受賞を記念して「情趣と妄想と芥川龍之介 ――日本の読者の皆様へ」閻連科のエッセイを期間限定公開! 7月11日(土)に東京御茶ノ水デジタルハリウッド大学・駿河台ホールで授賞式が開催。

株式会社河出書房新社(東京都新宿区/代表取締役 小野寺優)から2025年4月に刊行した長篇小説、閻連科(えん・れんか)著/谷川毅(たにかわ・つよし)訳『聊斎本紀(りょうさいほんぎ)』が、「第十二回日本翻訳大賞」(主催:日本翻訳大賞 実行委員会)大賞を受賞しました。*
第十二回日本翻訳大賞・大賞決定のお知らせ | 日本翻訳大賞 公式HP
*2026年4月27日(月)発表
反響を受けて、2026年6月8日に重版が出来いたしましたのでお知らせいたします。
閻連科 著/谷川毅 訳『聊斎本紀』
「朕は死ななくてはならんが、この絵師は永遠に生きるのだな」
皇帝に難題を持ちかけられた天下一の絵師は、
絵の中に自らを封じこめる。
一方、少年時代に聞いた銀色の狐の夢を毎夜見るうちに、
皇帝は『聊斎志異』の怪異世界に魅せられていく。
人間の心臓を食べて転生しようとする妖怪、
孔子の末裔と蘭の香りに包まれた絶世の美人三姉妹、
富をもたらす酒の虫、人間と狐のめくるめく愛欲の日々……。
物語が物語を引き寄せ、謎が謎をよびながら、
異界と現実が混淆し逆転する壮大な物語。
現代中国社会の矛盾を描きつづけ、
大陸では出版不可能な怪物作家、前代未聞の新境地!
現代の中国文学を代表する作家・閻連科さんは、中国社会の不条理を鋭く描き続け、たび重なる発禁処分を受けながらも世界での評価を確立してきました。
第十二回日本翻訳大賞の大賞を受賞した『聊斎本紀』は、中国古典として名高い怪異短篇集『聊斎志異』を大胆に再構築し、幻想文学と怪異譚の魅力を現代的想像力によってよみがえらせた長篇小説。
翻訳を手がけた谷川毅さんは、長年にわたり閻連科作品を日本に紹介してきた翻訳者であり、その精緻な訳文によって、本作の濃密な世界観を鮮やかに伝えています。
ノーベル文学賞の有力候補である閻連科さんを、〈中国文学の怪物作家〉と賞賛する文学者は多く、特に本書は2025年4月の刊行時から、読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞、雑誌ダ・ヴィンチ等、多数メディアが書評を掲載し話題になってきました。読者からも「新境地の大傑作!」「中国文学の新たな到達点」などの声が寄せられています。
待望の重版が出来した、閻連科著/谷川毅訳『聊斎本紀』にぜひご注目ください!
●受賞記念!「情趣と妄想と芥川龍之介――日本の読者の皆様へ」エッセイ公開
「第十二回日本翻訳大賞」大賞受賞を記念して、本書初版限定で投げ込んでいた特典の著者エッセイ「情趣と妄想と芥川龍之介──日本の読者の皆様へ」を、1か月の期間限定で公開いたします。
『聊斎本紀』初版特典ペーパーに掲載のエッセイより
私は頭の中が妄想でいっぱいの人間です。
美しい人生を妄想します。現実にはない場所、桃源郷の美を妄想します。世の中のすべての人の悪に、一人の力が打ち勝つことを妄想します。言葉においても、構成においても、叙述においても、人物においても、細部においても、物語の内部のロジックにおいても、すべて諸先輩の作品にはなく、人類がまだ見たことのない名前の付けようもない美しい新しい植物のような小説を書けると妄想します―― ただ実際には新しい植物でも何でもないのですが……
続きはWeb河出でどうぞ! → https://web.kawade.co.jp/column/233618/
●「日本翻訳大賞」とは?
「読者と翻訳者のために、もっと開かれた翻訳の賞をつくりたい」
2014年、翻訳家・西崎憲のつぶやきにゲームクリエイターの米光一成が賛同したことがきっかけとなり設立されました。
選考委員は、翻訳家の岸本佐知子、斎藤真理子、柴田元幸、西崎憲、松永美穂、さらに今年はゲスト選考委員として木原善彦も参加。
翻訳家のみならず、その愛読者や関係者たちの祭典として12年間愛され続け、世界有数と言われる日本の翻訳文化の発展や盛り上げに貢献してきました。
■第十二回日本翻訳大賞概要
「2024年12月1日から2025年12月31日」までの13ヶ月間に発表された翻訳作品が対象。小説・詩・エッセイ・評論など、ジャンルは問わない。ただし、過去の翻訳の復刊は対象としない。また、選考委員自身の訳書や、解説文・帯コメントなどに関わった作品は選考外とする。
日本翻訳大賞公式サイト:
https://besttranslationaward.wordpress.com/
●著者 閻 連科 えん・れんか Yan Lianke

Jen Lien - Kche, Yan Lianke, činský spisovatel, prozaik, Vikend, Praha, 16. 11. 2013
1958年中国河南省の貧しい農村に生まれる。高校中退で就労後、20歳のときに人民解放軍に入隊し、創作学習班に参加する。80年代末から小説を発表。軍人の赤裸々な欲望を描いた中篇『夏日落』(92)は発禁処分となる。その後も中篇『年月日』(97)など精力的に作品を執筆し、中国で「狂想現実主義」と称される長篇『愉楽』(2003)は、05年に老舎文学賞を受賞した。一方、長篇『人民に奉仕する』(05)は二度目の発禁処分となる。さらに「エイズ村」を扱った長篇『丁庄の夢』(06)は一時販売中止処分。大飢饉の内幕を暴露した長篇『四書』は大陸で出版できず、11年に台湾から出版された。09年にはエッセイ『父を想う』がベストセラーとなる。ほかに、長篇『硬きこと水のごとし』(01)、『炸裂志』(13)、『太陽が死んだ日』(15)、『心経』(20)、『中国のはなし』(21)など。また邦訳短篇集に『黒い豚の毛、白い豚の毛』がある。14年フランツ・カフカ賞受賞。近年はノーベル文学賞の候補としても名前が挙がっている。
訳者 谷川 毅 たにかわ・つよし Tsuyoshi Tanikawa
1959年生まれ。名古屋経済大学名誉教授。訳書に、閻連科『愉楽』『黒い豚の毛、白い豚の毛』『丁庄の夢』『硬きこと水のごとし』『年月日』『人民に奉仕する』『太陽が死んだ日』など。
●書誌情報

書名:聊斎本紀
著者:閻連科 谷川毅訳
仕様:四六変型判/並製/456ページ
発売日:2025年5月27日
重版出来日:2026年6月8日
税込定価:5,280円(本体4,800円)
ISBN:978-4-309-20925-8
URL:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309209258/
※電子書籍も2026年6月中に発売予定です。詳細は各電子書籍サイトでご確認ください。