美郷町学友館では、テキスタイルデザイナー須藤玲子氏と、彼女が率いるNUNOの活動を紹介する特別展「展示でめぐる須藤玲子の布づくり～NUNOの世界へホップ・ステップ・ジャンプ！～」を10月28日(土)～12月3日(日)の期間、開催する。

須藤玲子氏とNUNOの活動を紹介する特別展

須藤玲子氏 撮影 林雅之氏

日本各地の職人や工場との協働作業による従来の概念にとらわれない布づくりで、現代のテキスタイルデザインをリードし続けるNUNOは、今年、活動開始から40年の節目を迎えた。

その間には失われゆく素材や手仕事がある一方で、新たな表現を可能にするマテリアルやテクノロジーの登場、サステナビリティに対する意識の高まりなどがあり、NUNOが手掛けるテキスタイルの表現、素材、製作技術も、そうした時代背景に呼応するかたちで進化を遂げてきた。

「展示でめぐる須藤玲子の布づくり～NUNOの世界へホップ・ステップ・ジャンプ！～」では、その変遷を布づくりのプロセスと共に「ホップ・ステップ・ジャンプ！」を合言葉に紹介し、過去・現在を経て未来へと続くNUNOの活動を通じて、持続可能なものづくりと社会のヒントを探る。

展示のみどころ

鉄製の釘の酸化を写し取ったデザイン。須藤玲子氏「錆染め釘」1994年 写真：林雅之氏

「展示でめぐる須藤玲子の布づくり～NUNOの世界へホップ・ステップ・ジャンプ！～」では、完成したテキスタイルだけでなく、須藤氏の布づくりのアイデアの素や制作プロセスを時代による変遷とともに紹介。思いがけない素材を使用したり、伝統的な職人技と最新の工業技術を組み合わせたり、その自由な創造の世界に迫る。

we+ 林登志也氏(左)と安藤北斗氏(右)

また、会場構成を手掛けるのは、その独自のアプローチから国内外で注目を集めるデザインスタジオwe+。

第11回円空大賞展での展示風景2023年 撮影：林雅之氏

NUNO須藤玲子氏、林雅之氏、we+によるテキスタイルインスタレーション「KYOTO nuno nuno」展示風景 2022年 撮影：林雅之氏

近年、須藤氏とのコラボレーションも多い彼らによる宙に浮くキューブ状のオブジェや、布で覆われた空間を歩いて鑑賞する作品など、テキスタイルがつくり出すダイナミックな空間が登場する。さらに、会場では、林雅之氏によるテキスタイルの表情に迫る写真作品も展示する。

左 |かつて町内で使用されていた型染めの型。今回、この花のモチーフをもとに考案されたNUNOによる新作が発表される。所蔵：美郷町 歴史民俗資料館 右|NUNOによるデザイン画：増井岳氏(NUNO)

「展示でめぐる須藤玲子の布づくり～NUNOの世界へホップ・ステップ・ジャンプ！～」では、町内でかつて生活・風習・家業のひとつとして培われてきた染織にも光をあて、当時の道具など関連資料を展示する。また、美郷町に伝わる染織技術やモチーフから着想を得たNUNOによる新作も初公開する。

関連プログラム

関連プログラムとして、「須藤玲子 ギャラリートーク」を10月28日(土)9:00～10:00に開催。なお、予約不要だ。

また、NUNOの布を使ってオリジナルのスカーフや風呂敷を作る「須藤玲子 つぎつぎ布ワークショップ」を美郷町住民活動センターにて、11月18日(土)13:00～15:00に開催する。

参加費は無料だが、定員は、20名で先着順となる。申し込み受付は10月28日(土)午後1時より。問合せ・申し込みは、美郷町学友館公式サイトにある電話番号にて。

この機会に、「展示でめぐる須藤玲子の布づくり～NUNOの世界へホップ・ステップ・ジャンプ！～」へ足を運んでみては。

■展示でめぐる須藤玲子の布づくり～NUNOの世界へホップ・ステップ・ジャンプ！～
会期：10月28日(土)～12月3日(日)
開館時間：9:00～17:00※入館は16:30まで
会場：美郷町学友館
住所：秋田県仙北郡美郷町六郷字安楽寺122
入館料：一般300円※高校生以下 無料
休館日：毎週月曜日
公式サイト：https://www.town.misato.akita.jp/toubetsutenkikakuten/4598

■須藤玲子 ギャラリートーク(予約不要)
開催日時：10月28日(土)9:00～10:00
会場：美郷町学友館

■須藤玲子 つぎつぎ布ワークショップ
開催日時：11月18日(土)13:00～15:00
定員：20名(申し込み受付は10月28日(土)午後1時より、先着順)
会場：美郷町住民活動センター
住所：秋田県仙北郡美郷町畑屋字街道東144

(角谷良平)