グローバル都市不動産研究所 第40弾(都市政策の第一人者 市川宏雄氏監修)

国内外の運用会社に不動産を提供する株式会社グローバル・リンク・マネジメント(本社:東京都渋谷区)は、(1)東京という都市を分析しその魅力を世界に向けて発信すること、(2)不動産を核とした新しいサービスの開発等を目的に、明治大学名誉教授 市川宏雄氏を所長に迎え、「グローバル都市不動産研究所(以下、当研究所)」を2019年1月1日に設立しました。
▼過去のレポート一覧はこちら
詳細を見る
当研究所では、調査・研究の第40弾として、2025年国勢調査速報値を分析しました。

[表1: https://prtimes.jp/data/corp/20953/table/269_1_f243add30ef3bf3e3fb589db17a3a6ce.jpg?v=202607161445 ]
・日本の総人口は2020年と比較して309万7千人減少(△2.5%)・人口が増加した都道府県は、東京都と沖縄県のみ
2026年5月29日に2025年(令和7年)国勢調査人口速報集計結果が公表されました。国勢調査は、日本に常住するすべての人と世帯を対象として5年ごとに行われる国の最も基本的な統計調査であり、今回公表された人口速報集計は、2025年10月1日時点の調査について市区町村から提出された要計表をもとに男女別人口および世帯数を速報値として集計したものです。
本レポートでは、この国勢調査人口速報集計結果を用いて、全国および東京圏・東京23区の人口動向を詳しくみていきます。
2025年10月1日現在の日本の総人口は1億2,305万人で、前回調査の2020年と比較して309万7千人(2.5%)の減少と、減少幅が大きく拡大しています【図1】。

出典:総務省統計局「令和7年国勢調査人口速報集計結果」および各年「国勢調査結果」を用いて作成
都道府県別の人口をみると、東京都が1,424万6千人と最も多く、全国の11.6%を占めています。続いて、神奈川県(919万4千人)、大阪府(876万5千人)、愛知県(744万9千人)、埼玉県(728万7千人)、千葉県(625万9千人)の順となっています。
2020~25年の動向をみると、人口が増加したのは東京都(1.4%)と沖縄県(0.1%)のみで、その他の45道府県では減少しています。人口が増加した2都県においても、前回調査の2015~20年と比較して、東京都(3.9→1.4%と2.5ポイント縮小)、沖縄県(2.4→0.1%と2.3ポイント縮小)と増加幅が縮小しており、前回調査で人口増加であった千葉県、神奈川県、埼玉県、福岡県、愛知県、滋賀県の6県が減少に転じています。
一方、人口減少率をみると、秋田県(△8.1%)が最も高く、青森県(△7.9%)、岩手県(△7.0%)などが続き、いずれも減少幅が拡大しています【表1】。

出典:総務省統計局「令和7年国勢調査人口速報集計結果」および各年「国勢調査結果」を用いて作成 注:上位・下位10位の順位は、2020~25年増減率の値による。
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/20953/table/269_2_a7f4b9bffd27bd8b971ff0330a67c21b.jpg?v=202607161445 ]
・東京圏の人口は3,698万6千人となり、総人口の3割超へ・周辺3県では人口減少、東京郊外・近郊の市町村で人口減少が加速
東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県)の人口は3,698万5,557人で、2020年と比較して7万1,381人(0.2%)増加し、総人口の30.1%と初めて3割を超えました。ただし、その増加数は、2015~20年の増加数78万3,491人(2.2%)と比べて10分の1程度にとどまっています【図2】。

出典:総務省統計局「令和7年国勢調査人口速報集計結果」および各年「国勢調査結果」を用いて作成
このうち、東京都は、2020~25年に19万8,621人増加(1.4%)しましたが、埼玉県は5万7,596人(△0.8%)、千葉県は2万5,968人(△0.4%)、神奈川県は4万3,676人減少(△0.5%)し、東京都の増加数が周辺3県の減少数をかろうじて上回った結果であることが分かります【表2】。

出典:総務省統計局「令和7年国勢調査人口速報集計結果」および各年「国勢調査結果」を用いて作成 注:増減数(率)の計算における人口は、それぞれ境界によって組み替えた数値を使用しているため、表中の値から計算したものと必ずしも一致しない。
今回の調査は、2020~22年のコロナ禍で東京圏における転出入の制約が一部影響したとも考えられますが、全国的な人口減少の波によって東京圏への流入人口の減少や、東京圏自体でも周辺3県を中心に流入人口を上回る人口減少が起こりつつあることがうかがえます。
市町村別に人口増減状況をみると、東京圏の外縁部では△10%超の減少率となった市町村が多くを占め、東京郊外・近郊でも人口減少となった市町村が多くみられるようになっています。
周辺3県で人口増加となった市町村は、埼玉県では朝霞市(4.3%)、蕨市(1.7%)、さいたま市(1.6%)、草加市(1.1%)などの10市町のみ、千葉県では流山市(7.6%)、印西市(7.6%)、八千代市(2.8%)、千葉市(2.1%)、柏市(2.1%)などの12市のみ、神奈川県では海老名市(3.8%)、大和市(3.0%)、藤沢市(1.6%)、川崎市(1.5%)などの7市町のみで、東京中心部の周辺や鉄道新線で利便性が高まったエリアなどに限られています。なお、神奈川県の政令市では相模原市(△1.8%)のほか、市南部や北部での減少が目立つ横浜市(△0.6%)でも市全体で人口減少となっています。
東京都においても、特別区部(東京23区)で人口増加(2.3%)となった一方で、多摩地域(島部を除く)では人口減少(△0.4%)となり、奥多摩町(△12.2%)や檜原村(△12.1%)といった郡部のほか、多摩市(△3.9%)、青梅市(△3.0%)、あきる野市(△2.6%)、武蔵村山市(△2.5%)、町田市(△2.3%)などの市で人口減少が目立つようになっています。
東京郊外・近郊の市町村では、東京中心部から子育て世帯などが流入する一部の市を除いて、少子高齢化により死亡数が出生数を上回る「自然減」の拡大が急速に進みつつあり、人口減少が加速しているものとみられます【図3】。

出典:総務省統計局「令和7年国勢調査人口速報集計結果」を用いて作成 注:この図では、東京都区部においては特別区別に、政令指定都市においては行政区別に色分けしている。
[表3: https://prtimes.jp/data/corp/20953/table/269_3_7aa0eb30ca90e86e707d2de3d6c1b664.jpg?v=202607161445 ]
・東京23区全体では約22万人(2.3%)の人口増加・20区で増加、千代田区・渋谷区・目黒区の3区は人口減少に転じる
東京23区の人口は995万3,160人で、2020年と比較して21万9,884人(2.3%)増加しています。ただし、その増加数は2015~20年の増加数46万536人(5.0%)と比べて5割弱にとどまっています。区別にみると、23区のうち20区が増加した反面、千代田区、渋谷区、目黒区の3区が減少に転じました。
増加数では江東区(2万9,048人増)が最も多く、台東区(1万6,946人増)、葛飾区(1万4,521人増)、墨田区(1万3,118人増)、北区(1万3,077人増)と続き、増加率では台東区(8.0%)、中央区(7.5%)、江東区(5.5%)、墨田区(4.8%)、港区(4.7%)の順となっています。一方、減少数では渋谷区(△4,764人)、目黒区(△1,620人)、千代田区(△481人)の順となり、減少率では渋谷区(△2.0%)、千代田区(△0.7%)、目黒区(△0.6%)の順となっています【表3】。

出典:東京都総務局人口統計課「令和7年国勢調査 人口および世帯数(速報)」を用いて作成
東京23区別に人口増減をみると、区によって状況が大きく異なっており、大規模再開発やタワーマンションの供給がなおも進み、高い人口増加率にある湾岸・都心周辺エリア(台東区・中央区・江東区・墨田区・港区・文京区・荒川区など)、都心近接区で人口増加率3%台を推移するエリア(新宿区・北区・中野区など)、東京23区外縁部で人口増加率1%台をかろうじて維持するエリア(江戸川区・足立区・練馬区・杉並区・世田谷区・大田区など)、マンション価格高騰などの影響で人口減少に転じたエリア(千代田区・渋谷区・目黒区)という4つのパターンに分けることができます。
特に千代田区と渋谷区は、都心回帰の流れで2020年まで人口増加率のトップクラスに位置していたにもかかわらず、今回調査では人口減少に転じるという、周囲の都心区(中央区、港区など)とは対照的な結果をみせています【表4】。

出典:東京都総務局人口統計課「令和7年国勢調査 人口および世帯数(速報)」を用いて作成
これらの区では、コロナ禍での郊外への人口流出に加えて、近年の地価上昇に伴う分譲マンション価格や賃貸マンションの家賃の高騰によって、区内への転入人口よりも区外への転出人口が大きく増加したものとみられます。
[表4: https://prtimes.jp/data/corp/20953/table/269_4_8c33bd78adb1964fdfe78fc2fe6da5cd.jpg?v=202607161445 ]
・東京圏人口、初の「全国3割超」
・進む人口減少のなかで鮮明になる都心集中と郊外縮小
日本の総人口は2020年と比較して309万7千人減少(△2.5%)したことが2025年(令和7年)国勢調査の人口速報集計結果から判明しました。このうち、人口が増加した都道府県は、東京都と沖縄県のみです。
前回調査(2020年)で人口増加であった千葉県、神奈川県、埼玉県、福岡県、愛知県、滋賀県の6県が減少に転じています。
東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県)の人口は3,698万5,557人で、2020年と比較して7万1,381人(0.2%)増加し、日本の総人口の3割を初めて超えました。しかしながら増加したのは東京都だけで、東京圏の外縁部では△10%超の減少率となった市町村が多くを占めています。これは大都市圏のシュリンキングという現象で、東京では過去にバブル経済崩壊後に起きています。
東京都のなかでも東京23区は2.3%の人口増加となった一方で、多摩地域(島部を除く)では△0.4%の人口減少となり、大都市中心部での集積が進んでいます。
東京郊外では、東京中心部から子育て世帯などが流入する一部の市を除いて、少子高齢化で死亡数が出生数を上回る「自然減」が急速に進みつつあります。
周辺3県で人口が増加となった市町村は、埼玉県で10市町、千葉県で12市、神奈川県で7市町のみで、東京中心部の周辺や鉄道新線で利便性が高まったエリアなどに限られています。
東京23区全体では約22万人の人口増加で、20区で増加する一方、千代田区・渋谷区・目黒区の3区は人口減少に転じています。大規模再開発やタワーマンションの供給がなおも進んで、高い人口増加率にある湾岸・都心周辺エリア(台東区・中央区・江東区・墨田区・港区・文京区・荒川区など)、都心近接区で人口増加率3%台を推移するエリア(新宿区・北区・中野区など)が人口増を牽引しています。
人口減少国家における東京の存在は高まりつつも、エリアによって人口動態にタイムラグと地域性があることが分かります。地価上昇に伴うマンション価格や家賃の高騰などの経済的要因がその背景にあります。

[表5: https://prtimes.jp/data/corp/20953/table/269_5_758256946fb79c515d26e5f4283de391.jpg?v=202607161445 ]
会社名 :株式会社グローバル・リンク・マネジメント
会社HP :https://www.global-link-m.com/
所在地 :東京都渋谷区道玄坂1丁目12番1号渋谷マークシティウエスト21階
代表者 :代表取締役社長 金 大仲
設立年月日 :2005年3月
資本金 :6億10百万円(2026年6月末現在)
業務内容 :不動産ソリューション事業(投資用不動産の開発、販売、賃貸管理)