起業支援の枠を超え、国際協力の経験から新たなソーシャルビジネスを加速させる全国キャラバン実施中

株式会社ボーダレス・ジャパン(本社:福岡県福岡市、代表取締役CEO:田口一成)は、独立行政法人国際協力機構(JICA)が主催する「JICA海外協力隊起業支援プロジェクト(BLUE)」の運営パートナーとして、2026年7月9日(木)、Tokyo Innovation Base(TiB)にて「JICA BLUE CARAVAN @TOKYO」を開催しました。
今回のテーマは「AFRICA BUSINESS BOOSTER ~現地のリアル・声を、どう事業加速につなげるか?~」。アフリカで事業を展開する実践者やJICA海外協力隊経験者、企業、ベンチャーキャピタル、自治体、学生など100名以上が申し込み、現地で得た知見をどのように事業の立ち上げや拡大につなげるかについて活発な議論や交流が行われました。
「JICA BLUE CARAVAN」は、JICA海外協力隊経験者が国際協力の現場で培った知見と、多様な企業・団体・支援者をつなぐ全国展開型の共創イベントです。「JICA海外協力隊起業支援プロジェクト(BLUE)」の取り組みを発展させ、国際協力の経験を新たな事業や社会課題の解決へとつなげることを目指しています。
■JICA BLUE CARAVAN @TOKYO 全体概要
アフリカをビジネスフィールドとして事業展開するトップランナーたちは、現地のリアル・声をどう自身の事業へと昇華してきたのか?そしてこれからアフリカで自身の事業を立ち上げ・拡大しようとしているJICA海外協力隊経験者(OV)は現地でどのような声やリアルを掴んできたのか?
今回のJICA BLUE CARAVANでは、『AFRICA BUSINESS BOOSTER』と題して、皆さんと共にアフリカビジネスの立ち上げや拡大の考え方を深掘りし、共創機会へつなげることを目的に開催いたしました。

第1部 トークセッション|「トップランナーから紐解くアフリカビジネスの始め方・拡げ方」
登壇者:
- 岸 卓巨 氏(一般社団法人 A-GOAL 代表)
- 谷内 愛 氏(WASSHA株式会社 取締役COO)
- 田中 遼平 氏(JICA アフリカ部)
第2部|協力隊経験者によるニーズ検証ピッチ
登壇者:
- 竹田 憲弘 氏(アフリカノオト)(オンライン参加)
- 河野 雄太 氏(Lim-Kawano & Company株式会社)
- 平野 耕志 氏(キウイフルーツカントリーJapan)
第3部|ネットワーキング・共創マッチング
[表: https://prtimes.jp/data/corp/21621/table/771_1_1ad8791e72bd6de8abcebac114148385.jpg?v=202607130545 ]
国際協力の経験を、新たな挑戦へつなげる場に
会の冒頭では、独立行政法人国際協力機構(JICA) 理事の小林広幸が開会の挨拶を行いました。
小林氏は、開発途上国での活動を通じて、広い視野と現場感覚を培った海外協力隊経験者が、帰国後にその知見を社会へ還元することの重要性を強調しました。 また、アフリカの課題解決に挑む海外協力隊経験者のユニークな視点から生まれるビジネスに触れることで、参加者の間に新たな共感や連携、支援のつながりが生まれることへの期待を述べました。

トップランナーが語る、アフリカビジネスの可能性とリアル

第1部のトークセッションでは、日本の企業と連携しながら現地へのインパクトを創出してきた実践者、アフリカで事業を展開するスタートアップ、そしてAfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)の実施支援や国連機関や企業等との連携支援も行うJICAという立場の異なる3者が登壇。アフリカでのビジネスと社会貢献の融合や日本企業の進出についてトークを繰り広げました。
アフリカは爆発的な人口増加と若年層が中心の人口構造による巨大な市場ポテンシャルを有しており、社会課題の解決がそのままビジネスチャンスにもつながります。 一方で、未整備な法制度やカントリーリスク、現地特有の商習慣、インフラの未発達といった独自の課題も存在しています。これらの壁を乗り越えて成功する鍵は、優秀な現地人材との「共創」と、現場を熟知するJICA海外協力隊経験者などをハブとして活用することです。 また、将来の参入コスト高騰を防ぐため、大きな投資でなくとも今すぐ情報収集や調査から「関わり始める」ことの重要性が強調されました 。


【登壇者からのメッセージ(一部抜粋)】
・岸 卓巨 氏(一般社団法人 A-GOAL 代表)
「アフリカ特有の「失敗が許容される環境」や助け合いの文化を魅力とする一方、価値観や商習慣の違いによるトラブルなどの課題も存在します。これらを乗り越えて事業を成功させる秘訣は、熱意ある現地のメンバーとの連携だと考えます。また、アフリカに挑戦する日本人同士のネットワークも活用できます。」
・谷内 愛 氏(WASSHA株式会社 取締役COO)
「現地の需要に合わせたプロダクトの柔軟な適応と、優秀な現地人材への権限委譲は重要ですが、その上で、日本企業は「資金力と人材育成文化」を強みとし、現場を熟知する若手日本人をハブとして活用することで、スピーディな事業展開が可能になります。」
・田中 遼平 氏(JICA アフリカ部)
「アフリカは人口増加や市場統合など大きなポテンシャルを秘めており、「いつかの市場ではなく、今から関わるべき市場」となっています。JICAではアフリカ市場に進出を検討する日本企業に対しJICA Biz等を通じ、現地でのニーズ確認やビジネス化実証の後押しをしています。」
JICA海外協力隊経験者が、現地で検証した事業アイデアを発表

第2部では、事業アイデアをもとに実際に自ら現地に赴き、泥臭くニーズ調査を行ってきたJICA海外協力隊経験者3名が登壇。
うまくいったこと・いかなかったこと、その分かれ目に何があったのか、現地で掴み取ってきたリアルな検証結果を報告し、アフリカビジネスのトップランナーや来場者や企業・団体等との連携による事業の加速・推進に向けた熱いピッチが披露されました。
【ピッチ登壇者と発表内容】
1. 竹田 憲弘 氏(アフリカノオト)
テーマ:スタディツアー×家畜養育による農村貧困世帯の収入創出支援
ルワンダの女性世帯主世帯の貧困解決に向け、日本人向けスタディツアーの収益で現地に鶏や牛を提供し、持続的な収入創出を目指すビジネスモデルです。調査の結果、経済合理性よりも、女性の自尊心を回復させる「牛」の象徴的価値や、自力で稼ぐ「達成感」が現地で重要視されていることが判明しました。また、ルワンダ虐殺という歴史的背景に基づく複雑な人間関係に配慮し、慎重にチームを編成する重要性も浮き彫りになりました。
今後は初期費用のために日本企業の協賛を募りつつ、プロジェクトを推進する予定です。
・竹田 氏のコメント:「現地女性から『動物を提供した日本人のことを孫の世代まで語り継ぐ』と言われたように、長く続く素晴らしい取り組みになるよう事業を進めていきます。」


2. 河野 雄太 氏(Lim-Kawano & Company株式会社)
テーマ:アフリカの若者へ届ける語学を通じて人生を動かすもう一つの収入源
調査の結果、カメルーンの物価高騰と人々の多忙さにより、当初想定していた安価な労働力に頼るビジネスやオンラインレッスンは困難だと判明しました。一方で、彼らは単に生活のためだけでなく「留学」や「起業」といった明確な夢を持っていることが分かりました。
そこでリアルなフランス語音声をAI加工して日本向けにサブスク販売する教材モデルへ事業を転換しました。日本側の実践的な語学ニーズを満たしつつ、現地の人々の「夢」を応援する持続可能な雇用創出を目指し、今後はプロトタイプの実証実験を進める予定です。
・河野 氏のコメント:「現在サブスクリプション型で事業を検討しているが、まだ課題は解決できていません。様々な方の知見をもらいながら事業をブラッシュアップしていきたい。」


3. 平野 耕志 氏(キウイフルーツカントリーJapan)
テーマ:人が育ち、地域が育つ農業を目指して
ザンビアの小規模農家の貧困解決に向け、高単価で栽培しやすいブルーベリーに関するビジネスモデルを提案しています。現地調査の結果から、ザンビアの人々の健康志向による需要の高さや、輸入に依存し、高価格・供給不安定な現状から国産化に勝機を見出せないかと考えています。この事業を通じて農家の収入を大幅に向上させ、農業を「貧困から脱出する鍵」に変えること、および栄養価の高い農産物をより多くの人々に届け、農家の暮らしと人々の健康の双方に貢献することを目指しています。
・平野 氏のコメント:「このアフリカでの事業成功をモデルケースとすることで、高い技術を持ちながらも衰退しつつある日本の農業にも良い刺激や変化をもたらしていけるのではないかと思っています。」


【コメンテーターからの3名へのフィードバック(一部抜粋)】
「自身もスラムに住む方々へ家畜を提供する事業を試みたが、病気で死んでしまうなどの初期投資後のリスクがあることを痛感した。単なる資金提供ではなく、パートナー企業と継続的に応援し合える仕組みづくりが大切になると考えます。」
「自身の農業経験を活かして土壌や競争力を見極める姿勢が素晴らしく、健康への価値が定着すれば、アフリカ市場でもブルーベリーの販路開拓は十分に可能だと感じました。」
会場では、同じく現地調査を行った3名の検証成果も展示
また、会場内のモニターや特設ブースでは、同じく自ら現地で深くニーズ検証を行ってきたJICA海外協力隊経験者3名による資料展示が行われました。
【資料展示による調査結果発表】
・曽根 裕恵 氏(合同会社ESSEARA)
シングルマザーの雇用創出を目指し、ガーナにおけるひまわり栽培からひまわり油の加工・販売までの国内生産の実現可能性や市場を調査しました。調査の結果、現在ガーナではひまわり油を全量輸入に依存しているものの、ツナ缶加工業などを中心に年間約29,000トン規模の安定した需要があることが判明しました。事業化にあたっては、当初検討していた自社栽培から、栽培支援体制を持つ現地の種子販売会社などと連携する協働型モデルへ転換しました。自社は「搾油・加工・販売」に特化することで、初期投資や農業リスクを抑えつつ、十分な競争力を持つ輸入代替モデルの構築が可能だと考えられます。また、雇用創出に関しては、特定のターゲットに限定するのではなく、柔軟な勤務体系等を整備することで多様な人材が活躍できる包摂的な環境構築を重視しており、シングルマザーの女性に限らず若者への雇用拡大も期待されます。
・北村 茂明 氏(RK AUTO SERVICES LTD)
現在ザンビアにて元ストリートキッズの雇用創出を目指した中古車事業を行っています。本調査では日本からケニアやザンビアへ輸入されている良質な中古車および中古部品を調査し事業のブラッシュアップをしました。調査の結果から、日本からザンビアへの中古車輸出は拡大傾向にあるものの、現地での不具合対応や適正価格での部品・修理体制の確保が課題となっていることが分かりました。一方でタンザニア経由での部品供給ルートは物流の未整備や二重課税リスクなどの懸念がありますが、両国間の価格差や規制の差を活かしたビジネス機会が見込まれています。今後はコスト構造を精査しつつ、当面は単独でテスト輸入を行い、実証的に事業性を評価していく方針です。
・関谷 拓朗 氏(一般社団法人モザンビークの新しい教育を支援する会)
モザンビークで障害があってもその子らしく成長できる教育施設の経営を行っています。学齢期を過ぎた障害児・(者)の社会における居場所や役割が不足している課題に対する解決に向け、障害のある人とその家族が主役となって活躍できる養鶏ビジネスおよび生ごみをタンパク質(飼料)に変えるアメリカミズアブ(以下BSF)を組み合わせたモデルの検証をしました。調査の過程で人工飼料が高コストなため養鶏単独での収益確保が難しいことが判明した一方で、生ごみをタンパク質に変える昆虫「BSF」を代替飼料として導入することで、大幅なコスト削減と持続可能なビジネスモデル構築の可能性が見出されました。既存のコミュニティやビジネスモデルに新しい技術を導入することによって、福祉制度が未整備な地域でも持続可能な障害があっても働ける仕事作りを進めます。同時にBSFの導入によって循環型の社会を構築し環境面での効果も期待できるようになります。
名刺交換にとどまらない、出会いと連携の場に
第3部では、登壇者と参加者によるネットワーキング・共創マッチングを実施しました。
会場では、ピッチで発表された事業への協力や、企業が持つ技術・販路・資金・人材との連携可能性について、具体的な意見交換が行われました。単なる名刺交換にとどまらず、それぞれの強みや課題を共有し、新たな事業やパートナーシップの可能性を探る場となりました。
参加者の声
「アフリカビジネスをされている、または始めようとしている企業の生の声を聞くことができ、有意義だった。」
「実際に現地で活動されている方からの生のお話を聞くことができ、アフリカでの活動について新たな視点を得られました。」
「協力隊出身の皆さんならではのローカル密着な視点と、今後のスケーラビリティを感じる発表が興味深かったです。」
JICA海外協力隊の経験を、社会実装へ
会の最後に独立行政法人国際協力機構(JICA) 青年海外協力隊事務局次長の笠原宗一郎が閉会の挨拶を行いました。笠原氏はニーズ検証ピッチで発表されたアイデアから新たなビジネスが生まれることへの期待を述べるとともに、JICAとしてもこうした取り組みから生まれる事業や挑戦を継続して支援していく考えを示しました。
JICA海外協力隊経験者の帰国後の社会還元を目的にスタートした「JICA海外協力隊起業支援プロジェクト(BLUE)」では、これまで3期にわたり起業伴走支援プログラムを実施し、さまざまな社会起業家や社会課題の解決に挑む実践者が生まれてきました。
JICA BLUEが目指すのは、起業家を育成するだけではありません。
JICA海外協力隊経験者、企業、自治体、投資家、支援者など、多様なプレイヤーがつながり、国際協力の現場で培われた知見を新たな事業や社会実装へとつなげる仕組みをつくることです。

【直近のオンライントークイベント情報】

・日時:2026年7月14日(火)
・イベント名:BLUE STORY #4 弱さをそのまま出せる場所を、自分の手でつくる~海外経験を日本の地域課題解決へ~
・登壇者:奥 結香 氏(NPO法人Teto Company 理事長/JICA海外協力隊経験者)
・対象:国際協力×地域課題解決に関心がある方、福祉・教育の専門性を地域に活かしたい方
・イベントページはこちら
■主催
・運営団体について独立行政法人国際協力機構(JICA)について

JICAは、開発途上国が直面する課題を解決するため、技術協力、有償資金協力、無償資金協力など日本の政府開発援助(ODA)を一元的に担う二国間援助の実施機関で、150以上の国と地域で事業を展開しています。
国際社会の課題は日本とも密接に関係しています。国内外のパートナーと協力してそれらの解決に取り組み、世界の平和と繁栄、日本社会の更なる発展に貢献します。
詳しくはHPをご覧ください。
株式会社ボーダレス・ジャパンについて

社会課題をビジネスで解決するソーシャルビジネスしかやらない会社として2007年に設立。貧困・環境・教育・ジェンダーなど、さまざまな社会問題を解決する45の事業を世界15ヵ国で展開・2025年度の売上は105億円に及ぶ。
社会起業家を次々と生み出すエコシステムが評価され、「グッドデザイン賞 ビジネスモデル部門(2019)」「大切にしたい会社大賞・審査員特別賞(2019)」「CSA賞~20代に薦めたい「次世代型人材」創出企業~」を受賞。2023年10月、社会課題解決を次のステージに進めるべく新パーパス「SWITCH to HOPE 社会の課題を、みんなの希望へ変えていく。」を発表。より多くの人が、ともに良い社会を目指すための仕組みづくりを目指す。
公式サイト:https://www.borderless-japan.com/
会社名:株式会社ボーダレス・ジャパン
所在地:福岡市中央区天神3-1-1 天神フタタビル4F
設立 :2007年
代表者:代表取締役CEO 田口一成
事業内容:社会問題の解決を目的とした事業展開(ハーブティー事業、革製品事業、クラウドファンディング事業、ソーシャルビジネススクール事業)