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FoE Japan

千葉県沖CCS試掘への意見123件、ほぼすべてが懸念・反対 - 情報開示で判明

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住民からの意見は反映されず経産省は試掘を許可


試掘が予定されている九十九里近辺の海岸

経済産業省が千葉県九十九里沖のCCS(二酸化炭素回収・貯留)試掘の許可にあたり実施した利害関係者者からの意見募集について、情報公開請求を行ったところ、提出された123件の意見ほぼすべてが、試掘や事業への懸念を示す、または試掘そのものに反対する内容でした。一方で、試掘に賛成あるいは肯定的な意見は1件も確認されませんでした。

経済産業省は、「公共上の支障はない」と判断し、2026年4月15日に試掘を許可しています。さらに「寄せられた御意見の概要と考え方」においては、「6件の試掘に関する御意見」をいただいたとまとめており、ほとんどの意見が適切に扱われず、意見提出が認められた「利害関係者」を経済産業省が不当に狭めていることも判明しました。

FoE Japanは、この結果は、住民や関係者の懸念が十分に反映されていないことを示すものであり、試掘の開始は見直されるべきであると考えます。

情報公開により確認できた主な点は以下のとおり。
- 提出数は123件(注:開示された意見(書式およびメール)は125件であったが、意見の内容の部分が空欄のものが2件あったため除外した)
- ほぼすべての意見が、CCS試掘または事業への懸念・反対を表明
- 賛成・歓迎・肯定的な意見は確認されなかった
- 試掘エリアに直接面する匝瑳市、横芝光町、山武市、九十九里町に、明確に在住していると回答している意見は少なくとも33件あった。居住地や勤務地は明確ではないが沿岸地域に在住、勤務、サービスを利用等の記載を足すと、合わせて60件確認された。意見提出者の住所部分は開示されていないため、在住者はさらに多い可能性がある。
- 苫小牧の試掘許可に関して寄せられた意見は0件であった。

寄せられた意見では、特に以下のような懸念・意見が示されていました。
- 地震・漏えいなど安全性への不安
- 事業に関する情報公開や、地域住民への説明・対話が極めて不十分
- 環境や地元産業への影響
- 多額の公費投入に対する疑問・税金の無駄遣い
- 将来世代への懸念
- CCSそのものの必要性や気候変動対策としての有効性への疑問
- 排出源で対策すべき

FoE Japanや地元住民がこれまでも指摘してきたように、今回の試掘は単なる調査ではありません。最も、試掘申請者が「首都圏CCS株式会社」である以上、本試掘が首都圏CCS事業の一部であることは明らかです。試掘は将来の首都圏CCS事業の実施を前提とした不可分一体のプロセスであり、その是非を切り離して議論することはできません。

「情報公開により、提出された123件ほぼすべてが懸念または反対の意見だったことが明らかになりました。それにもかかわらず試掘が許可されたことは、透明性のなさを如実に示しています。住民意見が政策判断に全く反映されていないといえます。CCSは地域社会や海洋環境に長期的な影響を及ぼす可能性がある事業です。十分な情報公開、住民との対話、環境影響評価が行われないまま試掘を進めるべきではなく、将来に大きな禍根を残します。」とFoE Japanの深草亜悠美はコメントしました。

「九十九里の海をまもる会」の品田知美さんは「意見提出をした一人として関心を持って他のコメントを読みました。直近の海辺に自宅を所有しており、景観等の観点から利害関係を有すると明確に主張することができ、また、「試掘」に限定して主張するような記述をしたので、排除できず数少ない公開された6件の意見にとりあげられたようです。しかし6件をみると、よく海にいく人の意見なども入り、利害関係者はわりと広めにとられていると思われます。にもかかわらずこのように少ない数で報告されているのはとても奇妙です。提出されたすべての人が、なんらかの海との関係を具体的に語っており、利害関係を有するひとに該当すると思われます。「試掘」に言及されている意見さえも数えられていません。意見が公開された日は試掘許可の出された当日です。明らかに反対意見しかない募集を押し切って許可を出されることへの後ろめたさもあったのでしょうか。いったいなんのために意見は募集されたのでしょう。」とコメントしました。

気候ネットワークの桃井貴子さんは「123件もの意見が寄せられているにもかかわらず、経済産業省が公表したのは17件分で106件分の意見は排除・無視される形となった。なぜ大半の意見を公表しないのか、その理由が明らかにされないままでは、政策判断に不都合な市民の声を意図的に見えにくくしているのではないかとの疑念を抱かざるを得ない。寄せられた意見のほぼすべてが懸念や反対であり、賛同意見が確認されないにもかかわらず、経済産業省が試掘を許可したことは、市民の声を政策判断に反映しない、結論ありきの手続きであると言わざるを得ない。CCSは、化石燃料の利用を温存・延命する口実となり、排出削減そのものを先送りする危険がある。「試掘」とはいえ非常に大規模な事業であり、限られた財政から多額の公的資金を投入するもので、まさに全国民に関わる問題であり、すべての人が利害関係者になりうる。市民への十分な説明と参加の機会、意思決定過程の透明性、将来世代に対する責任を欠いたまま、試掘を開始し、そのままなし崩し的に事業開始に至ることも懸念される。経済産業省は試掘開始を見合わせ、許可判断を見直すべきである。」とコメントしました。

計画では7月にも試掘が始まることになっていますが、経済産業省には以下が求められます。
- 試掘開始を見合わせること
- 意見募集の結果を踏まえ、許可判断を見直すこと
- CCS事業全体について十分な情報公開と住民参加を確保すること
- 環境影響評価等による包括的な影響評価を実施すること

以上

参考:
- FoE Japan「千葉県九十九里沖CCS試掘への意見提出」(2026年2月)https://foejapan.org/issue/20260202/27857/
- 気候ネットワーク「【意見書】千葉県九十九里沖での首都圏CCS事業の試掘の許可に係る公告に対する意見」(2026年2月3日)https://kikonet.org/content/39242
- 気候変動を考える東京湾の会「千葉県九十九里沖での首都圏CCS事業の試掘の許可に係る公告に対する意見」https://nocoal-tokyobay.net/2026/02/04/ccs_shikutsu_iken/
- FoE Japan,気候変動を考える東京湾の会,九十九里の海をまもる会, 気候ネットワーク「千葉県沖CCS試掘許可への抗議・撤回要請」(2026年4月) https://foejapan.org/issue/20260421/29297/
- 九十九里の海を守る会ウェブサイト https://www.kujukuriseasideccs.net/

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