住友商事株式会社(取締役社長:中村邦晴、本社:東京都中央区、以下「住友商事」)は、トルクメニスタン国営電力公社であるトルクメンエネルゴ社より、ゼルゲル ガス火力発電所(トルクメニスタン レバプ州、発電容量400メガワット、以下「本発電所」)の土木据付込み一括請負工事契約(EPC* 契約)を受注しました。
本発電所は、中央アジアで高成長を続けるトルクメニスタンの首都(アシハバト)から北東に約600キロメートルに位置する、新規のガス焚きシンプルサイクル火力発電所です。
住友商事はプライムコントラクターとして全体を取り纏めるとともに、主要機器であるガスタービンおよび発電機を三菱日立パワーシステムズ株式会社より調達します。本発電所は、トルクメニスタンにおいて日本勢として初受注となる大型火力発電所建設案件であり、総受注額は約3億米ドルで、2015年度内に着工し2018年の完工を目指します。資金調達は本邦銀行団による融資を活用し、また日本貿易保険(NEXI)の貿易保険の活用を検討中です。
世界第4位の天然ガス埋蔵量を誇るトルクメニスタンは、近年、豊富なガス資源の多角的活用を促すエネルギー下流プロジェクトの推進に加え、鉄道、パイプライン、電力といったインフラ開発を通じ、近隣諸国との関係構築にも積極的に取り組んでいます。2015年9月には、トルクメニスタン政府はアフガニスタン政府との間でPPA(Power Purchase Agreement)を締結し、廉価なガスを燃料とする電力を2018年から10年間に亘り輸出することを約定しました。本発電所は、当該PPAに基づくアフガニスタン向け電力輸出の主要電源であり、復興支援プロジェクトとして位置付けられています。更に、日本政府の推進する「質の高いインフラパートナーシップ」の象徴的な案件として、日本の資金、保険、技術を活用し、両国の基礎インフラ整備の一翼を担います。
住友商事は、新興国における電力市場への取組みの一環として、中央アジアを注力市場と捉え、本発電所受注を契機に中央アジアでの更なる電力市場開拓を目指します。
住友商事が各国で取り組んできた発電所建設の総容量は50,000メガワットを超えており、今後、豊富な契約履行実績と経験を基に、世界規模での電力インフラ関連ビジネスを拡充し、インフラ整備を通じて各国の経済発展に寄与していきます。
*[1] EPC: Engineering, Procurement and Constructionの略