データサイエンスに基づく食事・栄養療法(Data science-based Nutrition:DBN)の確立を目指す株式会社おいしい健康(代表取締役CEO:野尻哲也)は、慶應義塾大学医学部 内科学(呼吸器)(研究責任者:福永興壱教授)との共同研究の成果が、アレルギー領域の国際学術誌『Allergology International』(日本アレルギー学会英文機関誌)に掲載されましたことをお知らせいたします。当社では6報目の論文となります。
■ 発表のポイント
・【本研究について】健常者175名・成人喘息患者413名を対象に、3日間の食事内容を調査し、両群の食習慣・食物アレルギーの特徴を比較しました。
・食物アレルギー頻度が健常者の約4倍:成人喘息患者では、食物アレルギーの自己申告および花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)の頻度が健常者より有意に高く、食物アレルギーの自己申告頻度は健常者の約4倍でした。
・食事の多様性が低く、大豆製品の摂取量も少ない:成人喘息患者では、食事多様性スコア(DDS)や摂取食品数が低く、大豆製品の摂取量が少ない傾向がみられました。また、朝食欠食が多く、軽度肥満群では喘息コントロールテスト(ACT)スコアが低い結果でした。

図1:成人喘息患者における食習慣と食物アレルギーの特徴
■ 概要
成人喘息は気道の慢性炎症を特徴とする疾患で、肥満や食事との関連が報告されてきました。しかし、健常者と成人喘息患者の食習慣を詳細に比較した研究や、成人の食物アレルギーの特徴を検討した研究は限られていました。
本研究では、おいしい健康のWebプラットフォームを通じて、健常者175名、軽症~中等症喘息患者191名、重症喘息患者222名の計588名を募集しました。参加者には3日間の食事内容を記録していただき、複数の管理栄養士が「日本食品標準成分表2015年版」に基づき解析しました。なお、食物アレルギーは自己申告により評価しました。
その結果、成人喘息患者では健常者と比較して以下の特徴が示されました。
- BMIが高い
- 朝食欠食が多い
- 食事多様性スコア(DDS)や摂取食品数が低く、特に大豆製品の摂取が少ない
- 食物アレルギーおよびPFASの頻度が高い
本研究は横断研究のため、喘息と食習慣・食物アレルギーとの因果関係を示すものではありません。一方で、成人喘息患者の食生活や食物アレルギーの特徴を詳細に示した知見であり、今後の喘息管理や食事支援の基礎データとなることが期待されます。
■ 関係者コメント
慶應義塾大学医学部 内科学(呼吸器)福永興壱教授 のコメント
本研究では、成人喘息患者において、朝食欠食や食事の多様性の低下、大豆製品の摂取量減少に加え、食物アレルギーや花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)の頻度が高いことを示しました。これらの結果は、喘息患者さんの食生活が健常者とは異なる特徴を有している可能性を示唆しており、日常診療において食事やアレルギー歴をより丁寧に評価する重要性を示す知見であると考えています。
近年、喘息治療は吸入薬や生物学的製剤の進歩により大きく発展していますが、薬物治療だけでなく、食事を含めた生活習慣へのアプローチも患者さんの健康に寄与する可能性があります。今回の研究を契機として、食と呼吸器疾患との関係をさらに解明し、一人ひとりの病態に応じた個別化医療の実現につなげていきたいと考えています。また、本研究は株式会社おいしい健康との産学連携によって実現しました。デジタル技術と栄養学、医学研究を融合することで、「食をエビデンスに基づく治療戦略の一つとして活用する」という新たな可能性を切り拓き、喘息患者さんのQOL向上に貢献できることを期待しています。
株式会社おいしい健康 代表取締役CEO 野尻哲也 のコメント
おいしい健康は、個々人の体質や健康状態にパーソナライズした食生活支援を行うサービスです。現在は80種類以上の疾患に対して、ガイドラインに基づく食事支援を提供しておりますが、喘息疾患は食事療法に関するガイドラインが存在しないことから、サービス対象外となっておりました。一方、肥満やアレルギーといった、食事と関わりの深い増悪要因が明らかになっており、食生活の改善が喘息症状の緩和に寄与するのではないかと考えております。そして今回、慶應義塾大学・福永教授とともに実施した臨床研究では、成人での喘息症状が食べものや食習慣の影響を受ける可能性があることを解明いたしました。今後も喘息と食事の関係性について研究を進めるとともに、食生活改善を通じた新たな喘息治療アプローチの確立を目指してまいりたいと思います。
■ 論文情報
タイトル:
Dietary Patterns and Food Allergies Associated with Asthma in Adults: Findings from an Internet-Based Dietary Survey in Japan
著者:
渡瀬麻友子a、田野崎 貴絵a(共同筆頭著者)、冨保紗希a(共同筆頭著者)、正木克宜b*、松山笑子a、濱田一喜c、野尻哲也c、加畑 宏樹a、中鉢正太郎a * 、宮田純a、福永興壱a
a:慶應義塾大学医学部 内科学(呼吸器) / b:国際医療福祉大学市川総合病院 / c:株式会社おいしい健康 / *:責任著者
掲載誌:
Allergology International(DOI:10.1016/j.alit.2026.04.007)
研究倫理審査:慶應義塾大学医学部 倫理審査委員会(承認番号 20180369)
■ AI献立・栄養管理アプリ『おいしい健康』の概要
AI献立・栄養管理アプリ『おいしい健康』は、健康状態や疾患、食の好みなどに合わせて、AIが最適な献立・レシピを提案するパーソナライズ食事管理サービスです。厚生労働省「日本人の食事摂取基準」や各種診療ガイドライン、医師の食事指示に基づき、予防、ダイエット、疾患別の食事管理をご家庭で手軽に実践いただけるよう支援いたします。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/43855/table/171_1_2459727046694fbef76899ec791e3b65.jpg?v=202608031645 ]
■ 株式会社おいしい健康について
おいしい健康は『Food as Medicine』をコンセプトに、データサイエンスと臨床研究に基づく食事・栄養療法(Data science-based Nutrition:DBN)の確立を目指すヘルスケア・スタートアップです。複数の大学・研究機関と24件の共同研究を実施し、糖尿病・心疾患・喘息など複数領域で食事介入の臨床エビデンス構築を進めています。月間200万人が利用するAI献立・栄養管理アプリ「おいしい健康」と、医療機関向け生活指導SaaS「Kakaris(カカリス)」から得られるリアルワールドデータを基盤に、製薬企業の臨床開発・市販後エビデンス構築・患者サポートプログラム(PSP)を支援。80種類以上の疾患に対応した管理栄養士監修の食事支援体制を、学術的エビデンスとともに継続的に拡充しています。
本リリースに関するお問い合わせ
株式会社おいしい健康 広報担当
E-mail:press@oishi-kenko.com