─ 一般社団法人インパクトマネジメント実践機構(AIIM)。国際標準のインパクト測定・マネジメント(IMM)を、日本・アジアの投資実務へ ─
一般社団法人インパクトマネジメント実践機構(英名:Asia Institute for Impact Management Practice、略称:AIIM、代表理事:須藤奈応)は、2026年4月、アジアにおけるインパクトマネジメントの「知と実践の橋渡し」を担う専門組織として設立いたしました。
本法人は、3,000以上の投資機関が賛同するグローバルネットワークであるImpact Frontiers(米国・ボストン)と連携し、同団体の知見・プログラムを基盤として、国際標準のインパクト測定・マネジメント(IMM)の知見を、日本およびアジアの投資家・金融機関・事業会社の意思決定の現場に届けてまいります。
その際、単なる知見の移転や逐語的な翻訳にとどまらず、背景にある前提や理論を踏まえ、地域の文脈に即して実務に機能する形へと再構成する──私たちはそのような営みとして「翻訳」を捉えています。あわせて、グローバルとアジアの実践知を往復させることで、双方向の学習と進化を促進していきます。
7月3日(金)には設立を記念したレセプションを開催いたします。

■ 設立の背景
近年、アジアを中心とする新興地域では、社会課題の複雑化とビジネスによる解決への期待の高まりを背景に、インパクト投資や社会価値創造に取り組むプレイヤーが急速に増加しています。 一方で、現場で意思決定を担う投資家・起業家・金融機関などの実務家が、共通言語としてのインパクトマネジメントを十分に活用できているとは言い難いのが現状です。こうした背景には、国際的フレームワークを実務に機能する形へと翻訳し、投資家や事業会社の意思決定の質を高める知的基盤の整備、セクター横断のネットワーク形成の不足が挙げられます。これらが、地域全体のインパクト投資エコシステムの成長を阻む課題となっています。
こうした機能は、いずれも地域の市場環境や制度、文化への深い理解を前提とするものです。だからこそ、Impact Frontiersをはじめとする国際的な知見を適切に翻訳・再編集するとともに、地域の文脈に即して再構成し、投資家・企業・学術界・政府・市民社会といった多様なステークホルダーと協働しながら、地域に根ざした実践者コミュニティを育てる専門組織が求められています。
AIIMは、この役割を担うために設立されました。3,000以上の投資機関が賛同するグローバルネットワーク Impact Frontiersと連携し、その国際的な知見と実績を基盤としながら、アジアにおける「知と実践の橋渡し」を担ってまいります。
■ AIIMが目指すもの
AIIMは、インパクトマネジメントを単なる知識やフレームワークとしてではなく、「投資家・企業の意思決定の質を高めるための実践」と捉えています。
そのため、国際的な知見を日本およびアジアの市場環境や実務の文脈に即して、単なる知見の移転や逐語的な翻訳にとどまらず、背景にある理論や前提条件を踏まえ、実務に機能する形へと再構成する──そうした意味での「翻訳」を重視しています。
これにより、実務家が自らの意思決定の中でインパクトを的確に捉え、活用できる状態を目指します。また、トレードオフやデータの限界とも誠実に向き合えるよう、学びと対話の場を育んでいきます。さらに、グローバルとアジア間で実践知の往還を生み出し、知を一方向に移転するのではなく、異なる文脈のなかで問い直し、再定義し続けていきます。
こうした活動の土台として、 AIIMは、以下の考え方を「法人としての哲学」として大切にしています。
法人としての哲学

■ 主な活動内容
AIIMは、フィールドビルディング・実践型ワークショップ・調査の3つの活動を通じて、アジアにおけるインパクトマネジメントの実践基盤づくりに取り組みます。
これらは、個別の知識やスキルの提供にとどまらず、市場全体の学習能力を高めていくためのものです。その意味でAIIMは、単なる研修機関や調査機関ではなく、実践知の循環を生み出し、市場の進化を支える基盤的な役割を担います。
- フィールドビルディング活動
投資家・事業会社のネットワークと協働し、インパクト投資や事業の実行に必要な実践知の形成、情報提供、ワーキンググループを通じた議論の推進を行います。
- 実践型ワークショップ活動
Impact Frontiersの教材を基盤に、欧米で培われた最新の知見と整合しつつ、アジアの市場環境や投資実務に即した実践型の学びの機会を提供します。
- 調査活動
インパクトマネジメントに関する各種調査研究を実施し、実務から得られる知見の体系化と発信に取り組みます。
あわせて、イベント登壇、寄稿、国際カンファレンスでの知見共有を通じてエコシステムに貢献します。
■ 設立に寄せて
須藤 奈応(代表理事、AIIM/ Director, Impact Frontiers)

「インパクト投資が拡大する一方で、その質を左右するインパクトマネジメントの実践は、依然として個別の努力に依存しているのが現状です。特にアジアにおいては、世界で進展する知見と、各現場の意思決定との間に大きなギャップが存在しています。
AIIMは、Impact Frontiersをはじめとする国際的な知見を、アジアの市場環境や実務に即した“使える形”へと「翻訳」し、実装していくことを使命に設立されました。私たちは、グローバルで培われた知を単に移転するのではなく、アジアから実践知として再編集し、再び世界へと還元していく。その循環を生み出すことで、インパクトマネジメントの次の発展に貢献していくことを目指しています。」
Mike McCreless 氏(Executive Director, Impact Frontiers)

「インパクトマネジメントの分野はここ数年で大きく進展してきましたが、その多くは欧米を中心に発展してきました。今後、この分野が次の段階へと進むためには、急速に成長するアジア市場において、実務に根ざした形でどのように適用され、発展していくかが鍵になります。
AIIMの設立は、こうした課題に対する非常に重要な一歩です。Impact Frontiersとしても、これまでに培ってきた知見やフレームワークが、アジアの多様な市場環境や投資実務の中で実践され、新たな学びが生まれていくことを強く期待しています。AIIMとともに、グローバルとアジアの双方向の学習を推進できることを嬉しく思います。」
〔スポンサー企業より〕
株式会社かんぽ生命保険(執行役 運用企画部長) 野村 裕之 氏
「一般社団法人インパクトマネジメント実践機構の設立、誠におめでとうございます。
インパクト投資への関心の高まりとともに、社会課題の解決に向けた意図や成果を的確に捉え、実務に活かす重要性は増しており、当社がインパクト投資を推進する中でも、この視点は日本およびアジアのインパクト投資市場の健全な発展に欠かせないものと実感しております。
国際的な知見を現場の実態を踏まえて実践へと結びつけていくというAIIMの理念は、現場に携わる立場として大変心強く、IMMに関する知見供給や国内外の投資家の取り組みを支える存在として、今後の一層のご発展を心よりお祈り申し上げます。」
■ 設立記念レセプションのご案内
インパクトマネジメントに関心を寄せる、あるいは実際に取り組む実務者の皆さまが立場を超えて交流する、設立記念レセプションを開催いたします。
AIIM設立記念レセプション
日時:2026年7月3日(金)18:00-20:00
会場:磯村ビル3階 官民共創HUB(〒105-0001 東京都港区虎ノ門1丁目1-3)
内容:当日は、AIIM設立趣旨等のご案内・ご来賓の方々からのご挨拶に加え、参加者同士での交流の時間を設けております。また、先立って同日に開催される実務者会合「AIIMダイアローグ」で交わされた議論の内容についても、一部ご紹介する予定です。
参加対象:インパクトマネジメントに関心のある、または既に取り組む金融機関・機関投資家・事業会社の実務担当者、研究者、政策関係者 など
お申込み:こちらのフォームよりお申し込みください。会場の都合上、参加人数に限りがあるため、参加確定後にご連絡いたします。
■ 法人概要
法人名:一般社団法人インパクトマネジメント実践機構
(Asia Institute for Impact Management Practice (AIIM))
法人形態:一般社団法人(非営利型)
設立:2026年4月
代表理事:須藤奈応
理事:富澤由佳、田中悠太
所在地:〒150-0044
東京都渋谷区円山町5番3号 MIEUX渋谷ビル8階
▶ 団体概要資料ダウンロード
■ Impact Frontiersについて(母体組織)
Impact Frontiers(法人名:Bridges Impact Foundation)は、2015年に設立された米国マサチューセッツ州ボストンを拠点とする501(c)(3)非営利団体です。インパクト投資を志す投資家がともに学び、インパクト投資市場を協働で形成していくことを目的に、北米・欧州・アジアにおいてインパクト投資及びIMMの実践支援、研修事業、投資家ネットワークの形成等を展開しています。もともとは財務とインパクトを統合した「インパクト・フロンティア」を模索する12のインパクト投資家の協働事業としてスタートし、後にImpact Management Project(IMP)と統合。現在は3,000以上のインパクト投資機関や標準化団体が賛同するグローバルネットワークとして、IMPによって開発されたリソースや知見をインパクト投資家へ幅広く提供しています。
■ AIIM理事プロフィール
代表理事 須藤奈応(すどう・なお)
慶應義塾大学卒業後、2005年に東京証券取引所(現日本取引所グループ)に入社し、上場会社の適時開示や新規事業開発に従事。ペンシルベニア大学ウォートン校MBA留学中に社会的インパクト投資を専門とする機関でインターンを経験。2022年1月よりImpact FrontiersにてDirectorを務め、グローバルなカリキュラム開発担当。Global Impact Investing Network(GIIN)シニアアドバイザー(日本担当)、慶應イノベーション・イニシアティブIMMアドバイザー、一般社団法人ImpactShare代表理事。日経文庫「インパクト投資 入門」著者。The Wharton School MBA。
理事 富澤由佳(とみざわ・ゆか)
2015年にREADYFOR参画し、マーケティング責任者や地方創生事業、採用責任者を歴任。2022年10月より経済産業省 新規事業創造推進室に出向し、スタートアップ関連の政策広報を担うとともに、インパクトスタートアップ支援策の立ち上げを主導。国内初のインパクトスタートアップ育成支援プログラム「J-Startup Impact」では、制度設計からPRに至る一連のプロジェクトを遂行。2023年12月に同社へ帰任し、現在はCEO室にて全社横断プロジェクトを推進。京都大学経済学部卒。
理事 田中悠太(たなか・ゆうた)
2009年に日揮入社。機械系技術者として複数の海外プラント設計に従事した後、投資部門へ異動し中東での発電事業やアフリカ・インド向け海水淡水化事業の開発等を経験。2019年より廃プラスチックの資源循環に関わる新規事業開発を担当し、国際ルールメイキングの一環として水素製造/GHG排出算定の国際標準(ISO)策定にエキスパートとして参画。社内新規事業提案制度の導入を主導するほか、社外では新興国に関わるスタートアップ支援、藝術と技術の対話(DAT)プロジェクト、サスパ/SUSPERなどで活動。中小企業診断士。横浜国立大学大学院工学府修了。
■ 本件に関するお問い合わせ先
一般社団法人インパクトマネジメント実践機構(AIIM)
担当:AIIM事務局
E-mail:info@aiim.asia