大阪府高槻市の取り組みに注目!2025年問題に向け認知症サポーター養成講座の受講者募集を行っていることについて、高齢者の健康づくりのため、Daigasグループが高槻市に舌の筋力測定器を寄贈したことについて、それぞれ詳しく見ていこう。
認知症サポーター養成講座受講者を募集
認知症の症状を正しく理解し、認知症の人やその家族が地域で安心して暮らせるように応援する「認知症サポーター」。厚生労働省の資料によると団塊の世代全体が75歳以上の後期高齢者となる2025年には認知症の患者数が全国で約471万人を超え、65歳以上の7人から8人に1人が認知症になるとされている。
高槻市では認知症の人への理解を進めるため、公共施設や地域の様々な機関、施設の従事者への認知症サポーター養成講座を行うとともに、地域住民への出前講座なども行っており、随時申し込みを受け付けている。
■3万人超の市民が認知症サポーター養成講座を受講
認知症サポーターは、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、認知症の人やその家族が地域で安心して暮らせるよう応援する人のことで、養成講座を受講すればだれでも認知症サポーターになることができる。同市では、認知症高齢者やその家族が住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくりを目指して、平成18年から講座をスタート。すでに3万人を超える市民が認知症サポーター養成講座を受講している。市立施設での開催だけではなく、開催場所を準備でき、10名以上集まれば出前講座を行うことも可能だ。
この事業を推進する福祉相談支援課では「認知症は誰でもなる可能性があります。『自分たちの問題である』という認識を持つことが大切です。近隣の方やご友人、職場の仲間と認知症について一緒に学んでみませんか」と呼び掛けていて、養成講座の受講者を随時募集し、受講者募集に注力している。
■講師は専門職として従事する人たち
講座の内容にも工夫を凝らしていて、8月26日(月)に開催した同講座では、認知症の方と接する機会が多い介護老人保健施設や地域包括支援センターで介護福祉士など専門職として従事する人を講師に招き、認知症の人への応対方法をより分かりやすく学ぶために寸劇を盛り込むなど、受講者が関心を持ちやすいように進行。
終了後、受講者は受け取った認知症サポーターの証「オレンジリング」を手に、今後の活動への気持ちを高めていた。福祉相談支援課の担当者は、「より多くの人に講座に参加してもらえるよう、今後も出前講座の開催について積極的にPRしていきたい」としている。
講座では、1時間から1時間30分で、1.認知症の症状を学ぶ、2.認知症を理解する、3.認知症の人と接するときの心がまえ、4.認知症サポーターのできること、以上4つの内容を受講する。なお、開催希望日の1か月前までに申し込みのこと。
認知症サポーター養成講座(高槻市公式サイト):https://www.city.takatsuki.osaka.jp/soshiki/35/2466.html
Daigasグループが高槻市に舌の筋力測定器を寄贈
また、高槻市は8月20日(火)、Daigasグループから、同グループが実施しているボランティア活動「小さな灯運動」の一環で、高齢化に伴う舌の筋力低下を数値化して認識できる筋力測定器の寄贈を受けた。
■ボランティア活動「小さな灯運動」の一環
この寄贈は、Daigasグループが「地域社会のさまざまな問題の解決に自らの意思で積極的に取り組む」という社内理念のもと、昭和56年から40年以上にわたり実施しているボランティア活動「小さな灯運動」の一環で行われたもの。同活動により、高槻市に対し平成27年度からデジタル握力計や口腔機能測定器のほか、屋外の体操教室などで活用できる拡声器やBluetoothスピーカーなどの寄贈を受けている。
今回、同グループから寄贈を受けたのは、舌の筋力測定器2台。舌の筋力測定を行い数値化することで、高齢化に伴う舌の筋力低下を認識でき、筋力低下によって口内の機能が衰えた状態の「オーラルフレイル」予防の啓発につながる。
■筋力測定器は様々なイベントで普及啓発活動に活用
この日、市役所を訪れた大阪・北部地区統括支配人の大黒賢宏さんは「市民の皆さまの健康づくりにお役に立てていただければと思います」と話し、濱田市長は「ご寄贈ありがとうございます。介護予防の普及啓発イベントなどで使用していきたいと思います」と感謝を述べた。
寄贈された筋力測定器は、市民の健康寿命延伸を目的とした健康づくり施策の一つである介護予防教室や、高齢者対象のイベントなどでの普及啓発活動に活用するという。
この機会に、高槻市の問題解決に向けた取り組みに注目してみては。
高槻市公式サイト:https://www.city.takatsuki.osaka.jp
(suzuki)