1976年の放送開始以来、あらゆる方向から美をとらえ、美術作家自身の言葉を記録し、作家や作品に向き合った多彩な出演者の声を丹念に拾い上げてきたNHKの番組「日曜美術館」。
その豊かなアーカイブスのなかから「日本の近世以降の名画・名品」を語った珠玉のメッセージを抽出し、それらを改めて味わいながら、関連作品を所蔵する日本全国の美術館を紹介する『旅する日曜美術館』全2巻「北海道・東北・関東・甲信越・北陸」編と「東海・近畿・中国・四国・九州」編が、NHK出版から10月28日(水)より発売中だ。
地域別で区分した2巻のガイドブック
同書では、「北海道・東北・関東・甲信越・北陸」編41館、「東海・近畿・中国・四国・九州」編36館の、全国各地の多種多様な77館を取り上げている。
「北海道・東北・関東・甲信越・北陸」編では、東京の「岡本太郎記念館」や長野県の「安曇野ちひろ美術館」などを紹介。
東京・南青山にある岡本太郎記念館は、<太陽の塔>でおなじみの岡本太郎が戦後50年近く住居兼アトリエとして住んだ家を記念館にしたもの。
2階の展示室は、さまざまな企画展が催されるスペース。1階のサロンには、岡本太郎の等身大人形やとても座りにくそうな椅子など、岡本太郎のいたずらっぽい作品が飾られているほか、アトリエには描きかけかと思われる大小のキャンバスが棚にぎっしり。大きな机の上には、すさまじい数の絵具と絵筆が闘いの後のように古びている。
「岡本太郎記念館」は、内部はもちろん、建物や庭、展示品など全体のたたずまいが岡本太郎その人そのもののような姿をしている。
ほかにも、「北海道・東北・関東・甲信越・北陸」編では、青森県青森市「奈良三智と青森県立美術館」、山梨県北杜市「平山郁夫シルクロード美術館」などを紹介。
もう1つの「東海・近畿・中国・四国・九州」編では、静岡県熱海市「尾形光琳・岩佐又兵衛とMOA美術館」、福岡県福岡市「髙島野十郎と福岡県立美術館」などを収録している。
『日本の名画・名品を訪ねて 旅する日曜美術館 北海道・東北・関東・甲信越・北陸』『日本の名画・名品を訪ねて 旅する日曜美術館 東海・近畿・中国・四国・九州』は、各2,640円(税込)。
美術館WEBサイトにアクセスできるQRコード付き
2巻の『旅する日曜美術館』で、豊かな美の世界へ旅立つことができそう!各美術館紹介ページの冒頭には、それぞれの美術館のWEBサイトにアクセスできる「QRコード」が付記されているので、情報検索しやすいのもうれしいポイントだ。
秋は文化に触れたい季節。コロナ禍でなかなか実際には足を運びにくいが、『旅する日曜美術館』とともに美術館や美術作品に思いを馳せるひとときを過ごしてみては。