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【福島県旧舘岩村(南会津町)】今も続く大きな曲家の小さな暮らし。前沢曲家集落を歩く

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福島県旧舘岩村(南会津町)

日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。

今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。

「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。

今回は、福島県旧舘岩村(南会津町)を写真とともに紹介する。

Vol.253/福島県旧舘岩村(南会津町)

旧田島町から、南西に位置する旧舘岩村を目指して進んでいく。隣同士のまちであり、同じ南会津町なのだが、旧舘岩村の市街地へナビを設定すると、35kmと表示された。「(南会津町は)広い!」とつっこんだ。道中の景色もとても良く、何度かスーパーカブを停めた。そして、旧舘岩村の市街地を巡ったのちに、前沢曲家集落を訪れた。

道中の景色

山並み畑と

舘岩総合支所

4600日は12年7ヶ月

郵便局も雰囲気がある

前沢曲家集落へ

とても美しい集落だった

青空と道と集落と

最後に展望台へ

前沢曲家集落は中世の会津武士が拓いたと言い伝えられている集落だ。ただ、1907年にほぼ全戸が焼失する大火が起きた。その後の再建築により、今の集落は残されていると。入場料を支払い、入口をくぐるとまっすぐな道の左右に、立派な茅葺き屋根の集落が広がっていた。奥には山の森が高くそびえ、ほんとうに小さな集落である。しかし、畑や水路、水車、民具や自転車……ここには暮らしの息遣いがまだまだ残っていた。しかも、力強く感じられる。このたくましさは何だろうか。豊かな自然に囲まれ、冬は厳しいはずだ。四季とともに生きていく。お金や効率が大切な社会の流れとは、また少し違う時間が流れている気がした。ここにはたぶん、ぼくの知らない豊かさがある。こうした集落が、確かに今も続いており、まだまだ全国各地にたくさんあるはずだということを、忘れずにいたい。

(仁科勝介)

写真家プロフィール

仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247/

   

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