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味の素株式会社

―「60歳以降の就業及び健康」に関する意識・実態調査― 40代、50代の6割以上が60歳以降も働き続けたい 40代-70代が考える60歳以降の就業における不安の第1位は雇用先よりも『体力』

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~高齢者の就業は健康寿命の延伸だけでなく、人生を豊かにする?!体力の維持向上は、ロコモ予防を意識した食習慣がポイント~

厚生労働省から、2015年10月21日(水)に「高年齢者の雇用状況」集計結果が発表され、高齢者の雇用環境の整備が進む現状が明らかになる中、味の素株式会社(東京都中央区)では、全国の40代~70代の男女計2,000名を対象に実施した「60代以降の就業及び健康」に関する意識と実態のインターネット調査について結果をまとめました。

調査の結果、40代、50代の6割以上の人が60歳以降も働き続けたいという意向を示した一方で、40代から70代の 6割の人が60歳以降の就業に対する不安のトップに体力面への不安を挙げており、また60代、70代では筋力の低下に懸念を示す割合が高いなど、高齢者が就業に関して体力、健康面で不安を抱える実態が明らかになりました。加えて40代と比べて、60代、70代では、人との出会いやつながりを大事にしたい、社会や地域に役立ちたいという思いが強く、さらに60歳以降も働いている人の方が、リタイアしている人よりも、達成感ややりがいを求めるなど、人生に対して高い意識をもっていることから、高齢者の就を支援することが生活の充足感をみたし、QOL(生活の質)の向上や健康寿命の延伸につながることが示唆されました。

■主なトピックス

『60歳以降の就業意向』について、40代、50代の6割以上が60歳以降も働きつづけたいと回答。
40代-70代が考える、『60歳以降の就業に対する不安』の第1位は「体力が続かない」で6割、「雇用先が見つからない」の2倍。
60代、70代では、足や腕の筋力、握力の低下を実感、体力面での懸念が明らかに。
40代-70代におけるロコモの認知度は4割程度で、メタボの9割の1/2、予防対策も進んでおらず、栄養摂取に課題。
『人生観や価値観』は年代間での違いが明らかに。60代、70代は「社会や地域に役立つ人生を送りたい」、「人との出会いやつながりを大事にしていきたい」、一方で40代、50代では「仕事など、人生で成功を収めたい」、「金銭的に豊かな生活を送りたい」。

40代、50代で60歳以降も働き続けたい人は6割以上。

『60歳以降の就業意向』に関して、40、50代の「働きたい」、「どちらかといえば働きたい」と考えている人の合計は、6割以上。また男女別で見ると、40~60代男性では 約7割が働きたい意向を示しました。

『リタイアした年齢』について、60代、70代の人がリタイアした年齢は平均62.8歳、『何歳まで働くと思うか』との設問には、60代、70代でまだリタイアしていない人は平均70.7歳まで、40代、50代では平均62.5歳まで働くと思っており、年代間で違いがみられました。

40代-70代が考える、60歳以降の就業に関する不安の1位は「体力」で6割以上、次いで「健康 維持」。「雇用先が見つからない」などの雇用環境よりも体力・健康に対する不安が上位に。

『60歳以降の就業に関する不安』について、全体のトップは「体力的に続けられない」、次いで「健康を維持する」が上位に並び、「雇用先が見つからない」は4位、「自分に向いている仕事がない」は5位、と体力面での不安が高い傾向を示す結果となりました。年代別で見た場合、40代、50代では約7割が体力面の不安を示しました。

また、『体力の衰え』に関する設問においては、5年前に比べると8割の人が、10年前と比べると9割の人が「衰えを感じている」と回答しています。

60歳以降の就業で体力面が不安とされる中、60代、70代では「足の筋力の低下」、「握力の低下」など筋力の低下を実感し、「足腰が弱くなった」などロコモティブシンドロームになりやすい傾向に。

60歳以降の就業不安に続き、現在の健康実態を把握するため、『身体で気になること』について年代別で見たところ、60代、70代では、40代と比べて「足の筋力の低下」や「握力の低下」が、70代では「腕の筋力の低下」についても高い値を示し、一方で40代では、60代、70代と比べて「疲労感・疲れやすい」が高い傾向にありました。

また『5年前と比べて身体に起きていること』については、60代、70代では、筋肉の低下などからロコモティブシンドロームになりやすい状態が懸念されていますが、本調査でも、60代、70代において、「足腰が弱い」、「つまずくことが多い」、「片足立ちで靴下がはけない」などで3割を超える結果となっています。

高齢者研究の第一人者である、鈴木隆雄氏(桜美林大学 加齢・発達研究所所長、 大学院教授)コメント
「加齢に伴う心身の機能の減弱は避けられるものではありません。ただ、危険な“老化サイン”を見逃さずに予防をすることが重要です。今回の調査でも、60代、70代の3~4割程度の人が、5年前と比べて「足腰が弱い」、「つまずくことが多い」、「歩くスピードが遅い」、「片足立ちで靴下がはけない」と感じていることを示しています。これらは、寝たきりになりやすい転倒のもっとも危険なサインといえます。また今回の調査は、インターネットで行っていることから、60代、70代でも比較的元気な方にサンプルが偏っている可能性があります。偏りを考慮すると、実際には、老化サインが出ている人はもっと多く存在している可能性が高いということです。60歳以降も、筋肉、骨、関節を維持して元気で働ける状態を長く保つためには、これらのサインに早く気づき、どのようなリスクがあるのかを見極め、適切に対処することが必要になります。」

40代-70代において、ロコモはまだまだ知られていない、メタボの認知の1/2程度。

ロコモティブシンドロームについて、その認知率、内容理解率をメタボリックシンドロームとともにたずねたところ、ロコモはメタボの認知率、内容理解率を大幅に下回り、まだまだ知られていない実態が明らかになりました。

40代-70代で、筋力・筋量の低下を含むロコモよって引き起こされる『寝たきり』について、将来その不安を抱く人は7割以上。その一方で、何も予防対策を行っていない人は4割以上。特に「たんぱく質摂取」など栄養面での意識は低く、予防行動にも課題。

加齢とともに、筋力・筋量の低下を含むロコモの症状が進み、寝たきりになる可能性が懸念されます。そこで『将来、寝たきりになることへの不安』について聞いたところ、全体の7割が不安であると回答しています。

一方で『寝たきりの予防として行っている対策』については、「行っていることはない」と答えた人が最も多く、4割を超えています。また「意識的に歩くようにしている」が4割程度となっている一方、栄養摂取では、「5大栄養素」、「たんぱく質」の摂取が1割程度にとどまり、 栄養摂取における課題が示唆されました。

栄養面での課題が懸念される中、60代・70代においては、5年前と比べて「食べる量が減った」、 「肉を食べる量が減った」など、食習慣の変化が明らかに。

『5年前と比べた食習慣の変化』について、60代、70代になると「食べる量が減った」、「肉を食べる量が減った」 などの項目で40代、50代に比べて高い結果となりました。筋肉をつくるためには、肉や魚などに多く含まれる良質なたんぱく質の摂取が欠かせません。しかし調査からは高齢者の課題であるたんぱく質の摂取不足の懸念が示唆されることとなりました。

『健康を維持したい理由』は、年代間で違いが明らかに!60代、70代は「自立した生活」や「周りへの心配をかけたくない」、40代、50代は「働き続けたい」、「働き続ける必要がある」。

『健康を維持したい理由』について聞いたところ、年代間によって異なり、60代、70代では、40代、50代よりも「自立した生活」や「迷惑を掛けたくない」の割合が高く、また40代、50代はでは、働くことを理由に健康を維持したい割合が多いことが明らかになりました。

『人生観や価値観』も年代間での違いが明らかに。60代、70代は「社会や地域に役立つ人生」、「人との出会いやつながりを大事に」に対し、40代、50代は「仕事など、人生で成功を収めたい」。

『人生観や価値観』について、60代、70代は40代と比べて「社会や地域に役立つ人生を送りたい」、「人との出会いやつながりを大事にしていきたい」など、社会とのかかわりに関する項目で意識が高く、一方で40代、50代では他の年代に比べて「仕事など、人生で成功を収めたい」、「金銭的に豊かで、ぜいたくな暮らしがしたい」といった個人的な暮らしに関する意識が高くなっており、年代間における違いがみられました。

特に男性60代、70代で、現在、“働いている人”と“リタイアしている人”を比べた場合、“働いている人”の方が「常に人生で挑戦していきたい」など人生に対する意識が高く、価値観の違いが明らかに。

男性60代、70代で、現在働いている人とリタイアしている人を比べたところ、働いている人の方が「達成感ややりがいを感じられる人生を送りたい」、「常に人生で挑戦していきたい」などの項目で高い結果となりました。


鈴木隆雄先生コメント
「超高齢社会において、高齢者の人材活用は今後の社会において重要なテーマの一つです。今回の調査結果では、60歳以降の就業において“体力面に不安がある”と回答した方が全体の6割を占めており、高齢者雇用を推進していく上では、体力面の維持向上が、大変重要であることが示唆されます。

加齢に伴う体力の衰えはさけられるものではありませんが、適切な対処や予防を行うことで軽減することができます。しかし、調査結果から、この予防に関して大きな課題があると感じます。寝たきりの予防対策は、4割以上の人が何も行っていないと回答されたほか、予防対策をおこなっている人の中でも4割の人は“普段から歩く”ようにしているが、“たんぱく質やミネラル類など健康づくりに必要な栄養摂取”を意識している人は1割程度と低くなっています。この傾向から、運動だけではなく、加齢とともに必要とされるたんぱく質摂取をはじめ、栄養摂取についても意識を向上させ、予防行動への移行が急務であると考えています。

働くことで達成感ややりがい、挑戦したいという前向きな意欲を醸成することにもつながることが調査結果からも示され、いつまでも長く健康で働けるよう“運動”と“栄養摂取”に気をつけることが、健康寿命の延伸という観点からも非常に重要であるといえます。」

■鈴木隆雄先生 プロフィール
桜美林大学 加齢・発達研究所長、大学院教授/国立長寿医療研究センター 総長特任補佐

<略歴>
東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所副所長、首都大学東京大学院客員教授、独立行政法人国立長寿医療研究センター研究所長を経て、同センター総長特任補佐、2015年4月には桜美林大学加齢・発達研究所所長、大学院教授に就任。社会保障審議会人口部会委員、厚生労働省介護予防継続的評価分析等検討委員委員長を務める。 長寿科学や老年学・老年医学を専門とし、2000年に東京都知事賞、2008年には日本骨粗鬆症学会学術振興賞、そして2010年には遠山椿吉賞「健康予防医療大賞」などを受賞。

主な著書には 「サクセスフルエイジング」(ワールドプランニング) 「老人保健活動の展開」(医学書店) 「日本人のからだ-健康・身体データ集-」(朝倉書店) 「骨から見た日本人」(講談社) 「老化の予防がわかる本」(技術評論社) 「介護予防完全マニュアル 続」(東京都福祉保健財団) 「超高齢社会の基礎知識」(講談社現代新書)などがある。

《その他の調査結果》

冬は「つまずきやすい」・「転びやすい」季節であり、特に60代・70代は要注意。
また地域的に北エリアの冬は「体力の低下」もあいまって、転倒には十分な注意が必要。

各設問に対して該当する季節について聞いたところ、「つまずきやすい」及び「転びやすい」季節については、ともに冬が1位。また年齢別に見た場合、年齢が上がるほど、冬に「転びやすい」、「つまずきやすい」と感じている傾向が明らかになりました。また「食欲が落ちる」季節については、8割が夏と回答し、冬は1割程度にとどまることがわかりました。

■鈴木先生(桜美林大学 加齢・発達研究所所長、 大学院教授)コメント
「冬は、路面が凍ってすべりやすい、体内の血中ビタミンD濃度が低いなど、さまざまな要因があり、特に筋肉の衰えで移動能力が低下している高齢者は転倒リスクが高くなります。実際、転倒が原因となり、寝たきりになってしまう方も多く、ますます注意と対策が必要な季節と言えます。また今回の調査では、食欲について夏に低下しており、筋肉の維持・合成に必要なたんぱく質など健康づくりに必要な栄養素が十分に摂れないまま冬をむかえる可能性が懸念されます。

転倒リスクを軽減するため、冬を迎える前に“筋肉の冬支度”をすることが大切です。秋から冬にかけては食欲も戻り、食習慣を見直して、栄養改善をおこなう絶好の機会です。毎日バランスよく食事をすることを考え、筋肉を作るために必要なたんぱく質やビタミンDの適切な摂取を意識することが、転倒を防ぐだけではなく、ロコモ予防や健康寿命の延伸につながるカギになります。」

■調査概要

調査対象 :全国の40~70代男女2000名
調査時期 :2015年9月
調査方法 :インターネット調査
調査内容 :60歳以降の就業意向と不安、現状の健康状態、寝たきり・要介護、ロコモティブシンドロームなどに対する意識・取り組みなど
有効回答数 :2000サンプル

・調査対象者プロフィール:

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