飛騨の匠のものづくりの伝統を受け継ぐ木工家具メーカー「飛騨産業」は、日本を代表する染色家・柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)氏のデザインによるオリジナルファブリックを用いた家具、グッズ、書籍などを展示販売する「柚木沙弥郎の色とかたちを楽しむ暮らし展」を、4月1日(土)〜5月7日(日)の期間、HIDA高山店 森と暮らしの編集室にて開催している。
会期中は、見送り幕に柚木氏の図案を用いて復元された、春の高山祭の祭屋台「指南車(しなんしゃ)」も公開する。
HIDA高山店 森と暮らしの編集室について
明治期の小学校の校舎を改装した建物を使用しているHIDA高山店 森と暮らしの編集室。店内ではオリジナル家具、地元作家を中心に扱うクラフトマーケットや、隈研吾氏デザインによる自然派カフェ「椅子と珈琲」、愛犬と楽しめるテラスなど、多彩なコンテンツを通じて森の恵みと手仕事のある豊かな暮らしを提案している。[*]
柚木沙弥郎氏について
柚木沙弥郎氏は、1922年東京生まれの100歳。美術史を学ぶため東京帝国大学(現東京大学)に入学し、翌年学徒動員へ。終戦後大原美術館に勤務する。工芸への関心が深まり、芹沢銈介氏のもとに弟子入りして以降、染色作品だけでなく絵本や版画など数多くの作品を発表し、現在も精力的に活動を続ける日本を代表する染色家の一人だ。
柚木沙弥郎の色とかたちを楽しむ暮らし展
2020年、飛騨産業は創業100周年を記念して、同社とほぼ同じ年齢の柚木氏にデザインを依頼し、オリジナルファブリック「ダンラン」と「クツロギ」を開発した。
こちらは「ダンラン」を張った「森のことば」ソファのコーディネート。大胆ながらインテリアに馴染む織布は、アート作品のような存在感を楽しめる。
「第七號椅子」は、シルクスクリーンプリントで原画のタッチをそのまま表現した帆布「クツロギ」を張っている。[*]
「柚木沙弥郎の色とかたちを楽しむ暮らし展」では、期間中、「ダンラン」や「クツロギ」を張った商品を含む税込20万円以上購入した人に、「クツロギ」のランチョンマット1組をプレゼントする。
また、柚木氏デザインのファブリックを用いたオリジナルグッズや、
関連書籍を集めた特集コーナも開設。
店内は柚木氏のポスターで彩られ、カフェでは同氏デザインのランチョンマットでカフェタイムを楽しめる。
イベントスペースでは一部初公開を含むテキスタイルの原画も展示する。
春の高山祭幻の祭屋台「指南車」を限定公開
さらに、今回の展示販売では、⾒送り幕に柚⽊⽒の図案を採⽤した「指南車」も限定公開。
「指南車」は、精緻な⻭⾞の組み合わせによって車がいかなる⽅向に向きを変えても⾞上の仙⼈像が南を指すように設計されている。⾶騨地⽅では江⼾時代より「南台⾞」という呼び名で存在していたが、明治の⼤⽕などが原因となり⼀度消失。その後、高山市上二之町の南車台組が所有していた復元模型に基づき、2020年に飛騨産業も参画して復元したのが今回展⽰をする「指南車」だ。全高約5mあり、下台に登って撮影をすることもできる。
柚木氏が手掛けたパターンがつくる自由で楽しい世界を、4月14日(金)・15(土)に開催される高山祭とあわせて楽しんでみては。
■柚木沙弥郎の色とかたちを楽しむ暮らし展
開催日:4月1日(土)〜5月7日(日)
開催店舗:HIDA高山店 森と暮らしの編集室/椅子と珈琲(カフェ)
住所:岐阜県高山市名田町1-82-1
営業時間:10:00〜18:00
※水曜、第3木曜定休
※GW期間中のため5月3日(水)は営業、5月2日(火)が振替休業
URL:https://hidasangyo.com/shop/takayama
[*]Photo:Masayuki Hayashi
(山本えり)