島根県出雲市にある、「しまね子ども支援プロジェクト」発の常設型フードバンク「コミュニティ・フリッジ出雲」を、同市の飯塚市長が7月に視察した。
施設を見学し、仕分け作業も体験
「しまね子ども支援プロジェクト」は、昨年11月に児童扶養手当を受給しているひとり親家庭に対し、24時間無料で食料品や日用品を提供するフードバンク「コミュニティフリッジ出雲」を開設した。食料品などは、個人や企業から提供され、ボランティアが仕分け作業を行っている。
7月25日(木)に「コミュニティ・フリッジ出雲」を訪れた飯塚市長は、まず利用者と同じ「入口」から施設を見学した。
市長が目を留めたのは、利用者のメッセージ。
さらに同法人のウリでもある冷蔵庫・冷凍庫や、
バックヤードも視察した。
事業内容や同法人の抱える課題などを説明する時間も設けられた。
施設見学のあとは、米の仕分け作業も実施した。
大学生との意見交換も
市長を囲んでの意見交換会では、「しまね子ども支援プロジェクト」を応援している島根大学の学生サークル「学生FBI」や、島根大学「行政学ゼミ」からも数名が参加した。
市長から活動を通じて感じることを尋ねられた学生は、「利用者さんのお声を直接聞く機会はあまりありませんが、メッセージを通して私たちの活動はきちんと意義があるのだと分かり、それがモチベーションになっています。この取り組みはまだまだ広まっておらず、人手も足りない状態ですが、テレビ局の方に取材に来ていただいたり、こうして市長さんが来てくださることで、情報発信ができ、(私の家族がテレビ見たよ〜とか妹もボランティアに来てくれたように)、少しづつ輪が広がっているなと嬉しく思っています」と答えた。
政治や行政のコミットメントが不可欠
一般に、NPOは「二足のわらじ」を履いている(あるいは、そうあるべし)といわれる。一つは、サービスの提供。もう一つは、アドボカシー(世の中への問題提起、政策提言)だ。
「しまね子ども支援プロジェクト」では、前者については、昨年11月末にフリッジの供用を開始してから、多方面からの温かい支援を得ることで何とか続けてきたという。ただし、後者についてはまだまだだといい、そもそも周りに貧困で苦しんいる人たちがいるということ自体、あまりリアリティを持って認識されておらず、この状況を変えるために、NPOの立場で調査や情報発信などを行っていくことはもちろん、政治や行政のコミットメントが不可欠だとしている。同法人は、今回の市長訪問がその第一歩としても位置づけられると考えているという。
同法人は、この度「令和6年度 出雲市市民協働事業支援補助金」の採択を受けた。まずは児童扶養手当を受給している全世帯(約1,200世帯)に同法人のチラシを配布する。これにより、利用者が大幅に増えることが予想されるため、支援を募っている。詳細は法人のサイトを確認しよう。
出雲市の飯塚市長が訪問した「しまね子ども支援プロジェクト」発の常設型フードバンク「コミュニティ・フリッジ出雲」を、この機会にチェックしてみては。
しまね子ども支援プロジェクトHP:https://shimane-cspj.org
「学生FBI」Instagram:https://www.instagram.com/fbi_ouentai
島根大学「行政学ゼミ」Instagram:https://www.instagram.com/gyouseigaku_zemi
(江崎貴子)