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恐竜の化石などの標本を好きな視点で見よう。国立科学博物館のバーチャル体験空間公開

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国立科学博物館は、デジタル化した標本・資料をバーチャル空間で公開するプラットフォームを開設し、そのプロトタイプの空間として「たんけんひろば コンパスVR」を、3月3日(金)より公開した。

バーチャル空間を活用した新たな挑戦

同館では、研究成果や標本・資料を活用した展示やイベントを積極的に展開している。しかし、実際に訪問することが難しい人へのサービス提供、収蔵庫から移動が困難な標本・資料の公開、自由な視点や距離からの観察など、実空間における展示手法だけでは対応が難しい課題もある。

そこで、所蔵する標本・資料の更なる活用を推進するため、VRやARといった技術により、標本・資料に基づく新しい体験をより多くの人に届けるバーチャル空間を活用した新たな挑戦を始めた。

自由な観察や体験メニュー、AR体験も


「たんけんひろば コンパスVR」は、現在「歩いてみよう!コンパス」として公開している、同館の親子向け展示室「親と子のたんけんひろば コンパス」をモチーフに、新たなプラットフォームでの展開の検証のために、モデル的に制作・公開したバーチャル体験空間だ。


同館のシンボルで、国指定の重要文化財である日本館をバーチャル空間上につくり、そこを入り口として「たんけんひろば コンパスVR」に移動できる。


そこでは、ティラノサウルスの全身骨格やニホンカモシカのはく製など「親と子のたんけんひろば コンパス」に展示している標本だけでなく、収蔵庫に保管されていて通常は公開されていない標本も展示。様々な角度から観察したり、手に取るように間近で見たりできる。

また、空間内に隠された標本を見つけて並べ替える「動物ならべ」や、ウシやシカの仲間のツノと体を正しく組み合わせて展示を完成させる「このツノだれの?」といった体験メニューもある。

さらに、スマートフォンやタブレットからアクセスすることで、はく製やツノの3Dデータを実際のカメラ映像と合成できるAR体験も可能だ。

自由な移動・AR体験などが生む効果を検証

今回開設したバーチャル空間は、NTT データNJKの「STYLY.biz」をプラットフォームとして採用。来訪者は、一人称視点でバーチャル空間を自由に移動でき、上記のようなAR体験も可能だ。

また、同時に複数の参加者が参加できるイベントも実施できるため、いわゆるメタバースとしても展開できる。

このようなバーチャル空間を活用し、標本のデジタルデータなどを展示することで、どのように新たな体験や学びを提供できるか、また様々な創作へのインスピレーションなどといったこれまでにない活動を生み出すことができるか、ということを実践を通して検証。標本・資料の新たな活用・価値の創造を目指す。

デジタル技術で“体験”をもっと自由に

同館ではこれまで、凸版印刷と連携し、恐竜の骨格標本3Dモデルを公開する「ディノ・ネット デジタル恐竜展示室」や、哺乳類はく製標本の3Dモデルを活用したデジタルアーカイブ「剥製3D デジタル図鑑“Yoshimoto 3D”」などを展開してきた。

また、2020年からは、上野本館の常設展示や過去に開催した一部の企画展示を3Dビュー+VR映像で体験できるサービス「おうちで体験!かはくVR」を公開中。これに対し今回は、仮想の「展示空間」を新たに設けて展示をおこなう。インターネットを通して、いつでもどこからでも自由に観察や体験ができるサービスとなる。

今回のバーチャル空間では今後、複数の展示室からなる有料の企画展示の開催を予定。また将来的には、仮想空間での展示等を希望する他の博物館や美術館などに対しての場の提供なども目指している。

遠く離れた場所からでも、標本などをより自由に観察・体験できる「たんけんひろば コンパスVR」にアクセスしてみて。

「たんけんひろば コンパスVR」公開URL:https://www.kahaku.go.jp/3dmuseum/compass-VR/

(Higuchi)

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