第一線で活躍するアーティストとSPACが創作する3作品。幅広い観客へ、今を生きる力となる演劇を届ける「秋のシーズン」10月開幕!

SPAC-静岡県舞台芸術センターの「秋のシーズン2026-2027」では、毎年10月から3月にかけて古今東西の名作を現代の演出でお届けしています。今シーズン開幕を飾るのは、多田淳之介の台本・演出による『伊豆の踊子』。川端康成の小説発表100周年となる今年、2023年に「観光演劇」として初演し好評を博した人気作が待望の再演を迎えます。続く瀬戸山美咲の台本・演出による『ニホンジン』は、ブラジル日系三世の作家オスカール・ナカザトの小説を舞台化する新作。20世紀初頭に日本からブラジルに渡った家族3世代にわたる物語が舞台に描かれます。静岡にゆかりのある文学、そして静岡とも関わりのある日系ブラジル移民の物語から、現代を生きる私たちに普遍的な問いを投げかける作品です。
さらに2027年1月からは、舞台美術家の深沢襟が作曲家・音楽家の額田大志(ヌトミック)とともに創作する『星の王子さま』をお届けします。“インクルーシブ”をキーワードに、舞台美術や音楽の多彩な効果が作品世界で躍動する新作です。

多田淳之介
瀬戸山美咲
深沢襟
SPAC秋のシーズン2026-2027
―きょうを生きるあなたとわたしのための演劇―
#1 『伊豆の踊子』
2026年10-11月|静岡芸術劇場
#2 『ニホンジン』【新作】
2026年11-12月|静岡芸術劇場、2027年1|沼津、2月|浜松
#3 『星の王子さま』【新作】
2027年1-3月|静岡芸術劇場
< きょうを生きるあなたとわたしのための演劇 >

石神夏希(アーティスティック・ディレクター)
地域の中で埋もれている「聴かれにくい声」に耳を澄ませること。
多田淳之介さん演出『伊豆の踊子』は伊豆半島の魅力を詰め込んだ「観光演劇」としての華やかさが魅力ですが、差別を受けながら流浪する踊子たちの生き様にも光を当てています。瀬戸山美咲さんがポルトガル語で書かれた小説をもとに戯曲を書き下ろす『ニホンジン』はブラジル現地での取材も行い、国内ではあまり知られていない、日本から地球の裏側へと渡った移民の人々の物語を届けてくれます。舞台美術家でもある深沢襟さん演出の『星の王子さま』は、不確かさや弱さが排除されやすい世界(そして劇場空間)を子どものまなざしから問い直すインクルーシブな舞台です。
劇場に来たことがない人に「わたしにも関係のある場所かもしれない」と感じていただける。そんなシーズンになることを願っています。
【SPAC秋のシーズン2026-2027 ラインアップ詳細】
『伊豆の踊子』
台本・演出:多田淳之介 作:川端康成
映像監修:本広克行
出演:山崎皓司、河村若菜
大内智美、春日井一平、加藤幸夫、桜内結う、舘野百代、ながいさやこ、布施安寿香、本多麻紀、三島景太、渡辺敬彦

『伊豆の踊子』ビジュアル
役者×映像×ポップミュージックが融合する、新感覚の「観光演劇」
小説発表から100周年、観れば旅したくなるーーー
ノーベル文学賞作家・川端康成の初期の代表作で、今年発表100周年を迎える『伊豆の踊子』。静岡県東部・伊豆地域を舞台とする名作を、2023年、古典から現代戯曲、ダンスなど幅広いジャンルを横断する多田淳之介の演出で「観光演劇」として舞台化。静岡劇術劇場を皮切りに、伊豆下田まで県内5会場を巡演し好評を博しました。
孤独から逃れるため、ひとり修善寺から下田まで旅する青年。その道中で出会った踊子の少女に心を惹かれ、一座と旅をともにするなかで、青年の歪んだ心は少しずつ解きほぐされていくが、やがて別れの時が訪れ――。
原作『伊豆の踊子』の青年の視点に、他の川端作品から紐解いた旅芸人たちの物語が重ねられ、そこに生きる人々と出会った青年の心の変化とが多層的に描かれます。舞台の背景には、映画監督の本広克行の監修のもと伊豆で撮り下ろした風光明媚な映像が映し出され、演歌からJ-POP、ラップに彩られたライブさながらの演出が幅広い観客を惹きつけ、旅情を誘います。
【多田淳之介|演出家コメント】
旅のSPAC一座の舞台『伊豆の踊子』は、小説の物語と現地映像、そして小説ではほとんど描かれない旅芸人たちマイノリティの視点から生まれたドラァグクイーンやラップのライブを引っ提げて、静岡、修善寺、下田、沼津、浜北での劇場上演、ご当地河津町の河津桜まつりでの野外上演、修善寺温泉宿でのお座敷上演、昭和女子大学人見記念講堂での東京特別上演と、初演の2023年から毎年場所を変えバージョンを変え「ドサ回り」を続けてきました。そして小説『伊豆の踊子』執筆100周年に合わせ再び静岡に帰ってきます!初演では上演毎に増えていった客席のペンライト、今年はオリジナルペンラを作りたい!皆様と再びこの旅をご一緒できますこと、幸せの極みでございます。

『伊豆の踊子』(C)️K.Miura
『伊豆の踊子』(C)️K.Miura
『ニホンジン』【新作】
上演台本・演出:瀬戸山美咲
オスカール・ナカザトの小説に基づく
翻訳:武田千香(水声社、2022年)
Copyright (C) 2011 by Oscar Nakasato|Japanese language theatrical adaptation licensed by Oscar Nakasato c/o LVB&Co. Agencia e Consultoria Literaria, former Villas-Boas & Moss Literary Agency, Rio de Janeiro, through Tuttle-Mori Agency, Inc., Tokyo
◆全公演 ポルトガル字幕あり
根を張り、生きていく。そこが、私たちの「ニホン」。
20世紀初頭、日本からブラジルへ渡った家族の3世代にわたる物語
ブラジル日系三世の作家オスカール・ナカザトがポルトガル語で書き、ブラジルの芥川賞と呼ばれるジャブチ賞を受賞した小説を、演劇からミュージカルまで幅広く活躍する瀬戸山美咲の台本・演出で舞台化します。
1910年代、成功を夢見て移民船でブラジルへ渡ったヒデオ。しかし待ち受けていたのは、広大なコーヒー畑と過酷な現実だった。故郷への帰還を胸に、ヒデオは「日本人」であることにこだわり続けるが、子や孫たちはこの地で自らの生き方を模索し――。
国や民族とは何か、アイデンティティとは何かーー、逞しく生きる「ニホンジン」の姿は私たちの心を揺さぶり、分断と対立の加速する現代社会において、文化の異なる他者とどう生きていくのか、私たち一人ひとりに投げかけます。
出演俳優は14名、SPACの俳優陣に加え、瀬戸山との創作経験がある鍛冶本大樹(キャラメルボックス)、浜野まどか(ミナモザ)がSPACに初出演し、また『楢山節考』に共演したチェリストの五十嵐あさかの生演奏が舞台を彩ります。
【瀬戸山美咲|演出家コメント】
オスカール・ナカザトさんの原作に触れ、ブラジルに行って日系移民のみなさんに出会って、わたしの見えている世界は変わりました。これまでわたしは日本人というものを狭い範囲で捉えていたと思います。しかし、ブラジルだけでなく世界中に日本ルーツの人がいて、その子孫が再び日本に戻ってきて新しいコミュニティを築いていることを目の当たりにし、民族で線を引くことの無意味さを感じました。移動する人は、つなぐ人です。移民のみなさんについて想像することは、このナショナリズムで行き止まった世界を変えていく可能性があります。まずはみなさんの世界に小さな変化を起こせるように。力強くて繊細な作品をつくりたいと思います。

瀬戸山美咲演出『楢山節考』photo by M.Hirao
第1期稽古のようす

2026年6月ブラジルにて オスカール・ナカザト氏と瀬戸山美咲(右)、石神夏希(左)
『星の王子さま』【新作】
構成・演出・舞台美術:深沢襟 / 音楽:額田大志
原作:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
出演:石井萠水、大高浩一、木内琴子、榊原有美、杉山賢、鈴木真理子、武石守正、本多麻紀、牧山祐大、若宮羊市 (五十音順)
砂漠に不時着した飛行士が、ほかの星からやってきた小さな王子と出会う物語を描いた、サン=テグジュペリの児童文学。人生の謎にヒントを与えてくれる奥深いストーリーや、「たいせつなことは、目に見えない」というメッセージは、世界中で愛され、多くの言語に翻訳され読み継がれています。
SPACで数々の舞台美術を手がけるほか、インクルーシブシアターの演出も務める深沢襟は、変幻自在な舞台美術を用いて、何気ない日常からまだ見ぬ世界への入口を自在に生み出します。演劇と音楽を独自の視点で融合する額田大志(ヌトミック)との初タッグで、”インクルーシブ”であることを起点に、視覚的・聴覚的な効果を舞台の演出に取り込み、美しさと驚きに満ちた物語世界を創造します。
【深沢 襟|演出家コメント】
私たちは、いつから世界を「見えるもの」だけで捉えるようになったのでしょうか。
空を見上げなくなったとき、
押入れの秘密基地から出たとき、
どうしてを言わなくなったとき、
夜が怖くなくなったとき。
「星の王子さま」は、遠い星からやってきた少年の物語です。
けれど、これは今を生きる「私たち」の物語でもあるのだと思います。
出会うこと。
思いやること。
失うこと。
そして、失ってもなお、心の中で思い続けること。
少年の旅を見つめながら、かつての自分と出会い、
自分の中に置き忘れていたものがもう一度そっと動き出す。
「大切なことは、目に見えない」
見えないものに、心を澄ませる。
この作品が、私たちにとっても、見えないものを感じる心、そして想像する力を思い出すための旅になればと思います。

深沢襟演出『ちかくにあるとおく~鏡の国のアリスより~』photo by M.Hirao
寺内亜矢子 演出/深沢襟 舞台美術デザイン『鏡の中の鏡』photo by 西野正将
関連企画は、SPAC公式サイトをご覧ください。
チケット
■チケット発売日[全席指定]
『伊豆の踊子』 ・ 『ニホンジン』(静岡公演) 8/30(日)より 一般前売り開始!
『ニホンジン』(沼津・浜松公演)・ 『星の王子さま』 11/8(日)より 一般前売り開始!
●料金
一般:4,600円
SPACの会個人会員一般:3,900円
障がい者割引:3,200円
U25・大学生・専門学校生:2,200円、 高校生以下:1,100円
※未就学児の入場不可 (親子室・託児サービスあり)
●お問い合せ・チケット購入方法
[全公演]*
SPACチケットセンター TEL:054-202-3399 (10:00~18:00、休業日を除く)
ウェブ予約 https://spac.or.jp/ticket
窓口販売 静岡芸術劇場チケットカウンター (10:00~18:00、休業日を除く)
[沼津公演]*上記に加え
沼津市民文化センター チケットコーナー 電話:055-933-2059 (受付時間9:00~18:30)
[浜松公演]*上記に加え
アクトシティチケットセンター 店頭販売のみ(受付時間10:00~19:00)
HCFオンラインショップ https://www.hcf.or.jp
■SPAC秋のシーズン2026-2027
主催・製作:SPAC-静岡県舞台芸術センター、静岡県芸術祭共催事業
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
一般財団法人地域創造(『ニホンジン』に対し)
共催:沼津市、公益財団法人沼津市振興公社(『ニホンジン』沼津公演に対し)
後援:公益財団法人浜松市文化振興財団(『ニホンジン』浜松公演に対し)
協力:国際交流基金(『ニホンジン』に対し)
お問い合わせ:SPAC-静岡県舞台芸術センター
TEL:054-203-5730(静岡芸術劇場) mail@spac.or.jp