各地の廃材を再利用して「絵の具」を創作する画家として注目されている綾海さんは、年に1度「廃材から描く展」を催すことを決意した。
第2回開催となる2023年は、12月2日(土)~10日(日)の期間、デザインフェスタギャラリーイーストにて「廃材から描く展2023 -Ayami exhibition-」を開催。11都道府県、テーマ“日本の100年後”を基に制作した12作品が集う。
アーティスト・作品の紹介
綾海さんは、活動拠点を長崎と東京に構えながら、キャンピングカーで旅をする画家。現地に自ら出向き、現地の人の声を聞き、自分の目で見て感じることを大切にしている。
2021年11月頃に実施したクラウドファンディングでは多くの支援を受け、キャンピングカー1台を購入。動くアトリエとして活用しながら、全国を旅している。
作品は、訪れた土地で取れる廃材を再利用して制作。廃材元のストーリーや地域の残したい文化・自然の声・歴史等を表現した、「観る人に未来を考えてもらう作品」だ。
隅田川で採取した桜の枝とリノベーションの廃材を用いた作品や、
有明海で採取したヘドロを用いた作品、
江ノ島で採取した海洋ゴミを用いた作品などがある。
11都道府県12作品を展示
「廃材から描く展2023 -Ayami exhibition-」では、鵜飼の篝火の松明、鹿の角・骨、隅田川の桜、処分される水草等を用いて作画された作品を展示。個展としては過去最多の展示数となる11都道府県12作品が集う。
見どころは、綾海さんの作品中で最も大きい作品(180×90cm)の展示だ。
綾海さんからのメッセージ
綾海さんは、印象的な出会いは、鹿の狩猟に同行したことだと話す。命をいただく瞬間や猟師の思いに触れ、命を生かす手伝いをしたいと考えたのだそう。
活用法が少ない鹿の骨や角を1度絵の具に変えることは至難の業だったが、試行錯誤を繰り返して平面作品を作れるようになったようだ。
今回の個展に際し、「廃材を用いたアートに関心がある方も、初めて目にする方にも、十分にご満足いただけるクオリティの個展を目指しておりますので、気兼ねなくお越しください(一部抜粋)」とコメントした。
ちなみに、綾海さんは、自治体と連携し、創作や廃材絵の具にまつわるワークショップも開催している。
廃材を再利用したアート作品を鑑賞し、未来について考えてみるのも良いかもしれない。
■廃材から描く展2023 -Ayami exhibition-
日程:12月2日(土)~10日(日)
時間:11:00~20:00(最終日は17時まで)
会場:デザインフェスタギャラリーイースト
住所:東京都渋谷区神宮前3丁目20−2
個展会場の詳細:https://designfestagallery.com/access/
綾海さん活動ブログ:https://note.com/ayami_ecoart/
(Higuchi)