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武力紛争下の子どもへの重大な人権侵害 2025年に3万8,558件 ユニセフ事務局長、深刻な懸念を表明 【プレスリリース】

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国連安全保障理事会で発言をするユニセフのラッセル事務局長 (アメリカ、2026年6月24日撮影) (C) UNICEF

【2026年6月24日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)事務局長のキャサリン・ラッセルは、国連安全保障理事会「子どもと武力紛争」公開討論会にて発言、「子どもと武力紛争」に関する最新報告書の結果に憂慮を示しつつ、提言を行いました。以下はその要旨です。

* * *

学校、病院、給水所が、戦場となることは決してあってはなりません。

しかし、紛争下で暮らす何百万人もの子どもたちにとって、それが日々の現実となっています。

国連事務総長の「子どもと武力紛争(Children and Armed Conflict=CAAC)」最新報告書によると、2025年には、子どもに対する重大な権利侵害が3万8,558件確認されています。この数字の背後には、命を奪われたり、大けがを負わされたりした子どもたち、武装勢力や武装集団に徴用・徴兵された子どもたち、拉致された子どもたち、性暴力に遭った子どもたち、人道支援を受けることを妨げられた子どもたち、そして教育や保健ケア、保護を受ける機会を奪われた子どもたちがいるということです。


スーミ州レべディンで、廃墟となった街を歩く13歳のロマンさん(ウクライナ、2026年3月12日撮影) (C) UNICEF/UNI975395/Kruchkova

さらに、これらの数字は実際の被害のほんの一部にすぎないと考えられます。

報告書はまた、極めて憂慮すべき傾向を示しています。今回初めて、政府軍およびその関連主体が行った子どもに対する重大な権利侵害の件数が、非国家武装集団によるものを上回りました。

私たちは、この現実が突き付ける緊急性を捉え一貫した姿勢で行動しなければなりません。

私はユニセフの活動を通じて、紛争によって家やコミュニティを追われた子どもたちや、家族や友人など大切な人々が殺されるのを目撃した子どもたち、そして武装主体から凄惨な性暴力を受けた女の子たちと会ってきました。

報告書はさらに、深刻な懸念を抱かせる以下のような傾向も指摘しています。

- 2025年に確認された子どもの死傷の約70%は、爆発性兵器によるもので、最も多かったのは、ウクライナ、アフガニスタン、ミャンマー、イスラエルとパレスチナ、そしてレバノンであった。
- 3,100人を超える子どもが、複数の重大な権利侵害を受けた。
- 人道支援へのアクセスの妨害や、人道支援活動への攻撃の事案は8,000件を超え、イスラエルとパレスチナ、リビア、ウクライナで最も多く確認された。


ガザで、雨水が入り込むテントで暮らす親子(パレスチナ、2025年11月14日撮影) (C) UNICEF/UNI901438/Nateel
報告書は、戦争行為そのものが急速に変化しているという、より大きな問題も浮き彫りにしています。

無人航空機(ドローン)や自律型・遠隔操作型システム、さらには人工知能(AI)による標的選定は、特に人口密集地域において、子どもたちに深刻な懸念をもたらしています。命を落としたり負傷したりする直接的な危険に加え、頭上に常にドローンが存在する状況は、子どもたちから安全という感覚そのものを奪いかねません。

それでも、希望が持てる変化もあります。

2025年には、1万3,000人を超える子どもたちが政府軍や武装集団を離れ、社会復帰に向けた支援を受けました。各国政府や武装主体は国連と連携して、権利侵害の防止や子どもたちの解放に取り組みました。また、コロンビア、ハイチ、シリア、モザンビーク、リビア、ソマリア、コンゴ民主共和国、エチオピア、イエメン、南スーダン、スーダンなどで、重要な進展が見られました。

これらの事例は、政治的意思と粘り強い取り組み、そして人道支援活動への支持があれば、「子どもと武力紛争」枠組みが効果を発揮することを示しています。

最後に6つの提言を申し上げます。

- すべての当事者による国際人道法・国際人権法の遵守を徹底させる。
- 学校や教育を守ることを含め、子どもの保護のための具体的な措置を講じる。
- 政府軍や武装集団に関与させられた子どもたちをまず被害者として捉え、その社会復帰を支援する。
- 国連安全保障理事会の「子どもと武力紛争」の取り組みを強化する。
- 人道支援へのアクセスを担保し、人道支援従事者を保護する
- 対人地雷禁止条約やクラスター弾に関する条約を含め、紛争下の子どもたちを守るための法的・政策的枠組みを強化する。

まさに支援ニーズが高まっている今、資金削減により、子どもを守る活動の能力が損なわれています。子どもの保護は、平和と安全保障において後回しにされることがあってはなりません。

それは平和と安全保障という課題の中心に据えられなければなりません。

戦争を始めるのは子どもたちではありません。そして、子どもたちは戦争を止める力も持っていません。それでも子どもたちは命を落とし、苦しみ、戦争による傷を何十年にもわたって抱え続けるのです。

私たちは、子どもたちが戦争に巻き込まれず、平和の中で自由に育ち、学び、夢を描ける世界を残さなければなりません。これは、そんなに難しい願いなのでしょうか。

* * *

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国連児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。(https://www.unicef.or.jp

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