から交流に変換するインバータ装置です。
■導入場所 阪急電鉄西院変電所(京都市右京区西院北井御料町11)
■運用開始予定 2016年3月予定
■機器仕様
メーカー 三菱電機株式会社
入力(変換前)電圧 直流1,500V
出力(変換後)電圧 交流210V、3相 60Hz
定格出力 200kW-30秒、2分30秒休止
2.「エコレールラインプロジェクト事業」について
駅などの鉄道施設への再生可能エネルギー発電設備や省エネ設備などの導入、または車両の省エネ化を推進しようとする鉄・軌道事業者に対し、一般社団法人 低炭素社会創出促進協会を通じて、環境省と国土交通省が連携して事業費の一部を補助する事業。省エネ設備などの導入を促進し、これらの本格的な普及につなげ、二酸化炭素の排出の抑制を図ることを目的としています。
【資料】鉄道事業における最近の環境への取り組み
1.「さらなる環境性能の向上」をコンセプトに導入した「1000系」・「1300系」車両の増備を進め、エネルギー負荷を低減しています。
当社の最新型車両である「1000系」・「1300系」は、高効率な制御装置・モーターの採用や車内外全ての照明のLED化により、既存車両と比較して約50%程度の消費エネルギー削減を達成しています。車両運用に際しては、東日本大震災以降、夏季の電力需要ピーク期に消費エネルギーの少ない車両の走行機会を増やす工夫を行い、「1000系」・「1300系」車両の環境性能を最大限に発揮できるよう努めています。
なお、「1000系」・「1300系」車両の増備にあたっては、環境省と国土交通省の連携事業である「エコレールラインプロジェクト事業」の補助を受けています。
○「1000系」・「1300系」車両の環境性能について
・制御装置・・・主回路にはIGBTを採用し、スナバレスの2レベル方式のベクトル制御VVVFインバータ装置を採用しています(図1)。
・モーター・・・「1000系」は、全閉自冷式永久磁石同期電動機、「1300系」では全閉内扇式かご形誘導電動機を採用し、消費エネルギー削減および騒音低減を図っています(図2)。
・車内灯・・・LEDの直接照明とし、消費エネルギーを削減しています(図3)。
・前照灯・・・LEDにすることで、消費エネルギーの削減に加え、視認性の向上と長寿命化を図っています(図4)。
2.車両内において鉄道利用の促進を呼びかけます
低炭素社会の実現に向け、鉄道事業者として「COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。」※運動に賛同し、広くお客様に環境にやさしい鉄道利用の促進を呼びかける内容のポスターやステッカーを製作。2015年11月から約1ヵ月間、車両内に掲出します。(一部の列車では掲出がありません)
○「COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。」とは、気候変動対策及び温室効果ガス削減をテーマに、省エネ・低炭素型の製品・サービス・行動など、温暖化対策に資するあらゆる「賢い選択」を促す政府が提唱する国民運動です。
・掲出期間
車内ドア上ポスター:2015年11月2日~12月6日に掲出
車内壁面ステッカー:2015年11月1日~11月30日に掲出
リリース(PDF) http://bit.ly/1Nqv0kW
阪急電鉄HP http://bit.ly/1rlnYmL
発行元:阪急阪神ホールディングス
大阪市北区芝田1-16-1