島根県古代文化センターは、約30年にわたり全国にある100点以上の『出雲国風土記』写本を調査・撮影してきた。これらの写本のうち、島根県教育委員会が所有する写本の画像3点について、昨年度よりインターネット上での公開が開始された。
風土記研究のさらなる発展に期待
今回、新たに倉野家本・郷原家本(いずれも個人蔵)の画像を3月24日(金)より公開。また、これらの写本がどこからでも簡単に閲覧可能になったことで、風土記研究のさらなる発展が期待されている。
『出雲国風土記』倉野家本
記事冒頭画像の島根県立古代出雲歴史博物館寄託“『出雲国風土記』倉野家本”は、書写年は不明。ただし、書写年が判明する最古の写本である細川家本(慶長2年<1597年>)に近似していることから、古態を残す写本とされる。
上野国新田郡(現在の群馬県太田市)出身の毛呂義郷に関わる蔵書印を意味する、「毛呂氏家蔵本」の蔵書印あり。
『出雲国風土記』郷原家(ごうばらけ)本
“『出雲国風土記』郷原家(ごうばらけ)本”は、江戸時代前期(17世紀後半頃)の書写。松江藩士で、『出雲国風土記』の最初の解説書である『出雲風土記鈔』(天和3年<1683年>)を著した岸崎佐久次時照の所持本だ。朱墨による訓点や校正が多数書き込まれている。
この機会に、『出雲国風土記』の写本を閲覧してみては。
公開ページ:https://www.pref.shimane.lg.jp/bunkazai/kodai/library/database/fudoki/
(角谷良平)
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