東急電鉄株式会社(以下、東急電鉄)は、コーポレートPPA※1を活用し、東急株式会社(以下、東急)などが出資する複数の発電合同会社(以下、本件SPC)が国内各所で東急電鉄向けに新たに開発する合計約98MW-DCの太陽光発電所より、2026年度から25年間にわたり、追加性※2のある再生可能エネルギー(以下、再エネ)由来の電力と環境価値を調達(以下、本取り組み)します。調達した電力は、東横線、目黒線、東急新横浜線、田園都市線、大井町線、池上線およびこどもの国線における運行にかかる電力の一部に使用します。
本件SPCが開発する太陽光発電所は、2026年4月から2027年度末にかけて順次運転および供給を開始します。本取り組みにより、2028年度には、東急線の運行にかかる使用電力量約3.7億kWh/年※3のうち、約3割(約1.1億kWh/年)相当が、コーポレートPPAを活用した、新たな再エネ設備の増加に直接貢献する追加性のある環境価値付きの電力になります。これは、大手民鉄の中で最も高い導入比率※4となります。
東急電鉄は、日本初の取り組みとして、すでに2022年4月から※5小売電気事業者が提供する再エネメニュー※6により、全路線を再エネ由来100%電力で運行しています。それに加え、本取り組みを行うことを通じて、多くの電力を使用する事業者として環境にこれまで以上に向き合い、再エネ電源の創出に貢献し、電力インフラを支える役割をさらに高めていきます。
本取り組みでは、電源調達と需給運用に関する実績・知見を有する東北電力株式会社(以下、東北電力)と、東急線沿線を中心に地域に根差した電気サービスを提供する株式会社東急パワーサプライ(以下、東急パワーサプライ)が共同で電力供給を行います。
今後も、東急(株)グループおよび東北電力は、さらなる連携を図り、オフサイトコーポレートPPAの活用などによる太陽光発電の開発(創エネ)や蓄電池の活用(蓄エネ)を通じて追加性のある再エネの普及などを推進し、脱炭素社会の実現に貢献します。

▲東急線の運行における環境価値の調達(イメージ)
※1 再エネ電源の所有者である発電事業者と電力の購入者が、事前に合意した価格および期間における再エネ電力の売買契約を締結する契約方式
※2 再エネ調達の中で重視される指標で、調達により新たな再エネ設備の増加に貢献することを示すもの
※3 2024年度実績
※4 東急電鉄調べ(2026年3月時点)
※5 世田谷線の駅の運営にかかる電力は2023年4月から実施
※6 運転開始から15年以内の発電所のトラッキング付非化石証書
【別紙】
■本取り組みの概要
1.スキーム
東急は、脱炭素社会の実現に向け、東急(株)グループの再エネ調達安定化を目標に、創エネルギーの取り組みとして、さまざまな協力企業と連携し、太陽光発電所の開発を推進しています。本取り組みは、オフサイトコーポレートPPAを活用し、東急などの出資による本件SPCが開発する太陽光発電所由来の電力と環境価値を、東急パワーサプライおよび東北電力が連携して、東急電鉄へ提供することで実現します。
(各社の役割)
[表: https://prtimes.jp/data/corp/20242/table/121_1_9675af89ad91a1c5282040c614061157.jpg?v=202604010245 ]

本取り組み開始後の東急線※の運行にかかる電力と環境価値の調達(イメージ)※「3」に記載の対象路線 ※点線内が本取り組み
2.東急電鉄の調達開始時期
2026年4月から順次
3.本取り組みの対象路線(現時点計画)
東横線、目黒線、東急新横浜線、田園都市線、大井町線、池上線およびこどもの国線
4.東急電鉄向け新設太陽光発電所の開発計画(各時点で運転開始済みの設備容量)
2026年度期初時点 約12MW-DC
2026年度末時点 約60MW-DC
2027年度末時点 約98MW-DC
5.想定発電電力量(2028年度)
約1.1億kWh/年
(東急線の運行にかかる使用電力量約3.7億kWh/年※1の約3割に相当する量)
(参考)CO2排出削減貢献量 年間約46,530t-CO2(2028年度見込み)※2
(日本の一般家庭 約27,862世帯に相当※3)
※1 2023年度実績
※2 本取り組みで開発される再エネの想定発電電力量を、環境省が公表する電気事業者別排出係数(2023年度実績)における全国平均係数0.000423t-CO2/kWhを乗じて算定した見込み。非化石証書の補正率は含まない。
※3 環境省公表「令和5年度家庭部門のCO2排出実態統計調査結果について(確報値)」内、世帯当たりの年間電気エネルギー消費量から算出されたCO2排出量より算定。
■東急の環境ビジョン2030および環境ビジョン2040
東急(株)グループは、2022年3月に脱炭素・循環型社会の実現に向けた「環境ビジョン2030」を策定し、目標達成に向けて掲げた11のアクションで、太陽光発電をはじめとする「再エネを創る」取り組みの推進を宣言しています。
2025年9月には、環境と調和する街の実現に向けた取り組みをさらに推進するため「環境ビジョン2040」を策定し、2030年度に向けた従来の達成目標をより高い水準に更新するとともに、2035年度および2040年度に向けた達成目標を新たに設定しました。
環境ビジョン2040 URL:https://tokyu.disclosure.site/ja/135/

▲環境ビジョン2040(抜粋)
■東急電鉄における脱炭素社会に向けた主な取り組み
1.「省エネ」の取り組み
・新型車両の導入
東急電鉄では、従来から積極的に省エネ性能の高い車両を導入しており、2018年には、新型車両「2020系」を田園都市線に、「6020系」を大井町線急行用にそれぞれ導入し、2019年には、「3020系」を目黒線に導入しています。これらの新型車両は、次世代半導体素子を用いた制御装置による主電動機の高効率駆動や、車内の照明や前照灯、尾灯へのLEDの採用により、消費電力を旧型車両(8500系)と比較し約半減させています。2025年からは、「6020系」を大井町線各駅停車用に順次導入しています。

▲(左から)3020系、6020系、2020系
・運転における工夫
東急線では、運転士が運転方法を工夫して消費電力を削減する「エコ運転」を実施しています。これは、一定の速度に達したら加速を止め、惰性で走る「惰行」の時間を多くすることで、消費電力の多い「力行(加速)」の時間を減らす運転手法です。勾配による自然な加速・減速や、ダイヤ上の余裕時間を活かすことで、遅れを出さずに「エコ運転」を可能としています。
・照明のLED化
さまざまな照明設備をLED化することにより、消費電力の削減に取り組んでいます。2026年3月現在、車両の照明のLED化はすべて完了しており、駅構内の照明についても、92%のLED化が完了しています。
・駅リニューアルにあわせた空調換気設備の省エネ化
田園都市線駒沢大学駅のリニューアルでは、空調換気設備の遠隔監視・操作を可能とするシステム「クラウドSCADA」や、期待する環境性能などを確実に発揮できるよう確認・検証・適正化を行うプロセス「コミッショニング」の導入により、空調換気設備を従来に比べ新設・増強しながらも、効率的な運用により省エネ化を実現しています。
・駅舎補助電源装置の導入
東急電鉄では全車両に電力回生ブレーキを採用し、走行中の電車がブレーキをかけた際に生じた電力(回生電力)を、近くで走行する他の電車に供給することで省エネルギー化を図ってきました。田園都市線南町田グランベリーパーク駅では、回生電力のさらなる有効活用に向けて2025年に「駅舎補助電源装置」を導入しました。この装置により、回生電力を変換して同駅の照明等に使用することができます。
2.「再エネ」活用の取り組み
2019年の世田谷線を皮切りに、2022年からは東急線全線で、トラッキング付き非化石証書を活用した実質的な再エネ由来電力100%での運行を実施しています。
3.「蓄エネ」の取り組み
大規模災害が発生した際のBCP(事業継続計画)強化、鉄道電力の効率的な活用、電力系統安定化への寄与を目的に、田園都市線に電力を供給する市が尾変電所への大規模蓄電システム(出力:2.1MW、容量:10MWh)の整備を進めています(2026年度中に運用開始予定)。

▲大規模蓄電システム
■会社概要
会社名 : 東急電鉄株式会社
所在地 : 東京都渋谷区神泉町8番16号
設立 : 2019年4月25日
事業内容: 鉄軌道事業
URL : https://www.tokyu.co.jp/railway/company/
会社名 : 東急株式会社
所在地 : 東京都渋谷区南平台町5番6号
設立 : 1922年9月2日
事業内容 : 不動産事業、不動産販売業、その他事業
URL : https://www.tokyu.co.jp/company/
会社名 : 株式会社東急パワーサプライ
所在地 : 東京都世田谷区用賀4丁目10番1号 世田谷ビジネススクエアタワー
設立 : 2015年10月1日
事業内容 : 電力小売業、ガス取次業
URL : https://www.tokyu-ps.jp/
会社名 : 東北電力株式会社
所在地 : 宮城県仙台市青葉区本町一丁目7番1号
設立 : 1951年5月1日
事業内容 : 電気事業
URL : https://www.tohoku-epco.co.jp/