京都の自動車部品メーカー「サンコール」は10月、リハビリ用歩行アシストロボット「Orthobot(オルソボット)」の新モデル「オルソボット 無線タブレットタイプ」をリリースした。
同商品は、現行機より-30%の軽量化、データの見える化を実現。タブレット無線通信機能搭載により操作性をUPさせ、リハビリ現場への浸透をはかるという。
Orthobot
「Orthobot」は、装着者の歩行を本来あるべき歩行運動に誘導することができる歩行学習支援ロボット。装具へ簡単に着脱できるシンプルな構造は、京都大学 大学院医学研究科 人間健康科学系専攻 講師、大畑光司氏の監修のもと、実用性を追究してつくられた。
オルソボット 無線タブレットタイプ
今回、新発売した「オルソボット 無線タブレットタイプ」は、さらなる軽量化により操作性を向上した新モデル。
現行機の操作パネルは、腰に装着するタイプなので、装着者の腰への負担となっていた。しかし、「オルソボット 無線タブレットタイプ」は、操作パネルを切り離し、無線タブレット化。
このことにより、トレーナーが患者から離れた位置でもタブレット操作し、リハビリ指導を行うことが出来るようになった。ボディ本体もバッテリーパックの小型化をはかった。
さらに、このタブレット画面では、足の動きを表示できるようにしたそうだ。歩容をわかりやすく可視化出来ることで、問題点がよりクリアになり、患者のモチベーションアップにもつながるそうだ。
また、タブレットに溜めたデータを分析することも容易となった。
歩くことが困難な全ての人をサポート
同商品は10月に、生活支援ロボットに関する国際規格「ISO13482」基準に合格予定だという。脳卒中からの患者だけでとどまらず、歩くことが困難な全ての人をサポートする開発をめざしているそうだ。
開発担当者のコメント
また、開発担当の蓮見氏は、「オルソボットは当社にとって新しい分野。規格取得に関するノウハウもなく、苦労したが、共同開発頂いた全ての方の協力のもと、また一歩前進できたと思う」と語った。
“歩きたい”という願いを抱く全ての人のために
「オルソボット」はどんな人にも身近に感じてもらえることを目指して、関節アクチュエーターやセンサーを内蔵しながらも、小型で柔らかなデザインにこだわっている。アシストモードやタイミング・時間などを調整し、個々人に合わせてカスタマイズ出来る構造は、リハビリトレーナーの徒手的介入の代替として、リハビリ現場を支えてきたそうだ。
新モデル「オルソボット 無線タブレットタイプ」は、10月15日(土)~16日(日)に開催される、「第20回 日本神経理学療法学会学術大会」にて発表を予定しているそうだ。
同社は、幼児から大人まで、“歩きたい”という願いを抱く全ての人のために、更なる開発を進めていくという。
サンコール公式サイト:https://www.suncall.co.jp/
(角谷良平)