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株式会社ベネッセホールディングス

小学生の英語学習に関する調査 小5・6生の6割が「教室の外で英語を使ってみたい」と回答 しかし、保護者の約6割は「外国語活動」に「満足していない」 

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 株式会社ベネッセホールディングス(本社:岡山市、以下ベネッセ)の社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」では、2015年3月に、全国の小学5・6年生とその保護者1,565組を対象に「小学生の英語学習に関する調査」を実施しました。英語教育の改革によって、2011年度から小学5・6年生に「外国語活動」が導入されました。しかし、その成果と課題についてはまだ十分に検証されていません。そこで、小学校の「外国語活動」の成果と課題を明らかにし、今後の英語教育の在り方を検討することを目的に今回の調査を実施しました。

 主な調査結果は以下の通りです。
[表1: http://prtimes.jp/data/corp/120/table/488_1.jpg ]

【結果からの考察】
 今回の調査では、小学校の「外国語活動」で英語の音声や表現に慣れ親しむ活動が多く行われていことがわかりました。また、取り組みを通して、英語で「コミュニケーションを図ろうとする態度」が育まれている様子も見られました。【子ども調査】の結果からは、総じて小学校の英語教育が順調に行われている印象を受けます。
 しかし、文部科学省が実施した「英語教育改善のための英語力調査」(2014年)によると、多くの高校生が「書くこと」「話すこと」といった表現力に大きな課題があることが指摘されています。今回の小学生を対象とした調査でも、「英語に慣れ親しむ活動」に比べて「自分の考えや気持ちを英語で話す活動」は少し低い比率でした。小学校の「外国語活動」をさらに充実させ、中学校や高等学校での課題を改善するためにも、コミュニケーションの楽しさを子どもが体験することが大切です。

 そのような活動を充実させるためには、教員の指導力の向上が欠かせません。学習指導要領には「外国語活動」の目標について、「積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成」が重要と記載されています。教員研修や大学の教員養成課程で、その趣旨を徹底し、教員が指導力を高めるための支援をする必要があります。さらに、子どもが英語に触れる機会は、学校の中だけにとどまりません。小学校段階で多くの子どもたちが持っている「英語を使ってみたい」という意欲を大切にし、行政、学校、地域、家庭や民間事業者などが連携して、英語でコミュニケーションする機会を増やしていけるとよいと考えます。

 【保護者調査】では、大きな課題も見られました。保護者の「外国語活動」に対する満足度が高くない点です。どのような活動をしているか知らない保護者が多いという実態もあります。子どもが英語に対する意欲や関心を高めるためには、家庭との連携が欠かせません。家庭で外国の文化やニュースに触れたり、家族で話題にしたりすることも重要です。保護者の協力を得るためにも、「外国語活動」のねらいや活動の様子を、行政や学校がもっと積極的に発信したほうがいいといえる結果です。

 今回、2011年度から小学5・6年生に導入された「外国語活動」の成果と課題が、様々な形で明らかにされました。多くの子どもたちが「英語を使ってみたい」という意欲を持っています。この意欲を大切にしながら、コミュニケーションの機会を充実させる必要があります。ベネッセ教育総合研究所でも、本調査の結果をもとによりよい英語教育の在り方を引き続き考えていきたいと思います。

●調査概要

[表2: http://prtimes.jp/data/corp/120/table/488_2.jpg ]

◆ベネッセ教育総合研究所のホームページから、本リリース資料をダウンロードできます。
http://berd.benesse.jp/

主な調査結果
1.小学5・6年生の6割が「教室の外で英語を使ってみたい」と意欲を示している。
図1-1 学校での英語の授業や活動について

*「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%。
*「学校では英語の授業や活動はありますか」について、「ある」と回答した人のみ。

図1-2 将来の英語の使用イメージ(「教室の外で英語を使ってみたい」意欲別)

*「教室の外で英語を使ってみたい」という項目で、「とてもあてはまる」「まああてはまる」と回答した人を「あてはまる」、「あまりあてはまらない」「まったくあてはまらない」と回答した人を「あてはまらない」とした。

図1-3 英語に関する意識(「教室の外で英語を使ってみたい」意欲別)

*「とてもそう思う」+「まあそう思う」の%。
*「教室の外で英語を使ってみたい」という項目で、「とてもあてはまる」「まああてはまる」と回答した人を「英語を使ってみたいと思う群」、「あまりあてはまらない」「まったくあてはまらない」と回答した人を「英語を使ってみたいと思わない群」とした。
*グラフは、「英語を使ってみたいと思う群」と「英語を使ってみたいと思わない群」の差が大きい順に表示している。

2.「外国語活動」は、英語で「コミュニケーションを図ろうとする態度」を育成している。
図2-1 学校での英語の授業や活動

*「学校では英語の授業や活動はありますか」について、「ある」と回答した人のみ。

図2-2 コミュニケーションに対する関心・意欲・態度

*「とてもそう」+「まあそう」の%。
*「学校では英語の授業や活動はありますか」について、「ある」と回答した人のみ。

3.保護者の約6割は「外国語活動」に「満足していない」。
図3-1-1 学校の英語教育内容の認知

*「お子さまは学校で英語教育を受けていますか」について、「受けている」と回答した保護者のみ。

図3-1-2 保護者の満足度

*「お子さまは学校で英語教育を受けていますか」について、「受けている」と回答した保護者のみ。

図3-2 小学校での英語教育に望むこと(満足度別)

*「とても望む」の%。
*「お子さまは学校で英語教育を受けていますか」について、「受けている」と回答した保護者のみ。
*「あなたは、お子さまの学校で行われている英語教育について、満足していますか」という問いで、「とても満足している」+「まあ満足している」と回答した保護者を「満足している保護者」、「あまり満足していない」+「まったく満足していない」と回答した保護者を「満足していない保護者」としている。

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