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株式会社あるやうむ

なぜ大人は3万円払って「旦那」になりたがるのか。福井発・旦那カードプロジェクトの求心力

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株式会社ピリケン代表・中山浩成さんが、福井発「旦那カードプロジェクト」の軌跡と、地域ぐるみで子どもを支える仕組みを語る

NFTによる地方創生を推進する株式会社あるやうむ(本社:札幌市、代表取締役:畠中博晶)の地域おこし協力隊DAOソリューションを活用し、移住された地域おこし協力隊の皆さんにDAOマネ勉強会を実施。
今回の勉強会では、福井県で飲食店グループを経営する株式会社ピリケン代表取締役社長の「中山浩成さん」を講師に迎えました。テーマは、中山さんが手がける「旦那カードプロジェクト」。地域の大人が“旦那・女将(だんな・おかみ)”となって、子どもの飲食などを応援するこの取り組みは、たった1店舗の困りごとから始まり、いまでは161名の“旦那女将”が参加する仕組みへと育っています。グランドデザインを描かず「見切り発車」で始まったプロジェクトがどう成長したのか──その軌跡と、地域を巻き込むヒントが語られた回となりました。

DAOマネ勉強会とは

地域おこし協力隊は、自治体ごとにミッションや環境が大きく異なり、「正解のない仕事」とも言われます。一方で、全国各地の現場には、数字では測れない実践知・失敗知・人との関わり方といった、再現性のある学びが数多く存在しています。
株式会社あるやうむでは、「協力隊員一人ひとりの経験を、個人の中だけで終わらせず、横断的な学びに変えること」を目的に、勉強会を実施しています。
現場で成果を出している実践者自身が語ることで、これから着任する協力隊員や、現在活動中で壁に直面している協力隊員にとって、より実践的で現実に即した学びの場をつくっています。

今回のテーマ

株式会社ピリケン・中山浩成さんによる「旦那カードプロジェクトとは、地域の大人が子どもを応援する仕組みの育て方」
協力隊の活動は、地域の事業者や住民、行政、他の協力隊員など、立場の異なる人たちを巻き込みながら前に進めていく仕事です。だからこそ「どうやって人を巻き込み、続く仕組みにするか」は、多くの協力隊員に共通する関心事といえます。
今回の勉強会では、明確な設計図を持たずに始まった「旦那カードプロジェクト」が、どのように参加者と加盟店を増やし、街全体を巻き込むコミュニティへと育っていったのか。その具体的な過程と発見が、実物のカードや運営ツールを交えて共有されました。

旦那カードプロジェクトとは

「旦那カード」は、地域の大人が“旦那”、“女将”となり、子どもにご飯などをごちそうする仕組みです。
大人(旦那・女将)が100枚セットのカードを3万円で購入し、子どもや周囲の人に手渡す。受け取った子どもが加盟店にカードを持っていくと、たこ焼きやラーメンなどを無料で食べられる。というのが基本の流れになります。カード1枚あたり300円分。差額は加盟店側が負担し、子供たちには無料で提供されます。
- 旦那・女将がカードを購入して子どもに配る
- 子どもが自分のタイミングで加盟店へ持っていく
- 加盟店がカードを受け取り、品物をプレゼント
- 使われたカードは事務局が買い取ります

無理に配るのではなく、「ここぞ」という場面で子どもに手渡す旦那が多いのも特徴です。

始まりは、たった1店舗の困りごと

このプロジェクトは、最初から今の形を設計して作られたものではありません。出発点は、ある1店舗の小さな課題でした。
福井県内の観光客向けのお店では、1,300円ほどのグルメバーガーを提供していました。しかし「せっかく地元にお店ができたのに、地元の子どもには高くて食べられない」という声が上がります。そんなとき、地元の大人から「俺が奢ってやってもいいんだけどな」という言葉が出たことがきっかけになりました。
「じゃあ、どうやって奢る?」その答えとして生まれたのが、名刺のようなカードです。「◯◯の旦那」という名前の入ったカードを子どもが持ってくれば、ハンバーガーを半額で提供する。そんな約束事を形にしたのが第一号で、これが2023年3月のことでした。
資金は、旦那となる大人と店側で分担。カード100枚を3万円で作り、最初は村松さん(お酒屋)ら地域の大人4人が“旦那”として同じ仕組みで走り始めます。「子どもに安く提供する仕組み」をSNSで発信したところ、「俺もやりたい」という声が想定以上に集まったことで、プロジェクトは一気に広がっていきました。

気づけば161名、加盟店は約40店舗へ

中山さん自身が福井で複数の飲食店を経営していたことも、拡大を後押ししました。ラーメン店や蕎麦店など、家族連れが気軽に立ち寄れる店をすぐに加盟店にできたからです。
現在の広がりは、次のような規模になっています。
- “旦那・女将”は161名(旦那111名・女将50名)※最近は女性の参加が増加
- カード発行枚数は約2万枚、うち使われたのは約3,000枚(発行の約15%)
- 加盟店は全部で約40店舗

当初は「旦那」だけでしたが、「私もなりたい」という女性の声から「女将カード」が誕生。加盟店も飲食店にとどまらず、花屋や写真館、さらにはお寺(お坊さんと一緒に食事)など、食べ物以外へと広がっています。それぞれの裁量で運用されているのも面白いところです。

想定外の発見1.:これは「新しい子ども食堂」かもしれない

既存のお店をそのまま活用するこの仕組みは、結果として子ども食堂に近い機能を持つようになりました。ただし、従来型とは決定的な違いがあります。
子ども食堂には、「利用している姿が周囲に見えてしまう」という気まずさがつきまといがちです。支援が必要な子だと見られてしまう。その心理的なハードルが、本当に届けたい子の足を遠のかせることもあります。
一方、旦那カードなら「支援が必要だから使う」のではなく、「もらったから来た」という自然な体裁で使える。この“健全さ”こそが、旦那カードの大きな価値だと語られました。運営を1店舗に集中させず街全体で子どもを支えられる点も、従来の子ども食堂の負担を軽くする発見です。

想定外の発見2.:カードを「使わず集める」子どもたち

もう一つの発見が、もらったカードを使わずに大事に持っている子どもがいたことです。
背景には、「大人にちょっと目をかけてもらった」という事実そのものを手元に残しておきたい、という気持ちがあるのではないか。中山さんはそう見ています。ご飯を食べられる“お得なカード”という当初の想定を超えて、カードが子どもと大人のつながりの証になっている。この気づきが、プロジェクトの可能性を大きく広げました。

「旦那・女将」という世界観のつくり方

旦那カードのもう一つの魅力が、遊び心のある世界観の作り込みです。
デザインは、当初の自作から一新してプロのデザイナーを起用。「このデザインがかわいいから旦那になりたい」という人が増えたと中山さんは振り返ります。所有する達成感や満足感を満たすうえで、デザインの力は大きいという発見でした。
さらに、カードにはQRコードが付いており、読み取るとNotionで作られた名鑑「旦那・女将カードのひみつ基地」にアクセスできます。ここでは各“旦那・女将”のプロフィールや、Googleマップ上での分布(加盟店マップ)まで見られる仕組みです。
中山さんが独自に設定した「種族」も、世界観を彩ります。
- 屋号族、美味しい族、ファンタジー族
- レア色族(柄入りの特注カード。約3.3万円で作成)
- 一文字族(城の旦那、梅の旦那 など)
- 地名・花・職業をモチーフにしたもの

役割の呼び名も世界観で統一されており、旦那同士の飲み会は「茶会」、カードを届ける役は「飛脚」、プロジェクトを広める4名は「番頭」と呼ばれています。「この人に会うと物語が進む」RPGのような体験を、子どもたちに届けたいという思いが込められています。

広がる派生プロジェクト

旦那カードを土台に、新しい試みも生まれています。
- 旦那ラジオ…コワーキングスペース等に集まり、飲食しながら“旦那女将”をひとりゲストにお迎えし1~1.5時間トーク。無編集のままSpotifyで配信している。福井銀行の頭取(福銀の旦那)がゲスト出演したことも。
- 旦那のカギ(鍵)…最近発行された新アイテム。茶会やラジオなどのイベントに参加するとゲットできるカード。用途はあえて決めず「みんなで決めていく」スタンス。将来的にコミュニティ内の価値(通貨的なもの)になる可能性も。

コミュニティ運営では、メッセンジャーやDiscordも試したうえで、「LINEオープンチャットが最も相性が良い」という実感も共有されました。誰もが使い慣れており、10~20分・無料で開設できる手軽さが、地域のゆるやかなつながりに向いているといいます。

参加者の反応・ディスカッション

勉強会の後半では、参加者がそれぞれの地域や関心に引きつけながら、質問や感想を交わしました。
- クラフトさん:カードの割引率が店舗・商品ごとに異なることを確認。子どもには実質無料で提供され、費用は発行者(旦那・女将)と店舗が負担する設計のため、「税務・決算上の不安定要素は限定的」との理解で一致した。
- にしけんさん:「新しい形の子ども食堂として、とても健全な仕組み」との感想。従来の子ども食堂は運営側と利用者側が明確に分かれ、利用する姿が周囲に見えやすく気恥ずかしさを感じやすいが、旦那カードは「もらったから来た」という自然な形で使える点が優れていると評価。中山さんも同じ課題感を共有し、「健全さ」こそがこの仕組みの本質的な価値だと語りました。
- とまたろうさん:旦那・女将の募集方法を質問。中山さん個人のFacebook発信が主な経路で、積極的な公募はしていないとのこと。参加動機は「子どもを応援したい」「好きな称号(名前)を確保したい」「面白いプロジェクトに関わりたい」など多様。そのうえで、コミュニティに起業家など事業に明るい人が多い点を踏まえ、「共通のテーマ(例:子ども支援)を掲げれば、横のつながりや企画がさらに活性化するのでは」と提案した。
- ぴょんさん:ふるさと納税の仕組みを使って「旦那・女将」になれるようにできないか、という提案。地域の有力者や経営者が多く集まるコミュニティの影響力を踏まえ、自治体・県単位での展開可能性についても意見が交わされました。中山さんも前向きに応じ、今後の検討事項として共有されました。

「福井でうまくいっているこの仕組みを、自分たちの地域にも落とし込めるのでは」--各地域の協力隊にとって、実践のヒントが詰まった時間となりました。

講師紹介

中山 浩成(なかやま ひろなり)さん
株式会社ピリケン 代表取締役社長/株式会社めん房金沢 代表取締役会長/ピリケン大学 学長
福井県生まれ。大学は商学部を卒業し、そのまま大阪で30歳まで過ごす。30歳のとき結婚を機に福井へ戻り、家業を継いで現在に至る(51歳)。福井県で中華・蕎麦・ラーメン・カフェ・製麺所を、石川県で蕎麦レストランを展開するほか、「働く」を「学ぶ」に変える学校「ピリケン大学」の学長も務める。大学3年・大学1年・高校3年の息子3人と妻、そしてたくさんのメダカと暮らす。地域の大人が子どもを応援する「旦那カードプロジェクト」を、明確な設計図を持たない“見切り発車”から立ち上げ、いまでは161名が参加する仕組みへと育てている。
現在の主な肩書
- 株式会社ピリケン 代表取締役社長(福井で中華・蕎麦・ラーメン・カフェ・製麺所を経営)
- 株式会社めん房金沢 代表取締役会長(石川で蕎麦レストランを経営)
- ピリケン大学 学長(「働く」を「学ぶ」に変える学校の運営)

講師としてのコメント
グランドデザインがなく、見切り発車したプロジェクトでも成長できるパターンがあることに、自分自身もびっくりしています。今回はその軌跡をお伝えできたらと思います。
関連リンク
旦那カードプロジェクト(note):https://note.com/nakayamahironari/n/n0feb0b785ddf

今後の展望

株式会社あるやうむでは、今後も派遣協力隊員同士の知見を共有する勉強会を継続し、各地域で生まれた実践を横断的に活かすことで、地域全体の価値向上につなげていく予定です。旦那カードのように、一つの地域で育った仕組みが他地域へと広がっていく可能性にも注目しています。

各地域のDAOに参加しませんか?

お住まいの地域や興味のある地域のDAOにぜひご参加ください!
▼ DAOへの参加リンクはこちら|どなたでも気軽に参加できます。
https://lit.link/alywamu-dao

株式会社あるやうむについて

DAOやNFTによる地方創生を推進するため、全国の自治体向けにふるさと納税NFT/観光NFT/地域おこし協力隊DAOソリューションを提供する札幌発のスタートアップ。
地域の魅力をのせたNFTをふるさと納税の返礼品とすることや、地域でDAOを運営することを通じて、新たな財源を創出すると共に、シティプロモーションや関係人口の創出に繋げます。
社名「あるやうむ」はアラビア語で今日を意味する言葉。今日、いますぐチャレンジをしたい自治体・地域の皆様にNFTという先端技術を提供し、応援され続ける地域づくりを支援します。
株式会社あるやうむ 会社情報
会社名:株式会社あるやうむ
代表者:畠中 博晶
所在地:札幌市北区北38条西6丁目2番23 カトラン麻生302号室
設立:2020年11月18日
資本金:1億6449万円(準備金含む)
事業内容:NFTを活用した地方創生コンサルティング・開発
URL:https://alyawmu.com/
Twitter:https://twitter.com/alyawmu/
Voicy:https://voicy.jp/channel/3545

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