
江戸切子協同組合は、7月5日(日)を「江戸切子の日」として制定しており、この日に合わせ、東京都江東区の「江戸切子ショールーム」では、4月に開催された「第38回江戸切子新作展」の受賞者4名の作品展示を開始。
7月3日(金)~26日(日)には、職人たちが持ち寄った限定品100点以上を販売している。
ガラスの表面に細工を工夫する伝統的工芸品
江戸切子は、江戸時代後期の1834年に江戸大伝馬町のビードロ屋加賀屋久兵衛が、ガラスの表面に細工を工夫したのが始まりだそう。
以来、震災・戦災といった困難を乗り越えながら、現在へと受け継がれており、1985年に東京都の伝統工芸品、2002年には国の伝統的工芸品にも指定されている。
魚子文様にちなみ7月5日が江戸切子の日

7月5日は、江戸切子の日。
江戸切子の代表的な文様のひとつ「魚子(ななこ)」にちなみ、7と5を「ななこ」と読んだ語呂合わせに由来している。

伝統工芸である江戸切子には、代表的な文様が十数週類あり、魚の卵をモチーフとした「魚子」もその一つ。
魚子文様は、細かいカットが正確に交差をすることで均一に美しい”粒”が並ぶ、丁寧で精度のある仕事が必要な文様だ。

魚子文様のぐいのみ 高野秀德氏作
金工や織物にも見られる伝統的な和の意匠で、とてもシンプルな柄だが、それだけに職人の技量が試される難しいカットパターンの一つとされている。これに象徴される、細部までこだわり抜く職人魂の思いからも、この日が記念日に選ばれた。
職人の確かな技量と「ななこ」という言葉の響き。そして、懐石料理で器に用いられるなど、ガラスの季節でもある夏へ向けて、切子の輝きと一服の清涼感を届けたいという思いが込められている。
公式ショップにて「新作展」受賞作品披露

第38回江戸切子新作展受賞作展示
「江戸切子協同組合」は、毎年春に、切子職人の技術とデザインを競う作品コンテスト「江戸切子新作展」を開催している。「江戸切子新作展」は、東京都の伝統工芸品指定を機に始まり、多彩な江戸切子の発信とともに伝統工芸士への登竜門として、若手を育成する大切な舞台ともなっているという。
公式ショップ「江戸切子ショールーム」では、江戸切子の日に合わせて、本年4月に開催された「第38回江戸切子新作展」の受賞者から4名の作品を、約半年間の予定で展示している。いずれも今後の活躍が期待される30代以下の若手職人の作品なので、チェックしてみよう。

「共生(きょうせい)」山王丸まゆみ氏作
代表的な展示作品は、第38回第1位/経済産業省大臣官房商務・サービス審議官賞を受賞した、山王丸まゆみ氏の「共生(きょうせい)」。本作で山王丸まゆみ氏は、「江戸切子新作展」2度目となる第1位を受賞した。
山王丸まゆみ氏は、「建造物から生える蔓(つる)植物からイメージ。菊繋ぎを人工物に見立て、そこに絡まる植物、自然との共存を表現しました。」とコメントしている。
職人の限定品100点以上を販売

伝統工芸江戸切子ショールーム
また「江戸切子ショールーム」では、7月3日(金)~26日(日)の期間に特集スペースを設け、この日のために職人たちが持ち寄った限定品を販売している。
職人こだわりの限定作を始め、求めやすい価格を意識した品、一部素材などに個性ある品の特別提供品ほか、各工房・職人から委託された品は100点以上がラインナップ。限定品のため売り切れ次第終了となるので、興味のある人は早めに手に入れよう。
出品工房は、大場硝子加工所、門脇硝子加工所、さくまガラス加工、清水硝子、中宮切子工房、堀口切子、渡辺硝子加工場のほか、会期の途中から出品を予定している工房もあるとのことだ。
さまざまな変化と課題に直面sる江戸切子

職人の江戸切子製作風景
江戸切子は、コロナ禍において職人数が減少に転じ、近年の国際情勢を受けた原材料費の高騰や資材調達の難航など、現在産地ではさまざまな変化と課題に直面している。
江戸切子協同組合では、模造品やブランド侵害への対策として、公式な江戸切子の認証を実施。さらに、職人たちの大切な発表・販売の機会の提供としてショップの運用を始め、正規の職人たちが日々手作業で産み出している本物の価値と魅力を様々な形で伝えられるよう取り組んでいる。
7月5日の江戸切子の日に合わせて開催されている、若手職人の受賞作品展示や限定品販売フェアに足を運び、職人技を体感してみては。
■江戸切子ショールーム
住所:東京都江東区大島2丁目40番5号
営業日時:10時~18時
定休日:月曜日 ※月曜祝日の場合は火曜
江戸切子協同組合公式HP:https://www.edokiriko.or.jp
(山本えり)