- 日本IBMと共同で、年間約50万件の査定業務を自動化・高度化へ
- 査定担当者の業務時間、従来比4割程度の削減で、より付加価値業務に注力できる環境を実現
T&D保険グループの太陽生命保険株式会社(社長:田村 泰朗、以下「太陽生命」)は、日本アイ・ビー・エム株式会社(代表取締役社長:山口 明夫、以下「日本IBM」)と共同で、生成AI等の技術を活用した給付金支払査定システムを開発し、2027年1月より順次運用を開始いたします。年間約50万件の査定業務を対象に、日本IBMのAIをはじめとした先端技術を活用することで、査定業務の大幅な効率化を見込んでいます。
1.背景
お客様にご請求いただいた保険金給付金のお支払いにあたっては、お預かりした診断書などの書類(以下、請求情報)をもとに、契約内容と照らし合わせて支払額を決定する「査定」を行っています。太陽生命では年間約50万件のご請求をいただいており、正確なお支払いを期すため複数の担当者による確認を行ってまいりました。
従来の支払査定業務に生成AI等の技術を活用することで、さらなる自動化・高度化を図ってまいります。
2.本取り組みの概要
今回の取り組みでは、太陽生命が全体のプロジェクト統括を実施し、実際に査定業務を担当する職員が中心となり、約720の査定ルールを洗い出して分析および効率化に向けた施策の検討に加え、必要な仕組みを整理し計画を立案しました。太陽生命の業務知見と日本IBMの先端技術であり、判断根拠の透明性や説明可能性も提示できるルールエンジンと生成AI技術を活用した査定支援を組み合わせることで、査定品質の向上と業務効率化を実現してまいります。
(1)支払査定業務の自動化・高度化[ルールエンジン+生成AI]
データ化した請求情報をもとに、日本IBMのルールエンジンと生成AI技術を業務の特性に応じて使い分けます。
ルールエンジン(導入ソリューション:IBM Operational Decision Manager)は、明確な基準で判断できる業務(不備点検や定型的な査定判断)について、事前に定義した査定ルールに基づき一貫した基準で自動判定し、判断根拠も記録することが可能なシステムです。
生成AI(導入ソリューション:IBM watsonx)は、診断書の自由記述の理解や文章間の整合性確認といった非定型業務において、点検業務の標準化を図り、担当者の判断を支援します。なお、最終的な支払可否は査定担当者が確認・決定します。
ルールエンジンによる高精度な査定ルール自動判定と生成AI技術を組み合わせた査定支援システムにより自動化・高度化を実現いたします。
(2)支払査定業務の自動化・高度化の業務フロー新旧対比イメージ

3.期待される効果
本取り組みにより、以下の効果を見込んでいます。
- 約60名の査定担当者の業務時間を従来比4割程度削減
- 担当者がお客様対応など、より付加価値の高い業務に注力できる環境の実現
- お客様への給付金等の支払いにおける確実性および迅速性の向上
【太陽生命 取締役常務執行役員 DX戦略本部長 中村 修一 コメント】
「今回のプロジェクトは、当社が長年にわたり様々な業務のデジタル化を進めてきた取り組みの延長線上にあります。実際に査定業務を担当する職員が主体となり、約720の業務ルールを可視化したうえで、『どの業務をどのような技術・仕組みで自動化できるか』を現場目線で徹底的に分析した結果、日本IBM様の先端技術を活用した『AIと人との融合』というシステム構想が生まれました。
年間約50万件の査定業務のうち、まずは比較的定型的な判断業務を自動化することで、大幅な業務効率化を実現いたします。本取り組みを通じて、限られた人的リソースを、お客様対応や高度な判断が求められる業務など、より『人』らしく活躍できる領域へと集中させることが可能になります。今後もこうしたDXの取り組みを通じて、お客様サービスの向上と生産性の向上に努めてまいります。」
【日本IBM 常務執行役員 保険事業統括部長 塚脇 和生 コメント】
「太陽生命様は、査定業務の自動化、効率化に早くから取り組まれてこられました。今回の取り組みは、これまでの引き受け査定の自動化から得られたノウハウを支払い査定にも適用され、さらなる自動化に取り組まれるという非常に先進的な取り組みとなります。
日本IBMは長年にわたり、国内外の保険会社様に対してAIやルールエンジンなどの先進技術を活用したソリューションを提供してまいりました。今回のプロジェクトでは、生成AIの柔軟な文脈処理機能と、ルールエンジンの透明性・説明可能性を組み合わせたハイブリッドなアプローチを採用することで、保険業界に求められる高い信頼性と正確性の向上を図りながら、業務効率化を実現いたします。太陽生命様とともに、保険業界のデジタル変革を牽引してまいります。」