ひらまつの運営する東京・銀座の「ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座」。
同店でコースメニューの前菜として、7月31日(日)までの提供だった希少な高知県・四万十川の天然鮎を使った一皿が、好評につき8月10日(水)まで単品で注文できるように期間が延長される。
鮎をフランス料理として新しく楽しむ
現在提供中の希少な高知県・四万十川の天然鮎を使った期間限定メニュー「高知県四万十川に流れる天然鮎のフリット 夏野菜のエチュベ グリーンアスパラガスと香り野菜のソースヴェルト」単品2,750(税込)。
「ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座」料理長の星野氏は、実際に四万十川を訪れ、清流を力強く泳ぐ鮎の姿を見て、3つの大切なポイントを考えながらメニューを創り上げたという。
1つ目は、日本の食材として親しまれている「鮎」をどうフランス料理に仕立てるか。2つ目は、自分の目で見た四万十川の情景を皿の上で表現したい。そして3つ目が、1尾すべて使える鮎の頭からしっぽまで、味の変化を楽しんでもらいたいという点。
まず、鮎の肝は残したまま1尾ずつ丁寧に鱗と中骨が取り除かれ、細かなパン粉をまとわせてフリットに。さらに、背中にパセリバターを加えたベシャメルソースを忍ばせてからオーブンへ。皿の上に、春菊とバジルを使ったソースが川の流れのように敷かれ、小石に見立てたラタトゥイユ、その上に鮎のフリットをのせて、四万十川の清流を生き生きと泳ぐ鮎の姿が表現されている。
「塩焼き」のイメージが強い鮎だが、揚げることで際立つのは衣と身の食感のコントラストだ。カラッと揚がった衣とふっくらとした身質に、口の中に広がる天然鮎の香り。
さらに背中に忍ばせたソースが鮎の風味に幅を持たせ、頭からしっぽにかけて味の変化が楽しめるのも魅力だ。フランス料理として、鮎の新しい楽しみ方に出会える一皿に仕上がっている。
全国的な漁獲量が激減し希少性が増す天然鮎
高知県南部に流れる全長196kmもの長さを誇る、四国最大の河川・四万十川。不入山を源流として、手付かずの自然が残る山あいをゆったりと流れ、その水が群を抜いて清らかであることから「日本最後の清流」とも呼ばれている。
美しく、力強く流れるこの四万十川の恩恵を受けて、流域では昔から川の幸や農作物、酒造りなど豊かな独自の食文化を育んできた。その中でも、天然の地鮎の味は格別で、国内でも屈指の名産地として全国に知られている。
近年、河川環境の変化などを背景に、全国的に天然鮎の漁獲量が最盛期の9分の1程度まで激減しているという。そのため、市場に流通する鮎もほとんどが養殖だ。昔から「香魚」とも呼ばれるほど、鮎はその香りが魅力だが、鮎本来の香りが感じられる天然ものはますます希少になっている。
鮎の香りは、エサによって変化するそう。四万十川の鮎がエサとするのは、山から流れるミネラル分を豊富に含んだ水の中に生える良質な藻や苔。それらを食べて育った天然鮎は、きゅうりやスイカを思わせる青々とした爽やかな香りが強くなり、旬ともなれば釣り場に立つだけで、その香りが感じられるほどだという。養殖のものでは感じることのできない鮎本来の香りこそが、天然鮎の最大の魅力だ。
提供期間中に、高知県の天然鮎を使った高級感のあるフレンチを堪能してみては。
高知県四万十川に流れる天然鮎のフリット概要:https://www.hiramatsurestaurant.jp/paulbocuse-ginza/news/#3176