
紫峰堂ワイナリー
常陸小田米を手掛ける筑波農場が、ワイン特区を活用した自然派ワイナリー「紫峰堂ワイナリー」を10月にオープン。醸造用ぶどうの栽培からワインの醸造・販売までを一貫して行う。
新たにワイナリー事業へ参入

茨城県産コシヒカリ「常陸小田米」
筑波農場は筑波山麓において、地域ブランド米「常陸小田米」の生産を中心に農業を営み、生産した農産物を加工・販売まで手掛ける6次産業化に積極的に取り組んできた。

これまでに、自社栽培米の米粉を活用したバウムクーヘンブランド「LA VORO」を展開。

LA VORO つくば

LA VORO 飯田橋
農業の新たな価値創造に挑戦してきた。
そして今回、これまで十分に活用されていなかった畑を有効活用し、醸造用ぶどうの栽培から醸造、販売までを行うワイナリー事業へ参入する。農業を「つくる産業」から「価値を創造する産業」へ。紫峰堂ワイナリーは、筑波農場が描く農業の未来を体現する新たな挑戦とのことだ。
農業の新たな収益モデルを構築
日本の農業は、生産者の高齢化や担い手不足、耕作放棄地の増加など、多くの課題を抱えている。
筑波農場では、農業が持続的に発展していくためには、生産だけではなく、加工・販売・観光までを含めた価値創造が必要であると考えている。そのため、農産物の生産を起点として新たな商品やブランドを生み出し、その価値を消費者へ直接届ける6次産業化を強みとしてきた。

紫峰堂ワイナリー

紫峰堂ワイナリーの店舗内観
紫峰堂ワイナリーでは、ぶどう栽培からワイン醸造、販売までを一貫して行うことで、農業の新たな収益モデルを構築。地域の魅力発信にも取り組んでいくとのことだ。
ワイン特区制度を活用
紫峰堂ワイナリーは、つくば市におけるワイン特区制度を活用して開設される。ワイン特区制度は、自ら栽培したぶどうを原料とする場合、通常よりも少ない製造規模でワイン醸造免許の取得が可能となる制度だ。この制度を活用し、自社栽培による醸造用ぶどうを使用し、小規模だからこそ実現できる高品質なワインづくりに取り組むとのこと。
また、筑波山麓特有の気候や土壌、風土を活かし、この土地ならではの個性を持つワインを生み出すことで、新たな地域ブランドの創出を目指す。ワインづくりを通じて農業と観光、食文化を結び付け、交流人口の拡大や地域経済の活性化にも貢献していくとのことだ。
自然派ワイン醸造家・美濃和駿氏のもとで研修

イタリアにて美濃和駿氏(中央)と小久保貴史氏(右)
紫峰堂ワイナリーの醸造は、イタリアで活躍する自然派ワイン醸造家・美濃和駿氏のもとで研修を積み、醸造技術や自然派ワインの哲学を学んだスタッフが担当する。

美濃和氏(左)と小久保氏(右)
美濃和氏は、イタリアの名門ワイナリー「La Stoppa」で経験を積み、その後自身のワイナリーを設立。現在もイタリアで自然との共生を大切にしたワインづくりを実践している。
紫峰堂ワイナリーでは、その思想を受け継ぎながら、人的介入を最小限に抑え、ぶどう本来の力を引き出す自然派ワインづくりに挑戦。その年の気候や土壌、微生物環境が生み出す個性を尊重し、筑波山麓のテロワールを表現したワインを目指すとのことだ。
農産物の魅力をワインという新たな形で発信
ワイナリー名である「紫峰堂」は、古くから「紫峰」と称される筑波山に由来している。日本百名山のひとつとして知られる筑波山は、古来より人々の暮らしや文化とともに歩んできた。その豊かな自然環境の中で育まれる農産物の魅力を、ワインという新たな形で発信することが、筑波農場の使命とのこと。
将来的にはワイナリー見学やテイスティング、地域食材とのペアリングイベントなども開催し、筑波の食と農業、観光をつなぐ交流拠点として発展を目指すとのことだ。
10月に開業予定の紫峰堂ワイナリーについて、チェックしてみては。
■紫峰堂ワイナリー
所在地:茨城県つくば市北条3898
開業:10月予定
(熊田明日良)