JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:河野博文)は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州において、ピール・マイニング社(本社:オーストラリア・パース)と共同で実施しているコバースーパーベーズン地域のボーリング調査の結果、掘進区間長2.82 m間で銅21.8 %を含む、優勢な銅鉱化帯を捕捉しました。
コバースーパーベーズン地域はニューサウスウェールズ州の中央部に位置し、周辺には稼行中のエンデバー鉱山(鉛・亜鉛・銀;豪;CBHリソーシズ社操業)やCSA鉱山(銅・鉛・亜鉛・銀;スイス・グレンコア社操業)が所在し、2011年にはマリーブル鉱床(銅・金・コバルト;現在、ピール・マイニング社とCBHリソーシズ社により共同探鉱中)が発見されるなど、鉱物資源ポテンシャルの高い地域に属します。
2014年から開始した本プロジェクトでは、土壌地化学探査、物理探査(空中磁気探査、地上重力探査、地上電磁探査、IP探査)により、順次鉱徴地を抽出してきました。昨年11月より有望な鉱徴地において開始したボーリング調査の結果、うち2孔のボーリングで優勢な銅鉱化帯を捕捉しました。
現在、今回捕捉した銅鉱化帯の延長部を確認するボーリングを実施しており、今後、過年度調査で抽出された有望地についても評価を継続していく予定です。
■ 共同探鉱プロジェクトの概要
1)探鉱地域
コバースーパーベーズン(Cobar Superbasin)地域はニューサウスウェールズ州の州都シドニーの北西約600 kmに位置する。15の探査鉱区からなり、それらの総面積は約3,000 平方kmである。
コバーベーズンでは、CSA鉱山やマリーブル鉱床等の銅・金・コバルト等を含有する多金属鉱床のほか、エンデバー鉱山に代表される大規模な鉛・亜鉛鉱床など、多数の金属鉱床の存在が知られている。コバースーパーベーズン地域においては、過去の探鉱により、土壌中の銅、鉛、亜鉛、金等の地化学異常、物理探査異常が捕捉されているほか、一部の地区ではボーリングにより銅・亜鉛・コバルト等の鉱化作用が捕捉されており、地質ポテンシャルの高い地域と評価される。
2)契約概要
JOGMECは3年間で400万豪ドルの探鉱費用を負担することにより、本プロジェクトの40 %の権益を取得するオプション権を取得することができる。また、その後2年間で300万豪ドルの探鉱費用を負担することを選択した場合、さらに10 %(合計50 %)の権益を取得するオプション権を取得することができる。
3)探鉱内容
既往探鉱およびこれまでの共同探鉱により、構造に規制される多金属鉱床の賦存可能性を示す探鉱結果が得られている。今後、物理探査およびボーリング調査等を実施することにより、既知鉱化帯の広がりを確認するとともに、新たな鉱床の発見を目指す。
(参考)
■ ピール・マイニング社(Peel Mining Limited)概要
オーストラリア・パースにオフィスを置くジュニア探鉱会社で、豪州証券取引所に上場している。コバースーパーベーズン地域近傍のマリーブル鉱床は、2011年に同社が発見したものであり、現在、同鉱床が位置する鉱区の権益50 %を有している。
用語説明
コア:
掘削中のボーリング孔において地下の地層から採取される円柱状の岩石サンプル。通常、コア掘りにより採取される。
カッティングス:
ボーリング掘削時に、ビットによって掘り起こされた岩石の小片をいう。このカッティングスは、ボーリングの掘進に伴って圧搾空気に混じって地上に運ばれ、坑井内の各深度に出現する地下の地質の直接の証拠として、その岩石の種類、鉱物組織などを知ることができる。
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http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_06_000091.html?mid=pr_160201