着物アップサイクルブランド「FAR EAST FABRIC」が、商品に使われるものと同様の着物生地で作ったパスケース、巾着袋を無料提供する試みを開始した。
“まずは本物の着物生地をさわってほしい”
今回スタートした「着物生地小物の無料配布」は、“着物のリメイク品に興味があるけれど、本物の生地を触ったことがないから購入を躊躇っている”という利用者の意見を聞いたことがきっかけだったのだそう。着物が活躍できる場は年々少なくなり、昨年からの新型コロナの影響でますます活躍の場が減っている。そんな中でも、着物リメイクに興味がある人々にとって最初の一歩になる企画となっている。
「着物生地小物の無料配布」のアイテムは、すべて日常で使える便利な小物を想定して作成。名刺ケースとしてもスマート財布としても使えるパスケースや、PC機器・化粧品・薬入れなどに便利な巾着袋がラインアップしている。
着物アップサイクルの世界を広げるため
無料配布にしたのは、まず着物アップサイクルの業界の認知が必要であるから。
国内には行き場が無く使われていない着物生地が1億枚以上あると言われている。そんな着物が捨てられることなく活用されるためには、まずは着物アップサイクルの世界が広がっていくことが必要だと同ブランドは考えた。そのため、無料配布という形で多くの人に手に取ってもらい着物を体験できる仕組みにしたそうだ。
着物をシャツへアップサイクル
古物市で買い手がつかず、段ボールで積み上がった着物を勢いに任せて買い取ったことが、着物シャツづくりのスタートだったという「FAR EAST FABRIC」。アロハシャツの起源が、ハワイに移住した日本人が持ち込んだ着物をシャツにリメイクしたことと知り、シャツへのリメイクを2020年から開始している。
同ブランドのシャツは、日常で着やすいようにと、アロハシャツに多い開襟シャツではなくボタンダウンを取り入れているのが特徴。またゆったりと軽やかに着られるように、少し大きめのサイズ感に仕上げている。
生地選び、糸ほどき、裁断、縫製とすべて職人による手作りで仕上げており、どれも実際に使われていた着物をリメイクしているので、世界に一枚しかない一点物となっている。
商品はホームページから購入可能。毎週新作が公開されている。また、福岡県北九州市の本社にはショールームもあり、自身の着物を持ち込んでのオーダーメイドシャツの製作も受け付けている。
■FAR EAST FABRIC SHOW ROOM
住所:福岡県北九州市八幡西区本城東4丁目5-22