~ちいさく生まれた赤ちゃんを救うための、大きな一歩に~

ピジョン株式会社(本社:東京、社長:矢野 亮)は、神奈川県(知事:黒岩 祐治)と一般社団法人日本母乳バンク協会(代表理事:水野 克己)と一般財団法人日本財団母乳バンク(理事長:水野 克己)の4団体で「ドナーミルクの利用拡大に向けた連携と協力に関する協定」を2026年7月28日(火)に締結しました。
ドナーミルクを必要とするちいさな赤ちゃんとそのご家族が、母乳バンクの提供するドナーミルクを活用でき、ちいさく生まれた赤ちゃんが健やかに成長できる社会環境作りを図るため、4団体の想いが一致し、この度の連携協定締結に至りました。
【本協定締結の背景】
■母乳バンクとは
ちいさく(特に1,500g未満で)生まれた赤ちゃんにとって母乳は、発症リスクの高い生死に関わる腸の病気(壊死性腸炎)の発症率を低下させる効果があり、“薬”のように大切なものです。しかし、様々な理由で母親から母乳を得られない場合があります。そんな赤ちゃんとご家族のために、善意で寄付された母乳を検査・低温殺菌処理し安全な「ドナーミルク」として提供する施設が「母乳バンク(運営:日本母乳バンク協会・日本財団母乳バンク)」です。「ドナーミルク」を必要とする赤ちゃんは全国で約5,000人と推定されており、2025年度には約1,400人の赤ちゃんへ届けられました。普及に向けた歩みは進んでいますが、より多くの赤ちゃんへの普及が待たれる状況です。また、妊産婦における理解度はおよそ3割程度に留まっています。ちいさな赤ちゃんの命を救うため、より一層の理解と支援の輪を広げていくことが課題となっています。
■「ドナーミルクの利用拡大に向けた連携と協力に関する協定」に基づく連携事項
- 母乳バンク及びドナーミルクの普及啓発
- ドナーミルクの利用拡大に向けた環境づくり
- ドナーミルクの寄付の拡大に向けた取組
■ これまでの取り組み
- 日本母乳バンク協会は、日本の新生児医療において、母乳の活用を促進することを主な目的に設立された一般社団法人です。ドナーミルクの安全な運用に関することのほか、周産期医療における効果的な母乳活用の研究等に取り組んでいます。
- 日本財団母乳バンクは、母乳を必要とする極低出生体重児等に対して安全性を確認したドナーミルクを安定して提供することにより、児童の命を守ってその健やかな成育に寄与することを目的に設立された一般財団法人です。ドナーミルクの安定供給、ドナーミルクの安全性と効果の調査研究及び母乳バンクに関する周知啓発等に取り組んでいます。
- 当社は、専門的なケアが必要な赤ちゃんとご家族向けの支援活動「ちいさな産声サポートプロジェクト」の一環として、日本母乳バンク協会の活動に賛同し、ゴールドスポンサーとして2020年から同協会の支援を続けています。
- 神奈川県は、リトルベビーハンドブックの作成・配布や地域交流会・写真展の開催など、ちいさく生まれた赤ちゃんへの支援を行っています。
■ 主な取り組み
神奈川県では、医療機関でのドナーミルクの利用拡大を支援するため、令和8 年度から医療機関に対する補助を開始されています。一方で、ドナーミルクが安定供給されるためには、ドナーミルクの寄付を増やすことも大変重要です。
そこで、当社は、母乳バンク2団体及び神奈川県と連携し、多くの方に母乳バンク及びドナーミルクへの理解を深めていただくとともに、ドナーを増やす取組を始めます。
具体的には、母乳バンク2団体及び神奈川県とともに、母乳バンク及びドナーミルクに関する情報発信に取り組むとともに、神奈川県内にてドナー登録を頂いた方に、当社からの「記念品」を進呈するなどして、ドナー登録を呼びかけます。

【当社からのドナー登録者への記念品】

・ベビーミルクローション 120g(左)
新生児から使えるしっとりすべすべ乳液タイプのベビーローション。
・リペアニプル 10g(右)
母乳育児をサポートするスキンオイル。
妊娠中、授乳中のママの乳首・乳房・赤ちゃんの肌などに。
■ 締結式でのコメント(要約)
日本母乳バンク協会・日本財団母乳バンク 代表理事 水野 克己

ちいさく生まれた赤ちゃんにとって、母乳は命を守る医療です。しかし、必要としていても十分に届いていない現状があります。ちいさく生まれた赤ちゃん一人一人の命を大切に育てるために、ドナーの方やドナーミルクを使う医療施設を増やすことが今求められています。本協定は、行政・企業・母乳バンクが力を合わせ、日本全体でドナーミルクを支える新たな第一歩です。神奈川県から始まるこの取り組みを通じて、すべての赤ちゃんが安心して必要な栄養を受けられる社会を実現していきたいと考えています。
神奈川県 知事 黒岩 祐治

県では、リトルベビーとそのご家族が、健やかに成長し、安心して暮らせる社会の実現に向けて取り組んでいます。今年度からは、ドナーミルクの利用拡大に向けた医療機関への補助を開始し、さらに今回の協定を契機として、ドナーの方への支援も始まります。こうした取組を通じて、ドナーミルクへの理解が広がり、ドナーミルクを必要とするすべての赤ちゃんが利用できるーーそのような社会になることを期待しています。
ピジョン株式会社 代表取締役社長 矢野 亮

母乳バンク、行政、企業と垣根を超えた本連携協定締結に、大きな喜びと責任を感じています。ドナーミルクの利用拡大には、社会全体での認知とドナー登録の拡大が不可欠です。ピジョンは普及啓発や神奈川県内での新規ドナー登録者への記念品提供等を通じて本協定を推進し、私たちの存在意義である「この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にする」を実現するためにこれからも貢献してまいります。
■ 参考資料
●「ちいさな産声サポートプロジェクト」とは
ピジョンは、早産で生まれた赤ちゃん、低体重で生まれた赤ちゃん、病気の治療が必要な赤ちゃんなど、専門的なケアを必要とする赤ちゃん一人ひとりの健やかな成長を支え、ご家族がより安心し幸せを実感できるように「ちいさな産声サポートプロジェクト」を各国で行っています。
このプロジェクトの取り組みとして、2020年9月の「日本橋 母乳バンク」の開設サポートをはじめ、社会への母乳バンクの普及啓発活動などの継続した支援を実施しております。

特設サイトURL:https://www.pigeon.co.jp/csr/tinycry/
●ピジョンの具体的な支援について
ピジョンは2020年から日本母乳バンク協会のゴールドスポンサーとして支援を開始。同年9月には、当時国内2拠点目となる母乳バンク「日本橋 母乳バンク」(運営:一般社団法人 日本母乳バンク協会)を、当社の全面サポートによりピジョン本社1階に開設しました。また、当社の独自の強みである、ママ・パパ、プレママ・プレパパとの接点を活かし、国内シェア8割以上の哺乳器カテゴリーの商品パッケージに母乳バンクの情報を記載した他、対象商品の売上の一部を同協会に寄付するキャンペーンを実施。さらに、社会への母乳バンクの普及およびドナーミルク利用の抵抗感を低減するため、普及啓発動画の作成や、情報Bookの無償提供などを多角的な支援を行っています。

●主力商品に「母乳バンク紹介リーフレット」を同封

●母乳を寄付してくださる方が使用する母乳フリーザーパックの無償提供

●ドナーミルクを使用した赤ちゃんとご家族の座談会の開催

●「ドナーミルクご利用家族向け情報Book」の制作
https://www.pigeon.co.jp/csr/tinycry/assets/pdf/HumanMilkBank_DonorMilkBook_2022.pdf

●母乳バンク紹介動画の制作
ロングver.:https://youtu.be/XMFCzYv3YrE
ショートver.:https://youtu.be/CddEKL7Bhwk

●医療従事者向けドナーミルクスタートガイド(動画)
ドナーミルクを導入する病院の医療従事者の方へ母乳バンク・ドナーミルクの情報をまとめた動画を制作
https://www.pigeon.co.jp/csr/tinycry/hmb/medical/
●母乳・ドナーミルクはなぜ必要なのか
母乳には、赤ちゃんにとって必要な栄養素がバランスよく、消化しやすい形で含まれており、赤ちゃんにとって「最良の栄養」といわれてます。ちいさく生まれた赤ちゃんはさまざまな感染症や病気にかかるリスクが高い状態にありますが、母乳には生死に関わる壊死性腸炎という病気にかかるリスクを、人工乳のおよそ3分の1に低下させる効果があることがわかっており(※1)、「母乳は薬」ともいわれています。また、ちいさくうまれた赤ちゃんがかかりやすい未熟児網膜症や慢性肺疾患などの予防に役立つ物質が含まれている他(※2・3)、長期的な神経発達予後を改善する効果についての研究結果も出ています(※4・5)。
しかし母乳の分泌には個人差があり、特に予定より早い出産となった場合には、必要量を確保できないことは決して珍しいことではありません。そんなときに、ドナーミルクという選択肢があることは、病気にかかるリスクを抑えるとともに、母乳が分泌されるようになるまでの間、お母さんに代わって赤ちゃんの命を守る存在です。
※1 Quigley MA. Henderson G. Anthony MY. et al. Formula milk versus donor breast milk for feeding preterm or low birth weight infants. Cochrane
Database Syst Rev. 2007; (4):CD002971.
※2 Patel AL et al. Influence of own mother's milk on bronchopulmonary dysplasia and costs. Arch Dis Child Fetal Neonat Ed. 2017;102(3):F256-F261.
※3 Zhou J et al. Human milk feeding as a protective factor for retinopathy of prematurity: a meta-analysis. Pediatrics. 2015;136(6):e1576-1586.
※4 Lewandowski AJ et al. Breast milk consumption in preterm neonates and cardiac shape in adulthood. Pediatrics. 2016;138(1):pii:e20160050.
※5 Vohr BR et al. Beneficial effects of breast milk in the neonatal intensive care unit on the developmental outcome of extremely low birth weight infants at 18 months of age. Pediatrics. 2006;118(1):e115-123.
ピジョン株式会社
ピジョンは、育児用品をはじめ、マタニティ用品・介護用品・保育サービスなどを手掛けるブランドです。
60年以上に亘る研究に基づき、製品やサービスを提供することによって、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にしたいと考えています。
ピジョンは、赤ちゃんが生まれながらに持つ素晴らしい力を育み、すべての赤ちゃんがありのままに輝ける世界の創造を目指していきます。
赤ちゃんにやさしい未来に向けた世界中に広がる私たちの取り組みを下記でご紹介しています。
https://www.pigeon.co.jp/vision-of-a-baby-friendly-future/