宮城県沿岸の町・南三陸町の北部地域「歌津」の沿岸被災後の空き地に賑わいの風を吹かせたいという思いから構想がスタートし、補助金やクラウドファンディングなどを得て、コンテナショップ「歌旅人 -utabi-」が3月10日(日)、311になぞらえてグランドオープン予定だ。先行して、テイクアウトのみ2月6日(火)よりオープンしている。
津波の後の更地に新しい風を
岩手県一関市と宮城県南三陸町で18年営業している飲食店「和sian-cafe aimaki」は、新型コロナや物価燃料高騰など厳しい状況が続くなか、津波の後の更地に新しい風を吹かせたいとの思いから、新しいプロジェクトを発足した。
建築資材全体の高騰も追い打ちとなり、当初の計画から面積や予算が縮小になるなど前途多難だったが、あきらめずにトライアンドエラーを繰り返し、クラウドファンディングでたくさんの支援も得て、やっと建築にこぎつけた。
資金や期間が十分でないため妥協もし、自分たちで室内のペンキ塗りをなど工夫をしながら、老若男女が快適に過ごせ、色々なシチュエーションで利用しやすい店づくりをした。
自分と周りの人が気分よく生きる場所
「歌旅人 -utabi-」のメインビジョンは、“自分と周りの人が 気分よく生きる”。様々な“あったらうれしい”を取り入れながら、日々を楽しく、心豊かに過ごす。気分を変えたいとき、一人になりたいとき、息がつまりそうになったときにリフレッシュできるサードプレイスとして、家族や友人、カップル、1人での利用など、多様な使い方を想定した。町内だけでなく、隣の気仙沼、登米市、石巻市からや、さらには旅行で県外・全国・海外からも寄ってもらえるよう、地域の特色を出したいという思いで取り組んでいる。
食事のほか、物販やレンタルルームも用意
同店では、「テイクアウト」として、ファストフードと弁当、ドリンク、デザートを提供。セミドライブスルーで、3月頃からテラスでの飲食利用や愛犬との利用も可能になる。
「イートインコーナー」は20席。宮城県内の割烹や名門ホテルで技を磨いたシェフが、地元の食材を取り入れた家庭洋食と和食を提供し、モーニングからディナーまで都合に合わせて利用することができる。一般席の予約はディナータイムのみ可能だ。
静かな町で夜の灯りも少ないが、夕食やちょっと飲み、宴会にも利用してもらうことで、夜営業を継続することを目指している。
また、食事や仕事、ドライブ休憩などに利用できる定員4名の「ミニレンタルルーム」を2室用意。スマートテレビもある。子ども連れにもおすすめだ。
「物販コーナー」では、日常に取り入れたい雑貨や、地域のお土産を販売。オリジナルグッズも計画しているという。
さらに、旅人へ周辺の情報を発信する「情報掲示板」も設置する。
グランドオープン前の営業時間は、モーニングメニュー9時~11時(弁当なし)、11時~18時は弁当も販売する。水曜日定休。グランドオープン後の営業時間は、公式Instagramで確認を。
オープニングイベントも
3月11日(月)・12日(火)には、オープニングイベントとして「スペシャルティコーヒー販売会」を実施。メルボルンでコーヒーを学んだ後、香港でカフェをオープン、現在は新宿「Brewman Tokyo」を営む小野光氏がコーヒーを提供する。同氏は、「和sian-cafe aimaki」のOBでもある。
店舗前には伊里前湾が広がり、晴れの日は朝の光がまぶしく美しい。時間によって変わる景色は、心を和ませてくれる。この魅力的な港町を見に、「歌旅人 -utabi-」を訪れてみては。
■歌旅人 -utabi-
住所:宮城県本吉郡南三陸町歌津伊里前 ハマーレ広場となり
Instagram:https://www.instagram.com/utabi.terasse/
(山本えり)