日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧藤代町(取手市)を写真とともに紹介する。
Vol.197/茨城県旧藤代町(取手市)
旧藤代町は2005年に、取手市と編入合併したまちだ。藤代駅からは取手駅までは、国道6号線を通って車で6kmほどなので、お互いの地理関係も近い。そして前日、茨城県で滞在させてもらっていたご家族の方々と話をしていて、「国道6号線沿いには、カップ麺の煙突をした日清の関東工場があるよ」と教えてくださった。住所は旧藤代町である。いざ、国道6号線を通っていると、確かにカップ麺の形をした煙突のようなものが建っていた。車で走っていると、通り過ぎるにしても、一瞬目に入るだろうなあと。
その後、藤代庁舎を訪れて、藤代駅まで向かう。庁舎から駅までカブに乗って移動しようと思っていたけれど、庁舎近くの交差点から、2、3人ほど駅の方角に向かって歩いている人を見た。なるほど、これぐらいの距離は、徒歩圏内だと捉えているのが地元の人の感覚か……。と思ったので、ぼくも駅まで歩いてみることにした。
駅に着いた頃はまだ朝6時半だったが、駅では電車を待つ人がそれなりにいる。常磐線上りの上野方面は、水戸方面の5倍ほど人が並んでいた。やはり、東京近辺の会社へ勤めていたり、学校に通っていたりする人も多いのだろう。首都圏と十分につながった暮らしがあるのだなあと。でも、朝が早くてちょっと大変かもしれない。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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