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株式会社帝国データバンク

高卒採用、4社に1社が予定 大企業では4割超 企業規模で鮮明な差 採用理由、若手確保が85.2% 応募者不足、育成・定着が課題

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2027年度の「高卒採用」に関する企業の意識調査

株式会社帝国データバンクは、全国2万2,060社を対象に、「高卒採用」に対するアンケート調査を実施した。

SUMMARY
2027年度の高卒採用について、『予定あり』と回答した企業は24.4%となり、およそ4社に1社が採用を予定していることが分かった。企業規模が大きいほど採用予定割合が高く、「大企業」では42.7%に達した。採用理由では「若手人材の確保」が85.2%で突出し、人手不足への対応に加え、将来の中核人材の育成や技能・技術の継承を見据える企業の姿勢が表れた。採用上の課題では、応募者数や企業認知度の不足に加え、教育・育成の負担や早期離職も挙げられており、採用前から入社後の育成・定着まで採用プロセスの幅広い段階に及んでいる。

調査期間:2026年8月18日~8月31日(インターネット調査)
調査対象:全国2万2,060社、有効回答企業1万560社、回答率47.9%
高卒採用の予定、「あり」は24.4%、大企業では4割超
自社における2027年度の高卒採用の予定について尋ねたところ、2026年と比べて、「増加する(見込みを含む)」企業は4.9%、「変わらない(見込みを含む)」は15.0%、「減少する(見込みを含む)」は4.5%だった。この3区分を合わせた『予定あり』は24.4%となり、およそ4社に1社が高卒者の採用を予定していた。

一方、「予定はない」は60.1%を占め、「分からない」は15.6%だった。
『予定あり』の内訳では「変わらない」が最も高く、「増加する」と「減少する」はほぼ同水準だった。採用を予定している企業の多くは、採用人数を前年並みと見込んでいることがうかがえる。

企業規模別にみると、『予定あり』は「大企業」で42.7%となり、「中小企業」の21.2%を21.5ポイント上回った。「中小企業」のうち「小規模企業」では11.2%にとどまり、企業規模による差が表れた。

従業員数別では、『予定あり』の企業は、「5人以下」の7.2%から、従業員数が多くなるにつれて上昇した。「101~300人」では50.6%、「301~1,000人」では54.5%、「1,000人超」では58.9%となり、従業員数が101人以上の各区分で半数を超えた。人員規模が大きい企業ほど、高卒者の採用を予定している割合が高い傾向が鮮明となった。

業界別でみると、『予定あり』では、『製造』が36.4%で最も高く、『建設』が35.0%、『金融』が32.2%で続いた。一方、『不動産』は6.7%、『卸売』は13.5%、『サービス』は17.6%にとどまった。

企業からは、「現場で育成できるため学歴は問わない。建設業は就業者が少ないこともあり、意欲のある人材を積極的に受け入れたい」(東京都、建設、小規模企業)との声が寄せられた。一方で、入社後の教育や業務経験の蓄積が必要となることから、若手人材の採用を慎重に判断しているとの意見も寄せられた。業界別の採用予定割合の違いには、業務内容や人手不足感、採用後の育成体制などが関係している可能性がある。

採用理由は「若手人材の確保」が85.2%で突出
2027年度の高卒採用について『予定あり』と回答した企業2,573社に、採用理由を尋ねたところ、「若手人材の確保」が85.2%で最も高かった。次いで、「人手不足の解消」が52.5%、「将来の中核人材の確保」が50.2%と5割台で続いた。
企業からは、「社員が培った技術は重要な経営資源であり、次世代への継承に向けて高卒採用を積極的に進めたい」(埼玉県、鉄鋼・非鉄・鉱業、大企業)や、「高卒者は、若いうちから自社の業務に合わせて育成しやすい」(福島県、機械製造、中小企業)といった声があがった。企業が若手人材を早期に確保し、時間をかけて育成することを重視している様子がうかがえる。また、高卒採用を足元の人手不足を補うだけでなく、将来の中核人材の育成や技能・技術の継承につなげようとする企業の考えも表れている。

高卒者の応募者不足に加え、育成と定着も課題
高卒採用で特に課題と感じていることを尋ねたところ、「応募者数の不足」が36.4%で最も高く、「企業認知度の不足」が31.1%で続いた。「高校・教員との関係構築」は18.1%となっており、高卒採用では、採用候補となる生徒との接点づくりや、応募前に自社に対する理解を促すことが課題の一つとなっている。

企業からは、「高卒の就職希望者が減少しており、採用活動を行っても応募につながらない」(北海道、運輸・倉庫、中小企業)との声が寄せられた。また、「採用できている企業は、高校訪問や企業説明会への参加などに力を入れているが、採用担当者がほかの業務を兼務する当社では、同様の活動を行うことは難しい」(北海道、専門商品小売、小規模企業)との意見もあった。応募者との接点を確保するには、高校との関係構築や継続的な情報発信が重要となる。一方で、採用担当者がほかの業務を兼務するなど、採用活動に十分な人員を割きにくい企業もある。限られた体制で高卒採用に取り組む企業では、訪問する高校の重点化や説明資料の共通化、現場社員を含めた役割分担など、採用活動を継続できる仕組みを検討することも一案となる。

さらに、「教育・育成の負担の大きさ」(24.6%)、「早期離職」(20.3%)なども上位となった。企業からは、「時間をかけて育成しても、仕事を任せられるようになる頃に離職してしまうケースがある」(山形県、旅館・ホテル、中小企業)との声も寄せられた。入社後の教育・育成や職場への定着も重要な検討事項となっている。

高卒採用をめぐる課題は、応募者の確保や自社の認知度向上にとどまらず、採用活動を担う社内体制の整備、入社後の教育・育成、職場への定着まで、採用プロセスの幅広い段階に及んでいる。

本調査では、2027年度の高卒採用について『予定あり』とした企業は24.4%となった。高卒採用は、およそ4社に1社が予定しており、若手人材を確保するための重要な選択肢の一つとなっていることが示された。ただし、「大企業」では『採用予定あり』が4割台であるのに対し、「小規模企業」では1割程度にとどまるなど、企業規模による差が大きい。この差の背景には、採用活動や育成に投入できる人員、時間、ノウハウの違いが影響していると考えられる。

注目すべき点は、採用理由として「若手人材の確保」が突出しただけでなく、「将来の中核人材の確保」も5割を超えたことである。企業は高卒採用を、足元の人手不足への対応に加え、技能・技術の継承や次世代の人材育成を見据えた中長期的な人材戦略として位置づけていることがうかがえる。一方で、教育・育成の負担や早期離職などが課題に挙げられており、高卒者を採用するにあたって、応募前の情報提供から入社後の育成・定着までを一連の取り組みとして捉える視点が重要となる。

高卒者の応募・推薦に関しては、多くの地域で選考開始当初の応募先を1社に限る、いわゆる「一人一社制」が採用されている。ただし、応募可能な企業数や複数応募の開始時期など、運用は都道府県によって異なる。こうした高卒採用特有の仕組みを踏まえ、企業には、生徒が応募先を決める前から自社への理解を促す取り組みが求められよう。高校訪問や企業説明会、応募前の職場見学などを通じて、仕事内容や労働条件だけでなく、職場環境、入社後の教育、身につけられる技能、将来目指せる役割まで具体的に伝えることが重要となる。こうした情報提供は、企業認知度の向上に加え、入社前に抱くイメージと入社後の実態との認識のずれを小さくするための一つの手段にもなり得る。採用時の情報発信を、応募者の確保に加え、入社後の定着にもつながる取り組みとして位置づけることが有効だと考えられる。

また、採用担当者を十分に配置できない企業では、訪問先の重点化、説明資料の共通化、現場社員の採用活動への参加などが限られるため、外部のサービスを活用することも必要となる。ハローワークでは高卒求人の申込みや相談に対応しているほか、厚生労働省は若者雇用促進総合サイトを通じて企業の職場情報を発信している。若者の採用・育成に積極的な中小企業を対象とするユースエール認定制度では、一定の要件を満たす認定企業に対し、ハローワークなどでの重点的なPRや就職面接会への参加機会などを設けている。企業には、採用活動の役割や進め方の幅を拡げる視点も求められよう。

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