盲ろう者(視覚と聴覚の両方に障害を重複している人)に関する番組が、NHK Eテレにて、2024年1月3日(水)・8日(月)・15日(月)と、新年から立て続けに放送される。
1月3日(水)に放送される映画「桜色の風が咲く」は、東京盲ろう者友の会の顧問である盲ろう者の福島智氏(東京大学特任教授)がモデルとなった作品。
1月8日(月)・15日(月)に放送されるハートネットTV「フクチッチ」には、東京盲ろう者友の会理事長である盲ろう者の藤鹿一之氏がスタジオゲストとして出演する。そのほか、東京盲ろう者友の会会員の盲ろう者や東京都盲ろう者支援センターの利用者など、多数盲ろう者が出演する予定だ。
映画「桜色の風が咲く」
2024年1月3日(水)14:00~放送の映画「桜色の風が咲く」は、福島智氏と母・令子氏をモデルとした映画。
9歳で失明するまでの幼少期、失明後、聴力も徐々に失われ、18歳で失聴するまでの青年期、そして、全盲ろう者として大学に合格するまでの日々が母親の視線を通して丁寧に描かれいる。
ハートネットTV「フクチッチ 盲ろう」
2024年1月8日(月)20:00~放送のハートネットTV「フクチッチ 盲ろう」は、目が見えず耳が聞こえない「盲ろう」について学ぶ。盲ろう者が使うコミュニケーション方法「指点字」や「触手話」とは?暮らしをのぞいてみると、喫茶店でのコーヒータイムや野球観戦を大満喫!盲ろう者が集う場ではボードゲームに熱狂する人たちも?! さらにヘレンケラー来日の翌年に始まった日本の盲ろう教育の歴史も深掘りする。
また、1月15日(月)には後編も放送予定だ。
視覚と聴覚の両方に障害を重複している人
盲ろう者とは、視覚と聴覚の両方に障害を重複している人のことをいう。日本には、少なくとも1万4千人ほどの盲ろう者が存在する。しかし、その多くは福祉的支援につながっておらず、コミュニケーション、情報入手、移動の困難を抱え、社会的に孤立している盲ろう者も少なくないそうだ。
盲ろう者が、社会に参加し、自立して生きていくためには、都道府県の福祉制度である「盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業」の活用が有効であることが指摘されている。
東京盲ろう者友の会について
東京盲ろう者友の会は、盲ろう者の自立と社会参加を促進することを目的とする認定NPO法人。盲ろう者の福島智氏(現・東京大学特任教授)の大学進学を支援する会がきっかけとなり、1991年に東京盲ろう者友の会として活動を開始した。現在、東京都盲ろう者支援センターや事業所「かけはし」を運営し、盲ろう者向け通訳・介助者の派遣や養成、盲ろう者の相談支援や個別訓練等の支援を提供している。
映画「桜色の風が咲く」、ハートネットTV「フクチッチ 盲ろう」を通して、盲ろうについて学んでみては。
映画「桜色の風が咲く」サイト:https://gaga.ne.jp/sakurairo/
ハートネットTV「フクチッチ 盲ろう」番組サイト:https://www.nhk.or.jp/heart-net/program/heart-net/2581/
東京盲ろう者友の会公式サイト:http://www.tokyo-db.or.jp/
(角谷良平)