人生がもっと豊かになる!『田舎暮らしの本』4月号発売中!
2016年3月3日(木)に発売した『田舎暮らしの本』4月号では「250万円以下の田舎家」を特集!初期費用をおさえて移住が実現するかもしれない「田舎家」についての情報をご紹介しています。ニュースサイト「treasures(トレジャーズ)」では、実際に移住をかなえた夫婦の体験レポートをピックアップ!
2016年3月3日(木)に発売した『田舎暮らしの本』4月号。250万円以下で手に入る選りすぐりの”田舎家”を特集しています。家のタイプはログハウスや古民家、もともと別荘用に建てられた物件などさまざま。手入れ次第で住環境の現状維持や、改善が見込める中古物件は、初期費用をおさえて田舎暮らしをはじめたい人にオススメ!ニュースサイト『treasures(トレジャーズ)』では、熊本県山鹿市(やまがし)で古民家を改修し、自給自足的な暮らしを手に入れた夫婦に注目しました!
熊本県 山鹿市(やまがし)
熊本県北部の内陸部に位置し、豊かな自然環境と良質な温泉があることで知られる。九州自動車道菊水ICや植木ICから約20分と近く、 九州新幹線の新玉名駅からも近い。
自然農ができる場所を求め仮住まいからスタート
西守(にしもり)信二さん(58歳)と、パートナーのこみどりわこさん(46歳)は、いつか田舎で自給的な暮らしをしたいと思っていた。そして、東日本大震災をきっかけに現実的に考え始める。
「震災と原発事故があって、自分たちの暮らしをあらためて見直すことになりました。そのときに、耕さず、肥料・農薬を使わず、草や虫を敵にしない『自然農』を知り、三重県の赤目自然農塾に通い始めました」
2年半通っているうちに知り合いも増えた。なかには55歳で早期退職している人もいた。
「その人が、体力があるうちに早めに辞めてよかったと言ってたんです。ちょうど自分も55歳になっていたので、早期退職を決意しました」(信二さん)
信二さんとわこさんの実家が、それぞれ北九州と福岡にあることから、なるべく近くで自然農ができる土地を探し始める。
2014年2月、移住を考えていることを親に伝えると、熊本県菊池市に親戚の空き家があり、そこが自由に使えることになった。
「その際、親戚の家の改修に協力してもらったのが、福岡市内で古民家再生をしている建築家の岡村修(おかむらおさむ)さんでした」
岡村さんは、福岡市を中心にDIYによる古民家やアパートなどの再生をサポートしている。以前、岡村さんの活動を紹介する新聞記事を見たのがきっかけで、震災後にネットを通じて知り合ったそうだ。
そこに住む覚悟が伝われば理想の物件に出会える
菊池市の家が快適になっていくものの、あくまでも仮住まい。2人が求めていたのは、自然農ができ、川から田んぼの水が引けて、家の目の前に田畑がある物件だった。
「菊池市に来て地元のNPO法人『里山暮らし応援隊』を訪ねて、家探しを手伝ってもらいました。当時の代表の方が、本当に親身になってくれたのが、ここに決めたきっかけでした」
里山暮らし応援隊の紹介により、ここ5年間で190世帯が移住。さらに定住化率も95パーセントと、高い実績を誇っていた。
「最初の相談では、代表の方から条件に合うところはないと言われてしまったんですが、半年ほどして、ぴったりの物件が隣の山鹿市で見つかったんです」(信二さん)
すぐに見に行ったところ、耕作放棄されている田畑が目の前にあり、川から沢水が引ける環境だった。
「ここに決めたと思って振り返って屋敷を見たら、すごく大きかったんですよね。2人では持て余しそうで、不安でした」
築約60 年の母屋と納屋、築90年の蔵は約250万円で、そのほかに田畑と山林も併せて購入した。建物には当初、家財道具がたくさん残っていた。それらを片付けながら、岡村さんのアドバイスのもと、お金をかけずに自分たちの手で改修していった。
「できるだけ身の回りにあるもので暮らしを紡いでいこうと、この場所を『アルモンデ』と名づけました」
2人は、自然農の考え方を基本として「衣(医)・食(農)・住」を自分たちで賄う暮らしを目指し、ワークショップやイベント、自然農の勉強会も行っている。家の改修も暮らし方に合わせて続けていくそうだ。
西守さんが教える古民家改修のアドバイス
柱や梁が新建材で覆われている部分は取り除いてください。隠れている部分の雨漏りやシロアリの被害を確認できますし、素晴らしい梁が出てくることもあります。構造に問題がないか、専門家のチェックを受けたほうがいいでしょう。
西守さん宅の古民家改修リポート
材料費をほとんどかけずに、古材を活用し、DIYで古民家再生を行った。
蔵 総額2万円
大量の荷物があって「入るのも嫌だった」状態から片付けを開始。1階の床は、モルタルをはがして三和土(たたき)に変更。土壁は修復して漆喰を塗った。中央にカウンターキッチンを設置し、蔵カフェとして利用予定。2階には畳を入れた。
母屋の2階 総額5万円
化粧ベニヤで覆われていた部分を取り除くと、立派な梁が現れた。階段を上がった部屋は信二さんの書斎として本棚をつくり、奥の部屋には小上がりをつくって畳を敷いた。サッシの内側に木製の窓を追加して防寒対策をしている。
水屋(旧台所)総額2万円 ※リフォーム中なので未確定
古い水屋にも荷物がたくさんあった。それを片付けて、梁や天井裏を掃除。風呂釜は撤去し、流し台の半分を利用して、パン・菓子工房としてリフォーム中。部屋の区切りに使っている材料はすべて古材を活用している。
ダイニングキッチン 総額40万円
玄関から台所まで、床・壁・天井をすべて取り除き、台所は三和土にしたあとでテラコッタタイルを敷いている。雨漏りで梁の一部が腐りかけていたので、すぐ横に太い柱を差し込み、梁の重さを支える補強を行った。
文・写真/新井由己
詳しい情報は、『田舎暮らしの本』4月号本誌25ページからの「250万円以下の田舎家」にてご確認ください!
<記事掲載サイト>
雑誌に登場するモデル・タレント情報、おしゃれなトレンドトピックス満載のニュースサイト『treasures』/
250万円古民家を夫婦でDIY! 熊本の里山で営む自然暮らし/
http://treasurenews.jp/archives/14075/
『田舎暮らしの本』4月号(宝島社)
特別定価:800円
2016年3月3日(木)発売