
大分県由布市湯布院町のフレンチレストラン「Mélanger(メランジェ)」では、7月中旬頃まで、九重町の首藤正人氏が届ける希少な「夏鹿」をメインとしたコースを提供中だ。
食を通じて生産者とお客様をつなぐ目的地
2025年10月に開業したMélangerは、大分県産食材のみを使用し、「食を通じて生産者とお客様をつなぐ目的地」を目指すフレンチレストランだ。

シェフの立川卓氏は湯布院町出身で、竹田市「オステリア・エ・バー・リカド」を経て渡仏。フランス・シャブリ地方の「オ・フィル・デュ・ザング」にて研鑽を積んだ経歴を持つ。
帰国後は湯布院「カフェ・ラ・リューシュ」のメニュー開発、別府市「おぐら 塔真」の立ち上げ・店舗運営全般に携わり、料理だけでなく店舗づくりやサービスまで幅広く経験。2025年10月、地元・湯布院に自身の集大成となるフレンチレストラン「Mélanger」を開業した。
由布岳を望む、カウンター6席だけの空間

シェフの立川氏にとって、湯布院は幼少期を過ごした原風景の場所だ。
「湯布院で店を開くなら、由布岳が見える場所で。」その想いだけは譲れず、現在の店舗と出会うまで約2年を費やした。
店内を彩る左官、器、椅子などは、大分県内で活躍する作家たちによる手仕事。シェフが想いを伝え、細部は作家それぞれの感性に委ねることで、由布岳の景色と調和する、洗練されながらも温もりある空間となっている。
また、カウンター6席だからこそ生まれる、料理人との会話やライブ感も「Mélanger」ならではの魅力だ。
大分県産食材だけで描く一皿

「Mélanger」で提供するのは、大分県産食材のみで構成したフレンチのコース。シェフ自ら県内各地へ足を運び、生産者との対話を重ねながら、その日に最も良い状態の食材だけを仕入れている。
ジビエは、隣町・九重の樂樂ジビエ食肉処理施設首藤正人氏からの、信頼の厚いジビエを使用。
鮮魚は、日出町の市場へ自ら赴き、確かな目で選んだ旬の魚を自ら締め、最適な処理を施している。
野菜・山菜は、湯布院の川や山に自生するものをシェフ自ら採取するほか、地元農家が育てるアスパラガスや、温泉地熱を利用した有機栽培のいちごなどを使用。
由布環境農園の無農薬小麦で作る自家製パンは、すでに多くのゲストから好評を博しているという。
こうして集められた食材は、それぞれの個性を尊重しながら、フランス料理の技法で一皿へと昇華される。
初夏だけの希少食材「夏鹿」
開業から約半年が経ち、初めて迎えるこの夏、「Mélanger」では希少な「夏鹿」をメインとしたコースを提供中だ。
一般的に鹿肉は秋冬のイメージがあるが、実は初夏の雄鹿は、この時期ならではの魅力を持つ食材だ。
春に角が抜け落ち、生え変わるまでの初夏は繁殖期前にあたり、雄鹿はこの時季だけ脂が乗る。しっとりと柔らかな肉質と透明感のある風味は、多くの料理人がこの季節を待ち望む理由の一つでもある。
「Mélanger」で使用する鹿は、隣町の九重にある、樂樂ジビエ食肉処理施設の首藤正人氏から届くジビエを使用。
動物の習性を深く理解し、一頭一頭と真摯に向き合いながら狩猟を行い、迅速かつ丁寧な処理を施すことで、鹿本来の旨味を最大限に引き出している。
「ジビエの価値を高めたい」。首藤氏とシェフが同じ想いを持つからこそ実現できる、この時季だけの一皿となっている。
料理を引き立てるペアリングコースも開始予定

今夏からは、4名以上で利用のゲストを対象に、料理に合わせたペアリングコースの提供も予定している。
大分県佐賀関の酒屋「タマルヤ」がセレクトするマキコレワインをはじめ、大分ゆかりのワインも取り入れながら、一皿ごとの余韻をより深く楽しめる食体験を提案する。
アルコールを飲まない人には、大分県耶馬渓「蛍茶園」の無農薬茶など、料理に寄り添うノンアルコールの飲み物も用意されている。
別荘・貸別荘への出張シェフにも対応
夏の避暑地として親しまれる湯布院には、多くの別荘や貸別荘がある。「Mélanger」では店舗での食事に加え、自宅はもちろん、別荘や貸別荘への出張シェフの相談も受けているという。
この夏、「Mélanger」の料理を味わってみては。
■Mélanger
住所:大分県由布市湯布院町川北242-1
営業時間:昼12:00スタート(完全予約制)/夜18:00または18:30スタート(完全予約制)
金額:コース8皿~9皿 16,500円(税込み)
席数: カウンター6席
Instagram:https://www.instagram.com/yufuin_melanger2024
(オガワユウコ)