
新潟県阿賀野市の麦畑で、原材料となる麦の生育を確認する西方さん
ローカルガストロノミーベーカリー「grains.(グレインズ)」が、2月1日(日)10:00、新潟県新潟市にグランドオープンする。
ヨーロッパで10年の経験を持つパン職人・西方健さんが、地元素材を自然酵母と薪窯で焼いた、土地を表現するパンの新しい文化を提案する。
土地を表現する地域密着型ベーカリー

新潟市西区青山にオープンする「grains.」は、新潟の風土とヨーロッパの伝統技術を掛け合わせた、これまでにない地域密着型のベーカリーだ。
“土地を表現するパン”をテーマに、地元で育った小麦や素材を主役にしたパンを自然酵母とフランス式薪窯で焼き上げる。パンを通して、新潟の風土や生産者の物語まで伝えることを目指す。

同じ土地で育つ小麦の話を、生産者と共有する西方さん
シェフの西方健さんは、フランス・イタリア・ドイツなど、ヨーロッパで10年にわたり伝統的な製パン技術と地域ごとに異なる小麦文化を学んできた。古代小麦の扱いから、地力によって変わる香り・水分量・伸びといった粉の個性まで深く理解し、それぞれの“土地が生み出す味の違い”を体系的に習得。この経験を地元・新潟で生かし、新潟の食材の魅力を、パンを通じて伝える文化的な役割を担うために「grains.」を立ち上げた。
同じ風土が奏でるローカルガストロノミー

「grains.」は、「同じパンでも土地によって味が変わる」という視点を提示し、単なるベーカリーではなく、地域の恵みを語り、発信するローカルガストロノミーの拠点としての役割を担う。
西方さんは、種まきから小麦作りに積極的に参加。新潟の風土への理解が「grains.」 のパンづくりの出発点となっている。

同じ風土から生まれたもの同士は驚くほどよく合うという。これは、季節の野菜や果物、海や山の恵み、それらは同じ空気・水・土壌の中で育ち、小麦と深いところでつながっているとする“ローカルガストロノミー(Local Gastronomy)”という考え方だ。土地の個性が自然と響き合い、一緒に味わうほどに、その場所ならではの豊かさが立ち上がるのだ。
「grains.」では、新潟産小麦を中心に、地元の生産者から届く食材を選び、自然酵母で長時間発酵させることで、小麦そのものが持つ香りと力を最大限に引き出す。薪窯での焼成では薪の個性が熱となり、香ばしさ、力強い外皮、しっとりとした内層が生まれる。
販売予定のパンをチェック

grains.bread

食パン
「grains.」の代表的なパンは、土地の香りを強く感じられるカンパーニュ、越後平野の小麦を使った食パンなど。

grains.breadクルミ

青山の海風フォカッチャ
ヨーロッパで学んだ製パン文化を新潟で再構築する取り組みとして、本場基準のライ麦パンや古代小麦のパン、薪窯で焼くピッツァなども順次販売予定だ。

grains.breadレーズン

牛のつの
ラインナップはすべて、新潟の風土を起点にヨーロッパで学んだ技術を再構築するというコンセプトに基づいている。土地の風土を映すパンに加え、欧州の伝統と新潟の素材が交わる新しい味の提案にも挑戦する考えだ。

北国シナモンロール
また、商品に“どの土地の味わいなのか”を示すガストロノミー的アプローチが取り入れられている点も特徴だ。パンのテイスティング、料理との合わせ方、ちぎったときと切ったときで感じられる違いなど、楽しみ方を丁寧に提案する対面販売も行う。
土地とパンの関係を体験する店舗設計

店の中心には、フランス式の薪窯と工房を設置。薪窯と工房がよく見える店内はパンが焼ける過程を五感で感じられる空間に設計されており、パンが生まれるプロセスも“店の体験”として味わうことができる。

さらに、店内には地元の麦畑の地図、玄麦や粉の展示など、訪れた人が“土地とパンの関係”を理解できる教育的な要素も多数設置している。これにより、ただパンを買うだけではなく、この地域の食文化を学び、味わうための場所として体験価値を高めている。
「grains.」は、地域の食材とパンを通じて、新潟のテロワールを伝える拠点として成長していくことを目指す。今後は、生産者とのコラボレーションや季節の麦・野菜・果物を軸にした限定パンの開発、ワークショップやパンのテイスティング会など、食文化を学べるプログラムも展開していく予定だ。
新潟の土地の恵みが詰まったパンを味わいに「grains.」へ足を運んでみては。
■grains.
所在地:新潟県新潟市西区青山4-1-37
営業時間:月・木・金10:00〜18:00、土・日・祝8:00〜16:00(予定)
定休日:火曜、水曜
公式HP:https://grainsjp.wordpress.com
(夏木里緒)