「Farm of Africa(ファーム オブ アフリカ)」を展開するArtisans Farm LTDは立花商店と、フランス・パリで開催される世界最大級のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ・パリ 2022」に共同出展する。

Farm of Africa

ウガンダは世界第2の淡水湖に面し、ナイル川の源流に位置する、適度な降雨量と肥沃な土壌に恵まれた農業大国。かつアフリカ諸国の中でオーガニックのポテンシャルの高さにおいても注目されている。

Farm of Africaは、ウガンダにて有機農法を採用する小農家を中心に、カカオとバニラの買い付けをし加工を行っている。同時に自社農園でカカオとバニラを有機農法にて栽培。日本では、「パレ ド オール」や「DEAN＆DELUCA」等のブランドにも提供している。

カカオ生産地の課題への取り組み

日本をはじめ、チョコレートやスイーツを消費する国々では、SDGsやEGSという言葉を目にすることが多くなったが、その一方でそれらの原料であるカカオやバニラの生産国・地域では児童労働や環境破壊等の課題がまだ多く残っているという。

Farm of Africaの全ての買い付けは、農家に足を運び直接買い付けを行う。農園状況や児童労働等、独自の評価基準を設け、定期的に確認をしている。また、中間マージンを排除し、かつ高単価のカカオを作るための栽培や収穫等の指導を農家へ行い、小農家でも収入が上がるような取り組みもしている。

アグロフォレストリー農法を実施

さらに、農業(アグリカルチャー)と林業(フォレストリー)をかけ合わせた「アグロフォレストリー農法」を農家へも推進し、同社農園でも実施している。

限られた種類の野菜だけを育てる単一栽培に対して、「アグロフォレストリー農法」は、多種の農林産物を共生させながら栽培する農法だ。

サスティナブルな農業を推奨

また、カカオの木を植えるだけではなく、同時にその日陰を作る樹やバナナも一緒に植える指導を通じて、より自然環境への負担が少ないサスティナブルな農業を広めているという。

同社の農園にはソーラーパネルを設置している。電力は同社の太陽光発電によって100％運営し、CO2排出量削減にも取り組んでいるとのことだ。

今回、共同出展する立花商店はカカオを軸とした製菓材料の専門商社で、世界中のカカオ産地と直接取引を行い、生産者とサステイナブルな関係を築いている。

同社は「Farm of Africa」の国内販売代理店としてウガンダ産カカオ豆の他、カカオ豆の外皮を生のまま完全に手剥きして製菓材料とする「ローカカオ・ホールニブ」を国内にて販売展開している。

2021年には経済産業省の補助金事業である「第7回飛び出せJapan！」にて事業が採択され、Farm of Africaと協働して発酵・乾燥センターを運営し、品質の向上に取り組んだそうだ。

「サロン・デュ・ショコラ・パリ 2022」に立花商店と共同出展するArtisans Farm LTDの今後にも注目してみて。

(角谷良平)