栃木県宇都宮市大谷町にある地下空間に、インスタレーションアートを数多く手掛ける栗林隆氏が体験型アートインスタレーション「大谷元気炉六号基」を制作。作品内に入ってスチームサウナに似た体験が可能で、公式サイトにて予約を受け付けている。
地下空間に常設「元気炉」が誕生
社会や自然、日常生活や身体の「境界」をテーマにした、大型のインスタレーションアートを数多く手掛ける現代美術家・栗林隆氏。同氏は、私有地でこれまで一般公開されてこなかった、大谷町の地下空間を活用して、常設の「元気炉」を制作した。
すべてをポジティブに変える元気炉体験
地下空間に屹立する巨木のような「大谷元気炉六号基」は、体験型のアートインスタレーション。
大きな窯で薬草(ハーブ)を入れてお湯を沸かし、その蒸気をパイプで送り込む。
鑑賞者は作品内に入り、スチームサウナのような体験が可能。心身ともにご機嫌になれる新しい体験だ。作品内は蒸気で1m先も見えない状態になり、ハーブや薬草の香りと、濃密なスチームに包まれることで、すべての感覚を呼び起こし、新しい世界を堪能することができる。
今回の作品は、5年に一度ドイツで開催される美術展「documenta15」(2022年開催)に、日本から唯一招聘された「CINEMA CARAVAN & TAKASHI KURIBAYASHI」のうちの、元気炉六号基。五感すべてで体感できる、地下空間とアート作品が融合した、これまでにない壮大な展示だ。
「空間体験料(入場料)」は1,500円。元気炉のほかに、「ドクメンタ6」に日本人作家として初めて選出された原口典之氏の作品等の展示も実地中。
「元気炉体験(アートサウナ)」は3,500円。稼働時間は、1部が9:30〜11:30、2部が12:30〜14:30、3部が15:00〜17:00、火・木曜日は定休日となっている。体験は120分制限で、予約はWEBの事前予約、当日現地予約にも対応。大量のスチームで衣類や肌が濡れるので、水着や着替え、タオルなどの持参がおすすめ。
小学生以下の子どもは体験不可。体験人数には制限があるので、体験の注意事項も含め、詳細はWEB予約サイトにて確認してみて。
様々な境界線を表現する現代美術家
栗林氏は、93年に武蔵野美術大学を卒業後、渡独。2002年にクンストアカデミーデュッセルドルフでマイスターシューラーを獲得しドイツで活躍。帰国後、日本とインドネシアを往復しながら活動し、22年の「ドクメンタ15」にて、栗林隆+Cinema Caravanで発表した《元気炉四号基》を評価され、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。世界各地で制作・発表を続けている。
栗林隆氏が手がけた、大谷町の地下空間を活用した常設の元気炉「大谷元気炉六号基」を訪れて、アートサウナを体験してみては。
■大谷元気炉六号基
住所:栃木県宇都宮市大谷町909番地11
元気炉公式サイト・WEB予約:https://www.genkiro.com
Instagram:https://www.instagram.com/genkiro06_oya
栗林隆 公式サイト:https://www.takashikuribayashi.com
(山本えり)