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国立大学法人熊本大学

水からつくれて、見て左右がわかる― 円偏光発光を示すバルク無機キラル結晶 ―

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(ポイント)
・円偏光発光 (CPL) を示す、キラルな無機結晶を発見。
・水溶液を蒸発させるだけで、右手・左手型結晶が得られる。
・偏光顕微鏡観察で色の変化から右手・左手型結晶を容易に識別可能。
・完全な無機バルク結晶でもCPLを示すことがわかった。

(概要説明)
 熊本大学大学院先端科学研究部の猪股雄介助教を中心とする研究グループ は、無機バルク結晶として円偏光発光 (CPL) を示すキラルカリウムユウロピウム塩を発見しました。有機化合物に比べて無機結晶ではCPLを示す化合物 はあまり探索されていませんでしたが、今回の発見により完全な無機物でも CPLを示す材料を作れることが期待されます。 本研究はJST創発的研究支援事業 (JPMJFR223D) の支援を受けて実施した も の あ り 、 そ の 研 究 成 果 は 令 和 7 年 12 月 31 日 に 化 学 雑 誌 「 Journal of the American Chemical Society」に掲載されました。

[展開]
 本研究により、無機結晶においても結晶構造中のイオン配列を制御するこ とでCPLを誘起可能であることが明らかとなりました。今後は、無機結晶で CPL材料を実現するための設計指針を明らかにしていく予定です。無機結晶 の対称性を制御することにより、有機化合物に限らず完全な無機物からなる 新しいCPL材料の創出が期待されます。

[用語解説]
・ 円偏光発光 (CPL): 光が進行方向に対して、左巻きまたは右巻きのらせん を描くように振動しながら放射される特殊な発光。
・キラリティー: 右手と左手のように、ある物体とその鏡像が互いに重ね合 わせることができない関係を指す性質。アミノ酸は代表的なキラル分子であ る。
・自然分晶: 結晶化の過程で、右手型結晶と左手型結晶に分かれて生成する 現象。1848 年にルイ・パスツールにより、酒石酸ナトリウムアンモニウムに おける自然分晶が発見された。

(論文情報)
論文名:Circularly Polarized Luminescence in Chiral Potassium Europium Nitrate
著者:Yusuke Inomata* , and Tetsuya Kida (*: corresponding author)
掲載誌:Journal of the American Chemical Society doi:10.1021/jacs.5c15763
URL:https://doi.org/10.1021/jacs.5c15763

【詳細】 プレスリリース(PDF444KB)

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